氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

投資詐欺、全国で年間1110億円、被害者13万人に上る被害

TKO木本氏が投資詐欺にあい、投資を周囲の関係者に勧誘したとのことで全番組を降板したことがニュースに上がっています。現時点で詳細は不明ですが、今回の件は自分が加害者にもなっていることが最悪です。ただ、この手の詐欺はよくあることです。

kabuhudousan.hatenablog.com

警察庁が集計している「令和3年における生活経済事犯の検挙状況等について」をみると、投資など利殖に関連した詐欺事件、ヤミ金融に関連した事件、訪問販売や通信販売などの特定商取引に関連した事件の実例と共に、検挙された人員や被害額などの推移が記載されています。

警察庁のホームページから誰でも簡単に閲覧できます。

 

 

詐欺は意外と身近なところにあるものです。 なかでも注目されるのが「利殖勧誘事犯」です。これは未公開株式や公社債、ファンド、デリバティブ、預かり金など、要は「この商品に投資すれば儲かりますよ」という謳い文句でお金を集める詐欺事件を指しています。

暗号資産に関連した詐欺事件も、この中に含まれています。 昨年1年間を通じて、利殖勧誘事犯の検挙事件数は過去10年中で最も多くなりました。

被害額は1110億1857万円で、被害者数は13万2120人です。

なかでも被害額、被害者数ともに最多なのが「集団投資スキーム(ファンド)」で、被害額が910億4409万円、被害者数は12万8393人と、利殖勧誘事犯の大半を占めたといっても過言ではありません。

集団投資スキーム(ファンド)とは、出資者から集めたお金を有価証券、事業などに投資・運用した結果、生じる利益を配分するという仕組みのことで、その多くが「元本確保」と「高利回り」を謳い文句にして商材を販売し、集めたお金を詐取するというものです。

また、利殖勧誘事犯に関する相談受理件数も急激に伸びています。前年(2020年)の相談件数が1806件で、2021年の今回調査分は3109件でした。

これは暗号資産に関する相談件数も同じで、PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられた相談件数を見ると、2020年度の相談件数が3344件だったのに対し、2021年度のそれは5466件まで大きく伸びています。

 

 

また、年代別の相談割合の推移を見ると、興味深いのは年々、年齢の若い人たちの相談割合が増えていることです。

2016年度の数字を見ると、60歳代以上の相談割合は47%でおよそ半数近くを占めていました。

それが年々低下傾向をたどり、2020年度は26%まで低下しています。一方、30歳代以下で見ると、2016年度の相談割合は22%でしたが、2020年度には43%まで上昇しています。

ちなみに2021年度は、30歳代以下が34%に低下、60歳代以上は28%で前年度とほぼ同じでしたが、40歳代と50歳代の比率が上昇しました。 昔から、この手の資産運用詐欺に引っ掛かるのは高齢者と言われていましたが、最近はやや状況が違ってきているのかも知れません。

利殖勧誘事犯の相談受理件数についても、相談当事者の年代別構成比の推移を見ると、2017年は65歳以上が42.2%もあったのに、2021年は15.2%まで低下しました。

対して20歳代は8.8%から18.3%に上昇、30歳代は7.8%から18.3%に上昇、40歳代は11.1%から18.4%に上昇、となっています。

「国民生活」では、暗号資産に関する消費者トラブルの相談事例も掲載されています。もちろん、ここに掲載されているのは一例に過ぎないため、全体像を示しているわけではありませんが、暗号資産取引に絡む消費者トラブルのパターンを把握するうえで役に立つと思います。

典型的なパターンとしては、「SNSマッチングアプリで知り合った人に紹介されてセミナーに参加したというものです。

暗号資産で儲かるという話をされて、指定された暗号資産の取引所(あるいは取引業者)のサイトにお金を振り込んだところ、いつの間にかサイトが閉鎖されてお金が戻らなくなった」というものです。

SNSマッチングアプリを通じて知り合った人からの勧誘というのが、いかにも今風です。

 

 

近年、SNSマッチングアプリが隆盛ですが、そこに大勢の人間が集まれば、悪いことを考える人も集まってくるという図です。

マッチングアプリはもちろんですが、最近のSNSは、使い方次第では、自分の知人・友人という特定のコミュニティにおけるコミュニケーションツールではなく、不特定多数を相手にしたコミュニケーションにつながります。

そこに、身元の不確かな人物が入り込んでくる余地は十分にあります。そもそもSNSマッチングアプリで知り合った人物は、本人確認すら難しく、場合によっては実在していない架空の人物であることも考えられます。

また、物理的な店舗は存在していない場合のケースもあります。インターネット上で取引が完結するということは、詐欺を目論む連中が大勢の人たちからある程度、お金を集めた後、サイトを閉じることによって簡単に行方をくらますことも出来るということです。

しかも暗号資産の場合、海外に設立された取引所や業者宛てに送金するケースが大半です。送金後、サイトを閉じられてしまったら、資金の行方を追跡するのはほぼ不可能ですし、責任を追及することもできません。

kabuhudousan.hatenablog.com

フェイスブックにも時々、怪しげな資産運用の勧誘広告が掲載されますが、SNSマッチングアプリで知り合った人物からの勧誘には、乗らない方が無難です。

また資金を振り込む先についても、実体が全く確認できないようなところは避けた方が良いでしょう。

最近は、「投資はハードルが低く、誰でも手軽に取り組めます」といったことを盛んに喧伝するような広告、あるいは記事も目にしますが、投資でお金を増やすのは、決して容易なことではありません。

それが可能なら、誰でもお金持ちになれます。誰でも簡単に、低いリスクで、高いリターンが得られる、といった誘い文句には、必ず裏があるということを、理解すべきです。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村