今の若い世代は年金もあてにできないし、自分の面倒は自分でみていくことが必要といわれ、投資を始める人が増えています。
でも、なかには「投資なんて怖い」という人もいます。
確かに、投資の世界にはあやしげな人がいて、おいしそうな儲け話をもちかけてきたりします。
こうした詐欺まがいの話に騙されないようにするには、正しい知識を持っていなければいけません。
あやしい投資話には、二羽の鳥がいます。
ローリスク・ハイリターンのところに止まっているのが「サギ」です。
ハイリスク・ローリターンのところに止まっているのが「カモ」です。
自分だけは騙されないと思っていても、あやしい投資話に簡単に引っかかる人が極めて多いという現実があります。
多くの人たちが、あやしげなセミナーで投資話に引っかかり、痛い目に遭っているというニュースを何度でも見ます。
基本的に正しい金融リテラシーを持つことが重要なのです。
まず、リスクとリターンの関係ですが、リスクが高い商品ほどリターンは大きくなり、リスクが低い商品ほどリターンは小さくなります。
ハイリスク・ハイリターンの代表例が、仮想通貨、FX、株などです。
ローリスク・ローリターンの代表例が、債券、保険、銀行預金、年金などです。
そして、ローリスク・ハイリターンのところに止まっている鳥が「サギ」です。
サギは「低リスクなのにリターンが大きいよ」と言って近づいてきます。
「リスクがほとんどなくて、月に20%のリターンがありますよ」などと、よくわからない海外保険などの金融商品を売りつけてくるのです。
こんなサギは、20代から30代の、まだたくさんお金を持っていない若い人たちを狙います。
そして、ハイリスク・ローリターンのところに止まっているのが「カモ」です。
狙われるのは退職したシニア、役職についている会社員、医者、バリキャリの女性たちなど高所得者で、忙しくてお金の勉強をする暇がないけれど、そこそこお金を持っている人たちです。
こういう人は、不動産業者の利益が多く乗った、明らかに高額な都心のワンルームマンションを買わされたりしています。
投資の世界は、ハイリスク・ハイリターンか、ローリスク・ローリターンが原則です。
このことを頭に入れて、投資をするときはくれぐれも「二羽の鳥」に注意してください。
サギに注意して、カモにされないように、あやしい投資話に引っかからないためには、世の中の平均を知っておく必要があります。
次に日本株の運用リターンは、平均で3%から5%です。
リターンとは、「資産を運用した結果、得られる成果」のことです。
日本の厚生年金と国民年金の管理運用業務を行っているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人年金機構)は、世界の運用機関の中でもわりと優秀だといわれています。
このGPIFが運用して3%から5%です。
アメリカの株の平均リターンは、30年間で7%です。GAFAMいう巨大企業が積み上げてきた株価の上昇を入れて7%なのです。
こうした数字を知っておけば「月利20%」などという数字がいかに馬鹿げているか、おわかりでしょう。
どこの誰かもわからないような人が始めた謎の仮想通貨やファンドが、月に20%のリターンなんて叩き出せるわけがないのです。
そしてもう一つ、あやしい投資話を見抜くポイントがあります。
紹介された金融商品を扱っている業者が、金融庁に登録済みかどうかを確認してください。
未登録の業者のあやしい金融商品だったりした場合、もしその商品が破綻したとしても、国としては一切の責任を取れません。
だから「投資は自己責任」ということになるのです。
「仕方ないよね、最終的には自己責任なんだから」とシレっと言って、売りつけた人が被害者から集めたお金を持って海外に逃げてしまったりしています。
莫大な借金を作らされたり、資産を溶かしてしまったりして、人生を台無しにされないよう悪質な投資話には絶対に乗らないでください。