氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

ほとんどの人が負け組になる時代

かつての「1億総中流社会」では、一生懸命勉強してそれなりの学校や会社に入り、コツコツ定年まで勤め上げれば、余生は安泰でした。

女性はサラリーマンと結婚し、専業主婦として子供を育てることが、当たり前の幸せとされました。

しかし、そんな時代はとっくに終わりました。今は普通に生きていたら、暮らしは一向に楽にならず、老後不安から抜け出せない人生に転落してしまいます。

今や、世界はとてつもなく豊かになり、誰もが自由に自分らしく生きられる『リベラル社会』になりました。年齢や性別による差別は許されません。

その一方で、一人ひとりに求められる能力の水準が上がって、普通に生きている多くの人がそれをクリアできなくなったのです。  

 

 

より高い学歴や資格、経験を持つ者だけが優遇される現代は、いわば知能格差社会です。

夢を叶えて自己実現できるのはほんの一握りの上級国民だけです。

バリバリ働いて高収入を得る女性が増え、交際相手となる男性に求める水準も上がりました。

その結果、恋愛の自由市場から脱落する男性が増え、それが少子化や婚姻率の低下として表れています。

ある種のステータスだった、出身校や勤め先といったブランドにもあまり期待できなくなっています。

SNSの登場で、個人の持つ経歴や能力、魅力が可視化されたからです。

仕事の形態が会社から個人に移るに従って、これまでブランドに頼っていた人は転落していきます。

古きよき時代に就職・結婚した世代や、リタイア世代にも時代の波が襲いかかっています。

日本人の平均賃金は、ここ30年間上がっていません。今後も、人口減少による市場の縮小は続きますから、雇用を流動化させない限り、賃金の大幅な上昇は期待できません。

 

 

また、年金制度はそもそも、55才前後で退職して65才前後で亡くなることを前提に設計されていて、人生100年時代となった今は制度自体の持続性が問われています。

給付額の引き下げや受給開始年齢の引き上げが避けられず、年金で悠々自適はもはや夢のまた夢です。

長い歴史の中で、人類は飢餓や病気の脅威を乗り越え、健康長寿を実現しました。

経済格差が叫ばれますが現代の貧困層の暮らしは、中世の王侯貴族より恵まれているといわれます。

人類史上もっとも幸せな時代なのに、現代人は幸福感よりも、多くの不満を抱えているのです。

社会に出たとたんに激しい競争で疲弊し、ふと目にしたSNSでは、他人の幸せそうな姿がこれ見よがしに強調されます。

そんな状況で、本当はいまも幸せなはずの自分の人生に求める「期待値」が上がっているのかもしれません。  

そうして欲張りになってしまった人たちに求められるのは、なるべくストレスを減らして、身の丈に合った暮らしをすることです。

今は食べるものも着るものもあまりに豊かで、選択肢が多すぎます。

そんな世の中でストレスを避けるには、シンプルな暮らしを心がける『ミニマリズム』しかありません。時代の流れで、ミニマリストも多くなっています。

お金を貯めるもっとも確実な方法は、お金を使わないことですから、シンプルライフは、老後の資産形成にも適しています。

 

 

世の中のわずらわしいことをテクノロジーが解決したといえる今、最後に残った解決できないものは人間関係です。

SNS上で気に入らない人をブロックするように、嫌な人間関係を絶つだけでも、人生の幸福度は劇的に上がります。

ネットが普及して他者とのかかわりが薄く広くなると、『家族』という濃く深い人間関係がより大きな影響力を持つようになります。  

これまで、家族は互いに支え合う最後の砦と考えられてきましたが、最近はそんな幻想も崩れつつあります。

家族の介護がつらい、やりたくないという書き込みに共感が広がり、母親が憎い、わが子に腹が立つといった、以前では非難されたであろう声にも、多くの共感が集まっています。

自由に生きたいから、親の介護はプロにお金を払って任せると、家族の役割をアウトソース(外部委託)することも当たり前になるでしょう。

この先、期待しない生き方を始める上で大切なのは、優先順位を明確にすることです。

限られた時間を有効に使って満足な人生を送るには“自分にとってゆずれないものは何か”を見極める必要があります。

仕事、お金、食事、趣味、夫婦の時間など、どれかを優先すれば、他のことに割く時間がなくなります。

だとしたら、優先順位の低いものはアウトソースするか、高望みせずにほどほどで済ますことです。

全てを平均的にこなすより、大切なものに全力を投入する方が、ずっと幸福度が上がると思います。

何に期待しないか考えるのは、何に期待するか考えることでもあります。

自分にとってゆずれないのは、お金か、家族か、趣味か、それ以外か、本当に大切な1つだけ守れればよいのです。

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