氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

『資産運用特区』創設へ…「格差拡大」につながる懸念も…

岸田首相は、日本時間9月22日(金)にアメリカ・ニューヨークで講演し、日本の資産運用業への海外勢の参入を促すため、「資産運用特区」を創設すると表明しました。

この「資産運用特区」とは簡単に言えば、海外の「資産運用企業」を日本に参入しやすくさせるものです。

資産運用会社とは、顧客から預かった資金を運用したり、投資信託といった金融商品を開発したりする企業です。

岸田首相は、以前から「貯蓄から投資へ」の流れを促進しようとしており、この分野の構造改革をおこない、海外企業を呼び込むことで業界の活性化を目指しています。

そこで打ち出したのが「資産運用特区」です。この特区では、海外から日本で資産運用業をはじめるときに、行政手続きがすべて英語でできるようにするとのことです。

運用担当者のファンドマネージャーが来日したときの住環境や、インターナショナルスクールといった子どもの教育環境のような「生活環境の整備」にも触れているということです。

「資産運用特区」の創設は、資産運用業界を活性化させて、国民を投資に触れやすくさせ、結果的に国民所得を増やすのが狙いです。

本当にできるかはまた別の話ですが。前提として、日本の家計の金融資産はおよそ2,100兆円。そのうち現金預金(預貯金)は1,100兆円程度と、全体の半分を占めています。

一方で、株式は大幅に増加していますが、それでもおよそ270兆円です。投資信託も100兆円程度となっています。

逆にアメリカでは(家計の金融資産構成における)現金預金の割合が全体の1割、ヨーロッパも3割程度です。日本は大幅な金融緩和政策で金利が低いにもかかわらず、現金預金率が突出して多いことになります。

こうした習慣を変えるために、特区をつくることで、海外勢も含めて業界を活性化させたい狙いがあります。

さらに来年1月からは「新しいNISA(=新NISA/少額投資非課税制度)」も始まります。いろいろと制度の変更はありますが、重要なポイントは、非課税でできる投資上限額がこれまでよりも増えるということです。

もともと岸田首相は去年9月にニューヨークの講演で「NISA改革」を訴えていました。

これに今年の「資産運用特区」発言を加えると、NISAで個人が投資をしやすくしつつ、資産運用会社側の規制改革もおこなおうということです。

日本にある1,100兆円の預貯金を投資に向けさせることが目的です。資産運用特区」の創設について、資産運用の点で、日本は世界に遅れているのは間違いないのかな、と思います。

日本の投資信託企業の多くは銀行や証券会社の子会社で、人材不足やノウハウ不足が指摘されていますし、日本の投資信託の慣行は非効率なものが多いという指摘もあります。

銀行の金利も低いので、投資や投資信託による資産運用を、政府としては普及させたいのでしょう。

一方、今回のように海外企業の呼び込みで業界を活性化(=競争を激しくさせる)するということですが、淘汰される日本企業が出てくる、という懸念があります。

これを単純に良いとみるかは人によって変わってくるかなと思います。 また、海外勢が勢いづいても、それが本当に「日本にとって良いこと」になるかどうかは、政策を進めるなかで注意しなければならないと思います。

より重要な点は、私も含め、資産運用は大人になってからいろいろと知りますよね。急に投資をおこなってもつまずく人も多く、当然(投資には)リスクもあります。

岸田政権は「資産所得倍増プラン」を去年11月に打ち出しており、そこには金融教育の拡充も盛り込まれています。

「投資はよく分からない」だけでなく、「何か怖い」と感じている人に対する丁寧な知識を共有し、お客様教育をしなくてはいけません。そうでもしないと、たくさん投資をして失敗する人が出てくると業界としても困るので、このあたりのさじ加減が重要かなと思います。

子どものときから金融教育をおこなうことも、どんどん進めていく必要があります。投資先だけ増えても……という思いです。

日本の個人金融資産のうち6割以上は「60代以上が保有している」というデータもあります。その多くは老後の生活資金になっているので、どこまで投資に回せるのかというのは疑問です。

一方で、投資がなかなかできないという人もいます。

そうすると富裕層が投資するということになるので、国民全体の資産は増えたとしても、実際は格差社会が進むことになります。

そこも懸念点としてありますので、かじ取りが難しいのですが、うまいことバランスを取って、金融を見ていかないといけないかなと思います。

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