氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

人間関係で無駄なエネルギーを浪費しない

今、ビジネスパーソンに最も求められている能力はは「感情コントロール力」です。

日常、さまざまな感情が湧き起こります。感情に振り回される人と上手にコントロールする人では、同じ仕事でも処理するのに時間がかかり、仕事の効率やパフォーマンス、成果にも大きな差が生じます。

誰でもイライラしたり不安になって、思うように仕事が手につかないということがあるでしょう。

どんなに能力があり、スキルを持っている人物でも、感情が乱れていてはパフォーマンスを十分に発揮することができません。余計な感情は物事を複雑にします。

たとえば嫌いな上司の言葉は、いちいち心に引っかかります。普段ならすぐにこなせる仕事もなかなか集中できず、時間がかかったり出来が悪くなったりして、結果的にとても効率が悪くなってしまうのです。

 

 

感情が不安定だとコミュニケーションも難しくなります。それによって人間関係がギクシャクしたり、もめたりして、思うように仕事が進みません。

感情が乱れがちな人は何かにつけて滞り、ためらい、逡巡します。時間と労力を使う割に仕事が遅く、質も悪い。結果として評価が下がるのです

一流のビジネスパーソンほど、エネルギーを1つのことに集中して使うことが大きな成果につながることをよく知っています。

限られたエネルギーを効率よく仕事に向けることがパフォーマンスを上げる一番の方法であることを熟知しているのです。

そして、その妨げの最大の要因が感情に振り回されることだと理解しています。

どんなに多忙であっても、焦ったりイライラすることなく、目標に向かって最短距離で結果を出し、それを最優先にするので、日常で派生する些末な感情にこだわることはありません。

ただし、感情を抑圧するのではありません。むしろ喜怒哀楽を素直に表現します。とても自然体でバランスがいいのです。冷静でありながら人間味にも溢れて魅力的な人物なのです。

周囲の人望も厚く、良好な人間関係を築くことができ、さらに仕事がしやすい環境が生まれていくことこそが成功へ向かう「正のスパイラル」です。

逆に仕事のできない人物に限って、些末なことに心を奪われ、そのたびに感情を乱しがちです。その結果、仕事のパフォーマンスも人間関係も悪くなり「負のスパイラル」に落ち込んでいくのです。

感情コントロールは自己コントロールとほぼ同義と考えられます。米国のある研究では、大学生の成績と30を超える性格特性との関係を分析したところ、学生の成績に関連する特性は「自己コントロール力」だけだということが示されました。

自己コントロール力は、学生のその後の成績を予測する方法として、IQやSAT(米国の大学進学適性試験)のスコアよりも優れていたそうです。

ビジネスパーソンを調べた別の研究では、自己コントロール力のスコアが高い上司は部下からも同僚からも好意的に評価されていることが分かりました。

そういう人物は感情も安定していて腹を立てることが少なく、他人に対して攻撃的になったりすることが少ないという結果も出ました。

頭の良さや仕事の能力以上に、自己、すなわち感情をコントロールできる人が社会的にも成功する。これらの研究からも、そのように言うことができます。

良い人間関係をつくり、仕事で成果を上げ、幸せな人生を送るために一番に必要なことは感情コントロールなのです。

部下の仕事の仕方にやたら細かくダメ出しをし、頭ごなしに否定する上司の攻撃に遭うと、何とか上司の機嫌を取りなそうと焦り、過剰反応するものです。

 

 

それはかえって上司の思うツボで、さらに怒りと攻撃が増すという悪循環です。そんな上司に対して恐れと同時に怒りや嫌悪感を抱きます。

それは上司に振り回されていると同時に、自分の感情に振り回されている状態です。

上司と心理的に距離を置くことで、冷静になることができます。上司が突っかかってきても、「あぁ、またいつもの上司のクセが出たな」と考え、適当に合わせながらスルーします。

すると上司のほうも冷静になり、これまでのようにカサにかかって攻撃することもなくなりました。

それどころか、感情的にならずに上司と向き合えるようになると、相手の意外な能力や長所に気がつくようになります。むしろ適切な距離感を保っている分、仕事がしやすい相手に変わります。

嫌な人こそ、じつは人生を大きく変える重要人物の可能性が高いのです。

私たちが相手に対してネガティブな感情を抱く場合、自分の心の中の偏りや思い込みが大きく関係していることが分かっています。

つまり、相手に原因があるというより、自分のほうに原因があるということ。  その証拠に、同じ状況を体験したり、同じ人と向き合っても、人それぞれに抱く感情が違うのです。

ある人にとっては怒りの対象になる出来事が、ある人にとっては好ましいと認識され、感情は客観的な事実によってのみつくられるのではなく、自分の主観、心の偏りや思い込みなどが大きく関係しているのです。

感情にまかせて、相手を拒絶したり否定したりしているうちは、自分の中の偏りや思い込みに気づくことも、正すこともできません。

それらを自覚し、意識化し、自分の考え方や行動を修正することで、その偏りや思い込みを正すことができます。

自分自身が変化することで、上司の嫌な部分だけでなく、長所も認めることができるようになります。

不思議なことに、そういう関係になると、一転、仕事をする上でお互いが協力し、補完し合う、前向きな関係に変化するのです。

この体験は、嫌な人とでもいい仕事ができる、という大きな自信になります。

感情を殺すのではなく、むしろ感情を上手に生かし、豊かな感情生活を送ることです。

怒りや悲しみ、恨みや妬みなどのマイナス感情を、いけないものだとして抑圧すると、それは無意識の中に逃げ込み、さまざまな悪さをするようになります。

まず自分の中の感情を素直に認めることが大事。  「あぁ、今、自分は怒っているな」「今、自分は悲しんでいるな」「嫉妬しているな」  ……など、言葉で自分の気持ちをしっかり感じ、認識してやるのです。

感情を無理に取り繕おうとすると、エネルギーを浪費してしまいます。

感情をありのまま素直に受け止めることで、心理的な葛藤を避けることができ、エネルギーも浪費しないですみます。逆に感情を取り繕えば、葛藤が生じ、その結果としてエネルギーを奪うのです。

むしろ感情コントロールは感情を活用することです。それによってエネルギーの浪費を防ぎ、本来の目標のためにエネルギーを向けることができます。

 

 

感情を上手に表現できることこそ、感情コントロールの真髄だと言えるでしょう。

感情コントロール力は誰もが身につけられるテクニカルな「技」です。

まず問題解決の手順は以下の通りです。

1.真の問題を見極める 

2.問題の構造を把握する

3.仮説を立てて検証する

4.解決策を導き出す  この4つが問題解決の基本的なプロセスです。

これを感情コントロールに当てはめると、

1.感情を意識化し、冷静に受け止める

2.感情が湧き起こった問題の構造を把握する 

3.どうしたらその問題が解決されるのかを仮説を立てて検証する

4.解決策を導き出す  となります。

まず大事なことは、湧き起こっている感情をしっかり感じ、認識すること。たとえネガティブな感情であっても、受け止めることが大切です(1.意識化)。

 要は、感情を何かモヤモヤした捉えどころのないものとして扱うのではなく、解決可能なロジカルな「問題」、あるいは「課題」として「見える化」することです。

つまり、問題化することができれば、それに対する解決策も自ずと生まれてくる、ということがポイントなのです。

その際、イライラしている感情が、作業が物理的に進んでいない焦りから来ているのであれば、人に助けを頼む、あるいは作業工程を見直すことが課題として見えてきます。

あるいはその感情が、上司の自分に対する評価が気になるということから来ていると分かれば、自分のこれまでの仕事の流れを上司に示してアピールしたり、どこに問題があるかを指摘してもらうことで印象をアップさせるなど、次に取るべき行動がロジカルに導き出されてきます。

いずれにしても、ロジカルな分析と思考が基本になっていて、まさにマッキンゼーで学んだ問題解決のスキルの真髄がそのまま応用できるのです。

感情にとらわれ、それに流されてしまう人たちは、逆に言えばロジカルに問題を捉えることができない人であり、感情を解決可能な課題にまで落とし込むことができない人だと言えます。それが効率のいい働き方を遠ざけてしまうのです。

ただし、やり方、手法さえ知れば、誰でも実践することができます。

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