氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

コロナで借金した人が相次ぎ自己破産

新型コロナウイルスの影響で生活が苦しくなった人に、国が無利子でお金を貸す仕組みがあります。

返済期限はまだ先にもかかわらず、既に「返せない」と自己破産する人が相次いでいるようです。

返済困難な金額は現時点で約20億円に上り、今後さらに膨らむのが確実です。

大半が返ってこない恐れもあり、最終的には国民負担に跳ね返ります。結果的に国は税金を垂れ流したということです。 

この制度は「特例貸し付け」と呼ばれ、コロナ感染が広がり始めた2020年3月に設けられました。

最大20万円の「緊急小口資金」と、最大60万円を3回まで貸す「総合支援資金」という2種類があり、最大200万円まで借りられます。いずれも無利子です。

 

 

市区町村の社会福祉協議会社協)が受付窓口になっています。申請期限は延長を繰り返し、今も利用可能です。8月末まで受け付けています。  

緊急小口資金は2年以内、総合支援資金は10年以内に返済が必要で、早い人は来年1月から返済が始まります。

47都道府県社協を対象に調査した結果、既に利用者から自己破産の通知が毎日のように届いているようです。

利用者から債務整理の手続きに入る通知が届いたり、自己破産などが決定したりしたケースは全国で少なくとも約5千人いることが判明しています。

1人で複数回借りる人も多いため、貸付件数では約1万8千件に上り、計約19億6千万円に達しています。

以前から他に借金があり、多重債務状態だった人が多いとみられています。

政府はコロナ禍や物価高騰で困窮する子育て世帯を対象に、子ども1人当たり5万円を6月から順次、支給しますが、女性は受け取れません。子育て世帯以外の困っている人が多いことも事実です。

貸付金の制度はこれまでも災害などの緊急時に利用されてきました。

 

 

しかし、今回のコロナ禍での特例貸し付けの総額は、20~21年度の2年間で約320万件、約1兆3千億円に達し、未曽有の規模となっています。

申請期間の延長をやめるよう求めてきた全国社協の幹部は「さすがにやりすぎだ」と政府に苦言を呈しています。  

コロナ禍で優先されたのが迅速にお金を渡すことでした。

その半面、申請は郵送でも可能で、審査は形式だけにとどまり、顔を見ないまま貸すケースもあったようです。

社協の現場職員からは「生活を立て直す支援をせず、『自助』の名の下に借金を背負わせているだけ」と疑問の声も上がっています。  

生活苦に陥っている人は他の債務や障害などを抱えているケースもありますが、申告だけで借りることができます。

支援に結び付かず、自立する力をそいでしまう可能性もあります。

申請者の生活状況を細かく確認できず、事実上『貸したら終わり』の関係です。

中には返済が免除される人もいますが、住民税非課税世帯であることが条件ですので、単身世帯の場合で年収約100万円が目安と、対象は狭いのです。

拡大を求める声があるものの、厚生労働省の担当者は「各地の社協が返済に向けた事務作業に入っており、今から変えるのは難しい」と否定的です。  

返ってこない分は国庫の負担になります。

 

 

都道府県の社協が5~6月をめどに返済の要否を利用者に知らせることになっていて、通知を機に夏以降、自己破産などが急増する恐れがあります。  

返せずに自己破産した場合、利用者は経済的にも心理的にもダメージを受けます。

生活再建に向け家計支援や精神的なサポートなどが必要になりますがが、債権者である社協から連絡を取ることは原則できず、支援の網から漏れることになります。  

社協の側にも、利用者が多過ぎて支援まで手が回らないという事情があります。

政府は困窮者への支援金給付などを実施していますが、臨時的な対応にとどまっています。

特例貸し付けは生活保護の増加を防いだという意味では一定の効果があったと言えますが、本来、貸し付けは一時的な収入の減少を補うものです。

収入が回復しなければ、利用者は債務が増えるだけです。  

低所得者を対象にした生活保護は預貯金などの条件が厳しく、偏見もあって忌避感が強いのです。

生活保護とは別に、もっと手前で住宅や教育など生活の一部を支える現金給付の仕組みを導入すべきでしょう。

社協の貸し付けについては元々、情報公開が不十分で、返済率などの状況をきちんと明らかにするための法令改正も必要です。

結局、国のバラマキの制度でしかなく、最終的に自己破産すればよいという考えを許容する社会は、国を滅ぼします。多くの給付金詐欺も含めて、国のコロナ対策の無策ぶりにはあきれます。

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