一億総貧困時代を迎える日本の中で、本当に恵まれていないのはどの世代かを考えた場合、「団塊ジュニア世代」しかありません。
バブル世代(65~70年生)、氷河期世代【団塊ジュニア世代(71~74年生)、ポスト団塊ジュニア世代(75~83年生)】、プレッシャー世代(82~87年生)、ゆとり世代(87~04年生)、Z世代(90年中盤以降生)に分類した場合、
これまで歩んできた道のりと待ち受ける暗い将来から不幸No.1は「団塊ジュニア世代」(現47~50歳)です。死ぬまで不幸No.1になることはほぼ確定です。
47歳から50歳の団塊ジュニア世代のサラリーマンの中には、親の介護と子育てが、同時にきてとにかく辛いと嘆く人も多いのです。
晩婚化でまだ子供に手がかかるのに、自分の両親や奥さんの親の介護がのしかかってきます。そして出費がかさんでお金がありません。
その結果、介護のために休職や離職をするしかなくなって、より生活が困窮する連鎖に落ちていきます。
これは上の世代がつくった、古い社会構造の中で働いているからこその弊害です。
かつては高齢者を支える現役世代がたくさんいて、家庭を持つのが当たり前でしたが、今は経済状況も環境もまるで違います。
昔はそれでなんとかなりましたが、介護や年金問題、子育てや女性の働きやすさなど、多くの制度設計がテコ入れされないままここまできてしまっています。
バブル崩壊後の経済不振やデフレなど失われた30年が今も続いている状態です。
90年代から少子化問題が叫ばれてはいましたが、多分いつか解決するだろうという緩い空気が漂っていました。
当時の政治家や国民の間に、当事者としての意識が圧倒的に欠落していたものと思われます。
そのとき対処すれば違ったかもしれませんが、誰も本腰を入れませんでした。
人口のボリュームゾーンでありながら就職も思うようにできず、非正規雇用で働いている割合も高いため、生活が困窮し、結婚もできないで独り身の人も多いのです。
その結果、ゆっくりと確実に状況が悪化し、もうテコ入れができないところまできているのです。
そこで一方的に尻ぬぐいさせられるのは現役世代です。もう誰が悪いとか、責任をなすりつけ合ってもしょうがないレベルまで到達しているのもわかります。
上の世代の見通しの甘さが、一気に現役世代を襲っています。
限られた資源を増やすのではなく、パイを奪い合う方向に舵を切り続けてきた日本です。その未来は絶望的に重く暗いです。
出生率も上がらない、税金もこれ以上上げるのは厳しいとなると、多くの制度を維持するのはもはや不可能です。
それなのに少子化対策や失業対策が必要だ、産業転換や科学技術の進歩が必要だなど、今は問題だけが山積みで過負荷状態です。
そしてなによりキツいのが、今の日本には出口がないことです。なにが解決なのかもわからないし、もうその力も術もありません。もはや、打つ手なしです。
さらに、今後、窮地に立たされた日本を救う革新的な政策や、大逆転の一手が打たれる可能性はほぼゼロに近いのです。
数年後に団塊ジュニアの親世代にあたる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になったときが最悪です。
人は死ぬ前が介護や病気の治療や延命などで一番医療費がかかります。
それを支えるのは、団塊ジュニアや、下の世代です。そして今度は自分たちが年をとっていく過程で、今のように稼げるかわからないわけです。
ゆっくりと日本全体が貧しくなるので、そのうち年金もなくなるかもしれないし、税金・保険などの負担だけが増えて、恐らく給料も先細りになるでしょう。
そして2040年になると団塊ジュニア世代が高齢者になり、日本の人口構成ピラミッドはきれいな逆三角形となります。希望がある輝かしい未来は皆無に近いです。
お先真っ暗なこの状況でもなんとか幸せを感じつつ、生きていく術は、社会や周りの価値観や、はやりすたりに惑わされないで自分なりの価値観を早く身につけることです。
ただ問題なのは、団塊ジュニア世代はそんな生き方を誰にも教わっていないのです。
大切なのは自分らしさです。団塊ジュニア世代には酷です。
団塊ジュニアより下の世代は、個性や自分らしさを重視するオンリーワンの大切さが叫ばれて育ったのです。しかし団塊ジュニア世代は違います。
受験戦争で、隣のヤツに勝てと言われて受験を頑張ってきた人々が多い世代です。
しかも就職氷河期でまともな仕事に就けない同級生を横目で見ては、あいつのように俺はなりたくないと歯を食いしばってきた連中ばかりでもあります。
個性を尊重し周りと比較せず、自分らしく生きることが、団塊ジュニアの世代に一番欠けている要素なのです。
周囲よりも高いはしごを上れと尻を叩かれ、そして今になってはしごを外されるのはとても辛いものです。
今のうちに生活困窮者向けの支援制度を知っておくことが大切です。実はホームレスになる人の多くが、ほとんど制度を知りません。
低所得者や高齢者の生活を経済的に支える生活福祉資金貸付制度や、住居確保給付金など、いざというときのために、できる限りの準備は必要です。