氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

景気が悪くなれば、株も債券も不動産も全て売られる

投資の基本は長期投資と分散投資といわれています。

投資の基本は、「長期投資」ということで、国を挙げて「iDeCo」や「NISA」を勧めています。  

しかも、金融庁のホームページを見ると、金融商品を長期で投資していけば、将来お金に困ることはないというような書きっぷりです。  

自分の将来を考える時に、1年後の自分と30年後の自分と、どちらが予想しやすいでしょう。  

投資は、今ではなく将来を予想してやるものですが、1年後の状況はなんとなく予想できても、30年後の経済がどうなっているのかなどを予想できる人は、たぶん1人もいないのではないかと思います。  

30年前は「給料は右肩上がりに上がるもの」というのが世の中の常識でした。その給料が、「右肩下がりに下がっていく」などということは誰も予想することはできませんでした。  

30年前に6%ほどあった銀行の定期預金の金利が、30年後にゼロ金利になり、4万円近かった株価が6千円台にまで落ちるなどと予想できた人は、1人もいませんでした。

今、金融機関に行くと、あたりまえのように「長期投資」を勧められます。しかし、投資のプロでも、30年後にはこうなるなどということがわかる人はまずいません。  

長期投資の金融商品と言われて買う投資信託を、長期投資という視点から運用しているファンドマネジャーなど一人もいないと言っても過言ではありません。  

なぜなら、ほとんどのファンドマネジャーは、3カ月ごとに運用成績が評価されます。まれに6カ月のケースもありますが、その運用成績の評価が悪ければ、外資系の会社などはすぐにクビにされます。  

3カ月後に良い実績を残すために必死で金融商品を運用している人たちが、長期投資を考えているかといえば、疑問です。  

 

 

じつは、「投資」では、3カ月くらいの短期で利益を追っていくことのほうが正しいのです。なぜなら、めまぐるしく変わる経済状況の中では、20年先、30年先のことなど誰も予測できないからです。  

売る側は短期で投資をしているのに、顧客には長期投資を勧める理由は、短期で付き合う客ではなく長期で付き合う客のほうが、手数料が稼げるということです。  

「長期投資」と同じように、投資の基本のように言われるのが、「分散投資」です。 分散投資の説明で、よく言われるのが「卵は、一つの籠に盛るな」という言葉です。

卵を同じ籠に入れておくと、その籠を落としたら全部割れてしまう。しかし、いくつかの籠に分けて入れておけば、一つの籠を落としても他の籠に入れてある卵は割れずに無事で済みます。つまり、リスクが分散されるということです。  

しかし、本当に分散投資で、損を減らすことができるのかというと疑問です。

2008年9月15日、リーマン・ブラザーズが経営破綻し、世界中にリーマン・ショックが起こりました。

震源地はアメリカでしたが、アメリカのドルが売られたために日本は円高になり、ショック前に1ドル110円ほどだった円は、一時87円まで円高になりました。

この円高で、輸出産業は収益に大打撃を受け、日経平均株価も2008年1月には1万5157円だったのに、リーマン・ショック後の10月には6995円まで下がり、半値以下になりました。

債券も、売られてキャッシュ化されたので、大幅下落し、それと同時に、借金を負った人たちが土地や不動産を売ったので、不動産価格も下がりました。  

つまり、円、株、債券、不動産と、別々の籠に資産を分けて入れておいたにもかかわらず、卵はすべて一気に割れてしまったということです。  

もちろん、普通の相場の値動きの中なら、投資を分散することは、リスクヘッジになるかもしれません。  

大きな波が来た時には、ほとんどのものが影響を避けられないということになりかねません。

多額の資産を持っていて機敏に運用している人は、状況次第でさまざまな金融商品に資産を移しながら、分散投資で損を減らしています。  

たとえば、10億円くらいの資産を持っている人なら、さまざまなものを運用できる資産があり、機敏に動けるファンドマネジャーがついています。

こういう人は、最低でも5000万円くらいの手数料をファンドマネジャーに支払っています。  

投資資金の少ない人は分散投資するほどの財産はないので、手頃な「投資信託」を買うことになります。  

投資信託は、金融機関にとってはおいしい金融商品です。売る時と買う時以外にも、持っている間はずっと「信託報酬」という手数料が入ります。買った人がその投資信託で損しようが得しようが、金融機関は確実に儲かるわけです。   

ちなみに、分散投資でリスクを減らすということは、投資の世界では、同時にリターンも減るということになります。リスクだけは分散投資で減らして、リターンはそのままなどということはありえません。

 

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