昨年に続き、5月SQに向けた外資の売り崩しがやっぱり来ましたね。昨年も5月11~13日の3日間で2000円下げましたから。今週は、力づくで無理やり下に下げさせる可能性が高いです。
先物手口を見るとゴールドマンサックスとJPモルガンが日経先物、TOPIX先物を売りまくっています。
6月のメジャーSQに向けても、大きな仕掛け的な売り浴びせが待っていると思いますので、個人の方はそれまでは慎重に取引するべきです。必ず一波乱ありますので、大きな波にさらわれないようにした方が良いです。
急落後上がっている時は先物の買戻しだけですので、株価上昇が長く続かないのです。上値抵抗線まで来ると、再度先物を売り浴びせてきます。その繰り返しをしているだけですので、ここでエントリーするとやられます。
外資は景気減速という悪材料を理由にして莫大な資金量で、常にカラ売りで仕掛けて稼いでいますので、昨年からの株価の下落トレンドを見る限り、個人はエサになるだけです。今は休止か、静観で良いと思います。
さて、3月29日の米国債券市場において、10年国債利回りが2年国債利回りを下回る「逆イールド(長短金利の逆転)」が発生しました。
この背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制に向けて積極的な利上げを示唆していることがあります。
その結果、将来の金融政策の変化に敏感な2年国債利回りに強い上昇圧力が生じ、一時的に10年債利回りの水準を超えるに至りました。
逆イールドは、一般に景気後退の予兆と解釈されることが多く、過度な利上げに対する警鐘ともいえます。
実際、直近のフェデラルファンド(FF)金利先物市場では、FF金利の誘導目標について、来年は中立水準(2%台前半)を大幅に上回り、3.00%~3.25%に達するとの見方です。
これらのことが織り込まれており、市場参加者の間には、積極利上げが景気を冷やす恐れがあるとの声も聞かれます。
米10年国債利回りが米2年国債利回りを下回った場合の逆イールドについて、過去、米国景気や株式市場にどのような影響を与えたかが問題です。
米国は1990年以降、4度の景気後退局面を経験していますが、米10年国債利回りと米2年国債利回りの動きをみると、そのいずれにおいても、景気後退局面を迎える前に、逆イールドが発生していることが分かります。
具体的に、逆イールド発生から景気後退までの期間を確認すると、直近の景気後退期を除く過去3回の平均では、約2年2ヵ月を要していました。
直近では、2019年8月に逆イールドが発生し、その6ヵ月後に景気後退局面を迎えました。
かなり短期間で景気後退入りとなりましたが、これは直近の景気後退が、新型コロナウイルスの感染拡大という特殊要因によるためです。
次に、逆イールド発生から景気後退入りまでの期間におけるダウ工業株30種平均の動きを検証します。
直近を除く過去3回の期間で、ダウ工業株30種平均はいずれも2ケタの上昇となりました。
しかしながら、直近については、逆イールドが発生した2019年8月から2020年2月の景気後退入りまでの期間、約3.8%下落しました。
やはり、コロナの影響で、過去の傾向とは異なる動きになったと考えられます。
以上より、米国では逆イールドが発生すると、一定の期間を経て景気後退入りする可能性が高いと判断されます。
ただ、直近のケースを除けば、逆イールド発生から景気後退入りまでは約2年2ヵ月の期間があり、その間、株価は上昇する傾向が確認されています。
今回も、これらの傾向があてはまるとは限りませんが、少なくとも米景気をみる上では、タカ派的な姿勢を強めているFRBの政策の舵取りには注意が必要です。
ただ、今回は利上げのペースが速いことから、景気が腰折れし、株価の上昇なしにスタグフレーション入りということも考えられます。
そうなれば、株価はダラダラと底値模索の展開に走るだけです。