氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

若い世代に立ちはだかる「資産形成の壁」

日本の金融資産の60%以上は60歳以上の世代が保有しています。

『株探』が実施した第2回「個人投資家大調査」(2022春)のデータ分析で日本株の運用資産が1億円を超える「億り人」を紹介している内容からも、高齢者がほとんどの資産を持っていることも伺えます。

4765人の回答者のうち、億り人は2.3%ほどの119人いたそうです。億り人の年齢で最も高い割合を占めたのが60歳代です。そして70歳代以上、50歳代と続いています。

 

 

この結果を見ると、年を重ねれば資産運用しなくても自然に1億貯められる人もいると思います。

もうすぐ億り人も60歳代がトップですが、次は50歳代で、3番目に多いのが70歳代以上でした。 億り人ともうすぐ億り人では60歳代が最も割合が高かったそうです。

これから億り人の最大勢力は50歳代で、2番目が40歳代でした。

この結果から、日本株運用資産が5000万円以下の人でも、努力を続ければ、もうすぐ億り人に昇格する可能性があることを示唆しています。

性別については、億り人ももうすぐ億り人も90%以上が男性となっています。

これはNISA(少額投資非課税制度)などで投資家の裾野が広がる前までは、投資は男性が主体である状況を反映している可能性があります。

こうした中で、これから億り人では女性が13%と、億り人やもうすぐ億り人の2倍前後を占めています。これを踏まえると、女性の億り人やもうすぐさんが10%台になる日は確実にやって来るでしょう。

職業は先に見た年齢構成の多寡を反映し、億り人ともうすぐ億り人とも、定年退職後が最も多くいました。

しかし、億り人ももうすぐさんも60歳以下が半数近くを占めているように、会社員や会社役員、自営業などの兼業投資家がいずれも50%前後を占めています。

この数字だけをとらえると、その世代からもっと若い世代に資産が回るような政策が望ましいように感じられます。

実は、現在の若い世代は資産形成が難しくなっている側面があります。

 

 

これは、若い世代は非正規社員の割合が高く、また、少子高齢化による社会保障費の負担が増えているためです。

社会保障費増加の分かり易い例が、会社員の社会保険料です。健康保険料や厚生年金保険料は会社と折半なのですが、その保険料率がこれまで上昇を続けました。

厚生年金保険料率を例に挙げれば、2017年(平成29年)に上限の18.3%に達しています。給与から控除されますので、その分手取り収入は減ってしまいます。

さらに、40代になれば、介護保険料の負担が発生します。介護保険料率も上がっており、給与から実際にもらえる額は、その分少なくなります。

もちろん、給与が増えれば社会保険料が引かれても、手取りは増えることになります。しかしながら、業種にもよりますが、日本の給与の伸び率はほぼ横ばいです。

そして、労働基準法で残業規制が強化され、残業して所得を増やすことが抑止され始めています。 〝人生100年時代〞〝副業解禁〞といった最近はやりの言葉です。

国や会社はこれ以上の面倒をみることができないので、後は自分たちで補ってというメッセージが込められているかもしれません。

いずれにしても、若い世代に資産が流れる仕組みをつくっていくことが重要です。認知症により資産が凍結されてしまえば、市場におカネが流れる機会が失われます。

次に資産形成に重要な相場の地合いの悪さです。

お金ジャブジャブの状態から引き締めに動いていますので、投資をするには非常に厳しい相場環境です。

景気のサイクルから言って、今は景気後退の時期です。いずれチャンスは十分あると思うのですが、そのチャンスを適切なタイミングで掴めるかどうかでしょう。

直接、若い世代に資産を流す仕組みとして最も一般的なのが生前贈与です。

生前贈与とは、生きている内に次の世代や配偶者などに財産を移すことです。

この生前贈与は、財産をあげる人ともらう人との契約になります。したがって、どちらかが認知症になってしまうと、契約の効力をめぐって問題となることがあります。

相続時に相続人不存在ともなれば国庫に帰属することになり、その機会は完全に消えてしまうのです。

成年後見制度を利用した場合には、後見人の判断によっては贈与できない可能性があります。

 

 

注意点は、それだけではありません。税金のことを頭に入れておく必要があります。贈与では年間110万円までは基礎控除となり(2021年時点)、贈与税はかかりません。

しかし、それを超えると他の控除の規定が適用されない限り贈与税の対象となります。相続の際にみなし財産とされることもあり、税理士等の判断を仰ぎながら検討すべきでしょう。

国は手をこまねいているわけではありません。一部の世代で資金が停滞しないよう、孫への教育資金援助の控除額拡大など生前贈与へのインセンティブを用意しています。

生前贈与と並んで重要なのが、生前消費です。日本はGDPに占める内需の割合が高いです。

ところが、その内需に直結する消費ですが、国民の消費マインドは依然低い状態です。

その原因は、将来に対する不安が大きいことが背景にあります。いくらデフレ脱却が叫ばれても将来に不安があれば、国民の財布の紐は堅いままです。

また、昭和の経済成長期にあった「三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)」に代表される消費意欲を促すものは、令和の時代ではなかなか見つけることができないのが現状ではないでしょうか。

 

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