FXとは、売りか買いのいずれかが勝ち、そのどちらかに賭ければよいので、トレードの勝率は五分五分となると理論上はそうなります。
しかし、現実にはトレードをランダムに行った場合、必ず負ける確率が高くなります。
さらに、仮に安定的に勝ちまくっていている人も最後には破産する可能性もあり、このような結末を迎えてしまうことは珍しいことではありません。
一見道理に反するような意見ですが、FXの勝率が五分でない理由について、以下の2つの理由があります。
1 証券会社による強制ロスカット
トレードの勝敗確率が五分五分ではない理由は、証券会社の強制ロスカットにあります。
強制ロスカットとは、含み損が証券口座に入れてある自分の資金の5~6割(証券会社によって異なる)に到達すると、強制的にポジションを決済してしまうというルールです。
では、証券口座の資金が5~6割に到達するとは、FXでは買いか売りで入ることを「エントリー」といい、その状態を「ポジションを持つ」といいます。
ポジションを持った状態で損が発生することを含み損といいます。利益が発生すれば含み益となります。
含み損が発生することで、強制ロスカットの計算が始まり、証券口座に入っているお金の5~6割に到達すると強制的に決済され、実際にお金が減ってしまいます。
強制ロスカットなどというルールはあくまでも投資家を保護するためのものであり、これがあるために、投資家はFXによって借金を背負わないで済むのです。
強制ロスカットの存在が、トレードの勝率を五分五分でなくしている理由です。
2 損切りの自動決済
これは強制ロスカットまでいかずに、ある程度見切りをつけて損切りを証券会社側で自動で行うものです。
手法などを使うトレーダーは、「予測」を立ててトレードをしています。 その「予測」が成り立つラインがあり、そのラインを超えてしまうと自分の「予測」は外れていたとして、含み損を決済してしまうのです。
トレーダーは「予測」によって勝率を上げているわけなのですが、ランダムにおこなわれるコインゲームとしての考え方では、損切りは勝率を下げているだけの余計な仕組みです。
トレーダーは、ランダムにトレードをしているわけではなく、自らの手法による「予測」を信じ、その精度を上げることでトレードでの成果を上げているわけです。
トレードで100%勝つ方法は存在します。その方法はFXの仕組みを知ればすぐわかる簡単な方法で決して難しい裏技的な方法ではありません。
FXで100%勝つ方法とは上述した「強制ロスカットを起こさず、損切り注文を入れないこと」です。
強制ロスカットを起こさなければ、相場は波を描いて動いていくので、いま含み損だったとしてもいつか必ず含み益になります。
現に、エントリーをしてポジションを持ったが死んでしまいそのままになっているという状態もあり、含み益が膨れ上がっている状態となっていることもあるのです。
では強制ロスカットを起こさない方法は、証券口座に膨大な資金を入れ、極小のロット数でトレードをおこなうのです。
とてつもない経済の変動が起こらない限り、トレードでは100%勝てます。 これは極端な方法ですが、ここから資金管理という考え方に繋がっていき、いくらFXで勝ち資金を手にしても最後には必ず破滅するという結末を防ぐことに繋がっていきます。
FXでは、1年で10万円から1億円になった、というようなトレーダーが生まれることがあります。
しかし、そのトレーダーのその後を追っていくと、1億円稼いだが8,000万円失った、というように、かなり無茶な資金管理を行っていることがあります。
これは安定した手法で必ず利益を出しているとしても、資金管理がずさんなせいで、破産してしまうこともあります。
FXにおいて、手法以上に大切なことが「資金管理」なのです。FXの魅力はやはり複利ですが、その複利があるために破滅も起こります。
複利を成立させつつ資金管理をおこなう方法としては、ロット数を増やす前に、現在のロット数で、ロット数を増やしたあとの損失を先に補填しまうことです。
このようにおこなえば、なんらかの事情でトレードで負けてしまったときにも、あらかじめ設定した資金管理のルールによって、資産を残すことができます。
そして負けたあとは、また資金を蓄えるまでロット数を前の段階に戻して下げてしまうのです。そこでも負けた場合は、またロット数を落とします。 それでは、いつまでたっても資金が増えないではないか、と思う人もいると思います。
しかし、FXにおいて重要なことは資金を増やすことではなく、手法の確立なのです。相場を読む力、というのはFXに限らず、人に欲望がある限り必ず応用の効く能力です。
手法を確立させてしまえば、資金を増やすことができます。しかし、手法を確立させないと、運よく資産を増やせたとしても、いつの日か破滅がやってくるのです。
焦らずじっくりと相場と向き合って手法を確立させていくことが、FXで勝つためのコツなのです。
確かにFXをギャンブルとして使うこと自体は実際に可能です。しかし、投資として取り組み、FXの仕組みを知って相場に取り組むことで、相場を読む力を得るほうが、ギャンブルとしてFXに取り組むよりもはるかに有意義であります。
そのためには、必ずFXの勉強をしなければなりません。そのFXの基本的な手法を前提にトレーダーたちは心理戦を繰り広げているわけなので、前提を知らなければ勝負に参加すらできないのです。 また、勝てたとしても資金管理を怠れば破産してしまうのがFXの恐ろしさです。