氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

日本株が上値を追えない理由

円安でも、原油高とサプライチェーン問題が同時進行している中で日本株を買うタイミングでは無いというムードは強まっています。  

円安なのに、株高に直結しないのは需給目線で言うならば、株の上値を買う人が少なく、上がったら売る人が多いからです。

日経平均は3月14日~25日に怒涛の9連騰を達成しました。この2万5000円割れから2万8000円台までの買い手の初動は逆張り個人投資家でした。

その個人投資家は、2万7000円台に乗せた3月下旬以降は売り手に回っています。

2万7000円より上は外国人投資家が買っていましたが、投資主体別売買動向のデータを見ると「日経平均先物」がメインでした。実需買いではないのです。  

 

 

この買い越しの少し前は、外国人投資家は先物中心に大幅売り越しでした。いつもどおり外国人に遊ばれていたのです。

ということは、先物売り→売り→売りで売り増ししながら、日経平均を破壊的に下落させた局面で作った売り玉を、ドテン買い戻した(損益確定)と解釈するのが自然です。  

つまり、3月後半の強烈なリバウンドの原動力は「先物の買い戻し」です。

これで日経平均が持ち上がったあと、さらにタイミング良く、3月期末の配当権利の時期を迎え、毎年恒例の“1兆円規模”と試算される「配当再投資の先物買い」も入りました。  

ただし、先物の買い戻しも、配当再投資の先物買いも、日本株が上がるという相場観から出された買い注文ではありません。

買い戻しは手前で売っていたポジションの決済ですし、配当再投資の先物買いは機関投資家が事務作業で機械的に入れた買いです。  

結局、心の通っていない無機質な買い上げで2万8000円台に乗せたものの、それらが一巡してしまうと買い手が一斉に引っ込んだのです。  

実際、2万8000円台ではローソク足が「陰線」を連発しており、この付近では売りたい人が圧倒的に多いということです。

売りたい人は多く、2万8000円台では買いたい投資家が激減するという構図です。

個人投資家は下がったら買いたい「逆張り派」です。上値を買う投資家はいつでも外国人です。その外国人が日本株を買っている感じがしません。

日経平均株価をドル換算したドル建て日経平均は、3月9日に213.19ドルの安値を付け、このとき(円建て)日経平均も年初来安値2万4717円を付けています。  

 

 

しかしその後、ドル建て日経平均終値は、4月27日に206.32ドルと、昨年来安値を更新し続けています。(対して、円建ての日経平均株価は2万6386円)。  

海外投資家から見ると、日本株運用のパフォーマンスは円安(ドル高)のせいで、相当悪いのです。

ドル建て日経平均の年初来パフォーマンスは-20%ですが、これはNYダウの-10%と比べて圧倒的に悪いのです。  

円建ての日経平均株価のパフォーマンスでいえば、ドル建ての海外指数と比べてパフォーマンスは良好なため、「日本株が見直される」的な論調の証券関係者の解説も聞かれます。

パフォーマンスだけ見ると、「あえて日本株を買わなくても、米国株で十分」が正しいのです。

円安が進めば進むほど、海外投資家目線では日本株を買いやすくなると言えますし、実際4月は外国人は買っているのも事実です。しかし4月買うのはアノマリーどおりです。5月になれば売られます。

そんな中、待ち受ける最大イベントは、5月のFOMC(5月3日~4日)です。

そんな重要イベントのタイミングが、日本は大型連休(GW)という不運です。

FOMCハプニングのリスクを軽減するため、手前で売りヘッジ(日経平均先物売りなど)が積まれる展開は想像すべきでしょう。  

さらには、GW前後といえば決算発表ラッシュもあります。しかも、3月決算企業でいえば本決算のタイミングです。

注目すべきはガイダンス(期初の業績予想)ですが、コストインフレなどを加味した慎重見通しが相次ぐ場合、株価はポジティブな反応はしないでしょう。  

4月4日からスタートした、東証の新市場区分(プライム、スタンダード、グロース)は、旧区分でどこに所属していたかが影響します。

東証1部銘柄の場合は、最上位のプライムを希望すればそのまま移行できるため、全体の8割以上の会社がプライムを選びました。  

プライム銘柄になったものの、実はプライム上場維持基準を満たしていないと改善に向けた計画書さえ出せば“当分の間はOKというルールになっています。  

プライムの上場維持基準には、「流通時価総額100億円」「平均売買代金0.2億円以上」「流通株式比率35%以上」などがあります。このなかで、流通株式比率35%以上が未達の会社は、株式売出や立会外分売などで対応するわけです。

これは、需給悪化要因として短期的に株価のマイナス要因となる可能性が高いです。 何かわからないけど売り物が出て、だらだら下げている銘柄は流動比率を上げるために、ちょこちょこ売っているのです。 

ただ、長期的に見れば、流通時価総額100億円以上は株価を上げる要因に、平均売買代金0.2億円以上も流動性を高めるというポジティブな見方もできます。  

また、株価アップの政策には、増配や自社株買い、株式分割株主優待があります。

今後の決算発表のタイミングや急なリリースで株価アップ政策に期待したいものです。

 

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