氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

食後、眠たくなる人はヤバイ

食事の後、眠くなる人がよくいます。私も働いていた時は、昼休み後、異常な眠気に襲われていました。これは食事をすると急に血糖値が上がり、その直後、今度は急速に血糖値が下がるためです。

この血糖値の乱高下を血糖値スパイクといいます。血糖値スパイクが起こると脳に行く血液の血糖値も低下するので、脳が働けなくなります。

こうして脳が小休止し、それが「眠くなる」という症状になって表われるのです。

脳の重量はヒトの体重のわずか2%しかありません。ところが、脳は大量のエネルギーを使います。なんと身体全体で消費するエネルギーの20%も使っています。

脳は「大飯食い」なのです。 さらに、脳は偏食家です。他の臓器はタンパク質でも脂質でも栄養源にできますが、脳はブドウ糖しか栄養源にできません。

したがって、血糖値が下がる、つまり、血液中のブドウ糖が少なくなると、脳は働けなくなります。その結果、眠くなってしまいます。

 

 

血糖値が急に下がるのはインスリンというホルモンが関係しています。インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンです。食事をとると血糖値が急に上昇します。

すると、すい臓が刺激されてインスリンを分泌します。血糖値スパイクを起こしやすい人のすい臓は、健康な人のすい臓にくらべて過敏です。

そのためすい臓が過剰に反応し、インスリンを大量に出してしまいます。そうすると今度は血糖値がストンと下がってしまうのです。

食後に眠気が出たり、異常な疲労感が出ます。この現象は食事中に表われることもあり、食後数時間経って起こることもあり、人によって異なります。

一般的には朝食の3時間後(午前10時過ぎ)、昼食の3時間後(午後3〜4時頃)が多いようです。この時間帯は昔からおやつの時間、ティータイムとされてきました。

それは低血糖を予防する時間でもあったわけです。

さらに、血糖値が下がると血圧も下がります。脳だけでなく、心臓も動きが悪くなるためで、結果として脳に行く血流も少なくなります。

高齢者では、食後に低血圧を起こすこと(食後性低血圧)が問題になっていました。食後に低血圧発作を起こし、倒れてしまうことがあります。その原因は不明とされてきましたが、食後の血糖値スパイクを考えると十分理解できます。

食後に眠くなるという自覚がある方、特に高齢者の方は、クルマの運転中や歩行中に低血糖発作が起こるとたいへん危険です。食事の後はゆっくり休んだほうがよさそうです。

また、睡眠時無呼吸症候群の場合は、睡眠が浅くなるため、日中にひどい眠気に襲われたり、体がだるくなったりします。

 

 

従来、低血糖というと、糖尿病の治療ミスで起こるものが、いわゆる「低血糖」として有名でした。

糖尿病の患者さんが、インスリンを打ち過ぎたり、血糖降下剤(抗糖尿病薬)を飲み過ぎたりして起こす低血糖(糖尿病性低血糖)です。

過去にバスの運転手さんがインスリンを打ち過ぎて血糖値が下がり、運転中に意識を失って大事故を起こしたことがありました。

高血糖低血糖では、どちらも重症になると意識を失います(昏睡)。

しかし、高血糖インスリンを注射しておけば間もなく意識が戻ります。一方、低血糖を放置すると、植物人間になったり、死んでしまうこともあります。

低血糖発作が起こると自律神経系が作動し、めまいや頭痛、生あくびなどさまざまな症状が起こります。そのときすばやく上手に対応すれば、すぐ回復します。

しかし、処置が遅れると脳がやられてしまいます。それも、たまたま1回ならともかく、頻繁に低血糖発作を起こすと脳は徐々にダメージを受けていきます。

その結果、脳や神経系が委縮して、やがてはアルツハイマー病などにもなってしまいます。慢性の低血糖は、脳の機能に大きな影響を与えるだけでなく、脳を変性させてしまうこともあります。

認知症の症状が表われてからでは治しようもありません。何にもまして予防が大切です。脳は、その活動に大量のエネルギーを使います。

しかも、それはブドウ糖グルコース)に限られています。要するに、脳は大飯食いで、しかも偏食なのです。

一部、ケトン体(脂質の燃えカス)もエネルギー源にできますが、それは、十分なグルコースが生体内にない場合の、臨時のエネルギー源でしかありません。

脳は、腎臓、心臓に次いで、3番目にエネルギーを使います。お米に換算すると、1日に大人の茶碗2膳分くらいのエネルギーを消費します。

脳の重量は体重の2%しかないのに、ヒトのエネルギーの20%を消費します。ですから、食事をとらなかったりすると脳が栄養失調状態になり、長年のうちには脳が萎縮してしまいます。脳の健康のためにも、食事はしっかりとるべきです。

 

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