氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

サウナブームのピークは終わった

空前のサウナブームは、2019年放送のテレビ東京系ドラマ『サ道』のヒットにより膨れ上がりました。人々は「ととのう」感覚を求めて各施設を開拓し、新規参入企業による個室サウナの流行や温浴施設のリニューアルといったハード面での進化が進んみました。いわゆるサウナブームがピークを打ったと思われるいま、「サウナブームのその後」についてどう考えていますか。  

サウナイキタイのデータベースの伸びを確認していくと、2022年の上半期に1万店舗を突破し、そこから1年3カ月で2000店舗以上が追加されていることが分かります。全ての新規登録件数が新規創業のサウナというわけではないものの、都内を中心に毎週のごとく新たなサウナ関連施設の開業情報が確認できます。

概してサウナ新規出店の勢いは増しているといってよいでしょう。  

しかし、サウナという施設は、昨今の物価高・エネルギー高の影響を真正面から受ける業態です。人件費の高騰や円安によるサウナ機材・木材の仕入れコストも跳ね上がっており、相当に厳しいコスト環境にさらされています。  

さらに、消費者の関心がピークアウトしている兆候もインターネットの検索ボリュームから確認できます。

Google検索の統計サービスであるGoogleTrendsによれば、検索キーワード「サウナ」の関心は20~22年にかけて大きく増加したものの、そこからの約2年間については伸び率が鈍化し、横ばいの状況が続いています。

検索ボリュームの水準としては過去最高の水準を維持してはいるものの、目立った関心の成長率がみられていません。

それにもかかわらず、新規サウナ事業者がこのタイミングで数多く出店されていることを踏まえると、今後はサウナ事業者同士での熾烈なパイ争いの局面に陥る可能性があります。  

また、健康効果に対するリスクが指摘されるようになってきたのも、サウナデビューを踏みとどまらせる要因となりそうです。

かつて「健康」と「美」を追求する人々に支持され、社会現象にまでなったサウナだが、長時間の利用に伴う体への悪影響や、サウナから水風呂という相当の温度差がある環境下でのヒートショック現象リスクなど、健康リスクに対して複数の医師がSNS上で疑問を呈しています。

現在、サウナ専門店の料金は比較的高額で、一部の消費者にとっては「贅沢品」と見なされることがあります。

池袋には「かるまる」や「タイムズスパレスタ」といったサウナ愛好家に親しまれている施設が複数存在します。

そのようなサウナ専門施設では、ここ数年で値上げやプランの改定をへて、1回の利用で通常3000円ほどの料金がかかるケースも珍しくありません。  

現在のような経済の先行きが不透明な状況下では、消費者の行動はより慎重になります。このような行動は、サウナをはじめとするレジャーや娯楽関連の産業にとって、利用客の減少という形で間接的な影響をもたらす可能性があるでしょう。  

従って、サウナ経営者や関連事業者は、このような市場の変動に対応するための戦略を練り、今後予見される競争の激化とコストの上昇に対処する必要が出てくるのです。

エネルギーコストの上昇は、サウナ業界にとって脅威で、サウナの運営は、蒸気を発生させるために大量のエネルギーを消費します。このコストを顧客価格に転嫁しなければならない状況もまた、顧客離れを招くリスクとなります。  

これまでのサウナ関連施設では水風呂や温泉といった浴槽もあわせて提供する方式がメインでした。しかし近年では「サウナラボ神田」のように浴槽がなく、水風呂も業務用冷蔵庫のような部屋に置き換えることでお湯を沸かすためのエネルギーを節約したり、水の消費量を減らしたりするような事業者も現れています。

サウナ総研の調査報告にも詳しいのですが、サウナ人口が若年化した一方で、コロナ禍を理由に頻度を落とした人が半数を占め、ほかにも「混みすぎている」「飽きてしまった」などの理由が挙げられています。  

店舗のリアルでいうと、コロナ禍で来なくなったのは、「お金を持ったおじさん」たちです。

あかすりの長いコースや、3日に1回来てはボディケアに1万円出したり、飲食を重ねてくれるような方々が、家族に文句を言われてこなくなってしまった。あかすりやボディケアの担当にとって非常に痛手です。

また若年層のグループ客が増え、そうした混雑に辟易して来なくなってしまった方がいるのもよく分かりますね。  

しかし店舗の実感としては、そうした若年層グループ客のお兄ちゃんも、気に入ってさえくれればグループを解散させて、こつこつ一人で来てくれているケースが最近は多いようです。  

どこから眺めるとしても、サウナブームという「山」は確実にあったと思います。

その後落ち込むのも道理なのだけれど、「一人客のお兄ちゃん」に示されるような実感として、業界全体では底上げがなされていると思います。  

あとは、お金を持っているおじさんたち、帰ってくることでしょう。

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