新型コロナが拡大した当時、「3密」を避けられると人気が一気に高まったキャンプ。まさに「キャンプブーム」到来という状況でした。
ところが、アウトドア製品メーカー大手「スノーピーク」は、「純利益99.9%減」という衝撃の2023年12月期決算を発表し、キャンパーの間に激震が走っています。
「スノーピーク」では、キャンプ用品の小売店を通じた売り上げが減少し、営業利益は74.3%減の9億円になりました。
その他の要素もありましたが、結果として純利益は前の年の同じ時期に比べて99.9%減の100万円と、大幅に下がる形になりました。
キャンプブームの終わりの理由として、コストと手間が増えたことです。
キャンプブームの影響で、キャンプ用品の値段が上がったり、人気のキャンプ場の予約が取りにくくなりました。
それに、キャンプの準備や片付けが大変で、手軽に楽しめる趣味ではなくなってきたんです。
また、レジャーの選択肢が増えたことも原因でしょう。
キャンプ以外にも、日帰りで楽しめるアウトドアや新しい趣味がたくさん出てきました。 例えば、アーバンアウトドアやバンライフなんて、自然を楽しみつつ、もっと快適に過ごせる活動が人気になっています。
最後に、環境への配慮の関心も高まってきたからではないでしょうか。
自然を楽しむ一方で、キャンプが環境に与える影響が問題視されるようになりました。 ゴミ問題や自然破壊、地域住民とのトラブルなんかが目立つようになってきたんです。
また、キャンプ用品の新品の売上は減少しても、中古市場は伸びています。
リサイクルショップには、キャンプ用品がズラリと並んでいます。
キャンプに飽きて捨てる代わりに、売りに来る人が多いのでしょうか。
店を訪れた客の中には「ブームが来たおかげで、いろんな製品が出ましたし、私はもう歓迎しております」と話す人もいます。
お店によると、ブームが終わったわけではなく、キャンプをする人が増えたことで、中古品を売り買いする人も増え、新品を扱うメーカーの売り上げに影響が出ているようです。
実際にこの店では、キャンプ用品を売りに来る人も買いに来る人も、それぞれ4割ほど去年から増えているということです。
新品はだいたい売り上げが1割減ぐらいしたって言われているんですけども、中古の市場に関しては逆に昔ブームの時に手に入らなかったものが今だったら手に入るっていうところもあって、だいたい(毎年)2割増しぐらいで(売り上げ)伸びています。
中古市場を見ると依然としてキャンプ用品の需要は伸びているといえそうです。
兵庫県丹波篠山市のキャンプ場「ハイマート佐中」を訪れると、多くのテントが芝のキャンプサイトを埋め尽くしていました。
この日がキャンプデビューだという男性は「テントを立てたりするのがちょっと楽しそうやなあと思って、まだ一回も使ってないんで、立てるのも結構大変だったんですけど、どんどんキャンプに行こうかなと思っています。
別のキャンパーは「普段聞けない話聞けたりとか、こういう場所でしか話せないことあるんで、そういう時間が好きです」とキャンプの魅力を語っていました。
このキャンプ場では、3カ月先まで週末の予約が埋まっているといいます。
平日でも絶えることなく、ずっとキャンパーは毎日来てるんで。そういうのを毎日、肌で感じながら、遊びとしては、これはもう定着した遊びなんやなーっていうふうに思ってます。
これからもずっとキャンプは人気が続いていくんやろうなと思います。
ブームではなく、定着してきた「キャンプ」 新型コロナで高まったキャンプ人気。中古グッズ市場も広がり、一時のブームではなく、定着しつつあるようです。
キャンプブームは終わった、というよりも「ひとまず落ち着いた」と言えそうです。
実際にキャンプ人口は増えていますし、「一部のガチ勢が楽しむニッチな趣味」から「幅広い楽しみ方のあるオシャレな趣味」にシフトしつつあるのかもしれません。