氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

老後の人生を「成功する人」と「失敗する人」の違い

家には居場所がないし、健康のためにも通勤した方がいいから、定年後も再雇用で働いてるんだよね、というようなことを公言する人がいます。  

悪気はないのだが、放っておけばだれでも老後にそうなること間違いなしです。

老後を待たずとも家に居場所はなく、健康診断で通勤等でこまめに歩くようにと注意されているくらいです。  

どこかでこの話が流行っているのだろうかというくらい、どんな会社でも、公営でも民営でも、営利・非営利どちらでも、同様の話をする人が存在するようです。  

そうした人は、周囲に若手を見つけるや、相手がどんなに忙しかろうとお構いなしにしゃべり散らします。

若手は「そんな理由で会社にきておいて、こっちの仕事の邪魔をしないでくれよ」と言いかけるのを何とか飲み込みます。

ギリギリ若手のはずの精神的老後状態の自分も、同じ要領でつい職場でしゃべり散らして迷惑がられてしまうのです。  

この「家居場所無し健康通勤人」は、若手の意欲をひたすら削ぐのが生きがいなのだろうか、と周囲の顰蹙を買っていたりします。  

やがて誰でも経験する老後を経営の失敗によって不幸なものにしないよう備えるべきです。

ほとんどの高齢者の方々はここでの事例に当てはまらないでしょうし、当てはまらないことを願います。

さきほどの「家は居心地が悪いし、散歩代わりに会社にくる」というよく聞く話は、多くの場合は謙遜のつもりで発される言葉でしょう(謙遜でないのは私くらいだろう)。  

本当は「俺たち/私たちがこの会社を支えてきたんだ。昔はメールもない時代で、営業は足で稼いだ。若手は俺たち/私たち頑張りズム世代を敬え」と主張したいのかもしれません。

そしてその主張には一理あります。それどころか、若手の側も会社を支えてきた大御所たちへの一定の敬意は持ち合わせています。  

もちろん家居場所無し健康通勤人が定年後も働き続ける理由には「年金だけでは生活費が心もとない」という不安もあるでしょうが「会社のことは今でも自分たちが一番わかっている」という自負もあるはずです。  

しかし自らを家居場所無し健康通勤人だとことさら強調したところで、若手の多くはそこに自虐と謙遜と自信が入り混じった心の機微を読み取ってはくれないし、それどころか若手の中にわずかに残っていた敬老の心さえも消し去ってしまいます。  

このくらいのエピソードであれば、老後という心境にある方にとっても、まだまだ自分は現役だという意識の方にとっても、喜劇として楽しめる範囲でしょう。  

実際のところ幸せな老後を過ごせる人は少ないのです。

晩節を汚す人はあまりに多く、ときにはそれは悲劇をもたらします。

若手のうちから嫌われ者だった人は、老後に訪れかねない悲劇に今から恐れおののいています(顔つきと体形は仏みたいだと慕われているのだが)。  

まだ老後は先のことだという人も次のような事例を心しておくべきでしょう。  

たとえば、介護施設の中で介護士に対して威張り散らす人がいます。

まるで昭和の管理職の仕事風景を介護施設で再現しているかのようです。

そうした人は、昭和パワハラ的に、介護士をささいなことで叱責して人格否定にまで及ぶのです。

お世辞にも高給とはいえない待遇で身を粉にして日々働いていて精神的にも限界に近い状態にある人に、昭和の上司部下の関係の延長線上で暴言を吐くわけです。  

すると、この暴言がきっかけで介護士が「切れて」しまいます。  

そうして介護士から高齢者へと殴る蹴るの暴力に発展します。

しかも毎日のように人を抱えたり持ち上げたりしている筋骨隆々の介護士と、高度経済成長期に部下を抱えたり株価を持ち上げたりしてきた頑張りマンとはいえ全盛期にくらべて筋肉も骨も衰えた高齢者の対決です。

当然ながらこうした暴力で命を落とす人さえ出てくるのです。  

これに類似したニュースは毎年毎年量産されています。  

同じような事件が多すぎて、同じ事件の続報を一年中やっているのだろうかと思うほどです。

もちろん、介護従事者が特別怒りの感情を抑えられないわけでもなければ(正確な統計はないですが、むしろ平均よりも優しい人が介護職を選ぶ場合が多いのではないだろうか)、暴言を吐いた高齢者が死に値するわけでもありません。  

ここでは介護士と高齢者のどちらも非難の対象ではありません。  

しかし確実にいえることは、老後をめぐる悲喜劇は人生経営の失敗によって生まれているということです。

これによって老後が台無しになるどころか、恐怖と痛みの中で撲殺されるほどの悲劇が我が身に降りかかってくることさえあったわけです。

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