氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

物価上昇で損する日本のシニアと増やす欧米シニア

物価が上昇する時代は、預貯金に預けているだけでは資産が将来的に目減りしてしまいます。

年金生活への影響と、物価上昇率が日本よりも高い欧米のシニアがどのように乗り切っているのか紹介します。

物価が上昇しているのに銀行預金が低金利であることによって、預貯金があれば安心だった時代が終わったということです。

年金を受け取るセカンドライフもインフレは深刻な影響があります。 日本では2004(平成16年)から年金額を調整する仕組みとして、「マクロ経済スライド」という方法を採用しています。

これは賃金や物価の改定率を調整して、緩やかに年金の給付水準を調整する仕組みです。将来の現役世代の負担が過重なものとならないように、最終的な負担(保険料)の水準を定めて、その中で保険料等の収入と年金給付等の支出のバランスが保たれるよう、年金の給付水準を調整する仕組みです。

要はインフレ率ほど、もらえる年金額は増えないということです。

つまり収入はそんなに変わらないのに、支出は増えることになり、セカンドライフを過ごすのにマイナスな要因なのです。

年金額の上昇がインフレの上昇に追い付かず、実質的に年金の資産価値が減っていくことも、今後、日々の生活を送る上で課題となってくるでしょう。

一方で世界に目を向けるとインフレは当たり前で、欧米では平均年2~3%程度のインフレになっています。それでは欧米のシニア世代はどうやってインフレを乗り切っているのでしょうか。その対策の一つが資産運用です。

日本人の資産運用に対する印象は「損しそうで怖い」や「お金に余裕のある人がやること」などのイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

ただ、若い世代は「つみたてNISA」の普及で資産運用を行う人が増えています。実際に20~40代が中心となって保有している「つみたてNISA」の口座数は、23年3月末時点で約540万口座に到達しました。

一方、シニア層が資産運用に対して、高いハードルを感じる要因の一つに歴史的な背景があると考えられます。 前回お伝えした通り、以前は銀行金利が高かったので、預貯金を行うのが一般的でした。

また、株式市場は1989年年末に3万8915円の高値を付けた後にバブル崩壊する過程で大きく下がり、株式投資をしていた人も大きく損をしてしまいました。

そして、家訓として株式には手を出すなと親から言われるようになり、投資とは怖いものという印象がついてしまったのでしょう。

投資に対しての知識、情報不足も要因として挙げられます。

欧米諸国では投資教育により、個人がリスクとリターンについて正しく理解した上で投資を選択する文化が根付いていると言われている一方、日本ではようやく2022年4月に高校での金融教育がスタートしました。

これまで長きにわたり投資教育が疎かにされ、多くの人々が投資情報に触れないまま過ごしてきたと言えます。 そうした文化や考え方の違いは家計の金融資産全体に占める株式等の割合にも顕著に表れています。

 2021年3月末時点で米国は37.8%、ユーロ圏は18.2%、株式等を保有している状況に対し、日本はわずか10%に留まっています。

そうした割合で保有した結果、日本の家計金融資産は2001年から2021年末の20年間で、1.4倍と小幅な上昇に留まりました。一方米国は3.4倍、ユーロ圏は2.2倍に大幅増加しました。

また、米国や欧州の代表的な株価指数リーマンショックなどの大きな下落を伴いながらも、長期では大きく上昇しています。

日本と、米国・ユーロ圏の家計金融資産の差は、保有する株式等の割合の差と過去の株式相場によって、現れていると考えられます。

こうした差は、セカンドライフに対しての不安にも大きな差となって表れています。

内閣府のデータによると、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンでの調査で「現在の貯蓄や資産は老後の備えとして十分か」という問いかけをしたところ、「十分」「まあ十分」と回答した合計の割合は、スウェーデンが72.7%、アメリカが68.8%、ドイツが66.3%、日本が37.4%と圧倒的に少ない割合でした。

また、「やや足りない」「まったく足りない」と回答した合計の割合は日本が57.0%と最も多い結果となったのです。

日本のシニア層がいかに今後の生活に不安を抱いているかがわかるデータだと思います。

日本では、現役時代に金融資産を有効活用できずに、セカンドライフに対して十分な資産を蓄えられなかった、そのため、将来の生活に不安を抱えているシニアが欧米と比較し、多く存在しているのではないでしょうか。

また金融資産が十分にあってもセカンドライフに不安を抱いている方は、一定数います。

セカンドライフにいくらくらい資金が必要かわかっていないから、漠然とした不安を抱いてしまっているのでしょう。つまり、金融リテラシーを高めてこなかったことによる、情報・知識不足も、老後不安の一因といえるでしょう。

ソニー生命が2022年、50歳から79歳の男女1000人に現在の楽しみを聞いたところ、1位は「旅行」(45.3%)、2位「テレビ/ドラマ」(38.6%)、3位「映画」(29.5%)、4位「グルメ」(28.5%)、5位「読書」(26.6%)でした。

こうしたデータから、老後の楽しみとして、旅行や趣味にお金や時間をかけていきたいという日本のシニアの思いも浮き彫りになっているように思います。

欧米のシニアのように投資について正しい知識を身に付け、人生を豊かにするツールとしてうまく活用していくことで、お金の不安から解放され、趣味や家族との時間を楽しみながら人生を送ることは可能です。

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