氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

不動産投資には肯定的なマネー本が多い

「不動産投資は損をするだけ」「投資初心者は不動産投資に手を出すべきではない」といった意見がある一方、その約4倍の冊数のマネー本が、不動産投資に肯定的でした。  

「私の資産の基盤は不動産だ。不動産は安定していて値動きがゆっくりなので気に入っている。資産の基盤はしっかりしたものにしておきたい。それに、不動産はそこからのキャッシュフローもけっこう安定しているし、うまく管理すれば価値が上がるチャンスもある」(ロバート・キヨサキ『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん』/筑摩書房)  不動産投資は2つに大別できます。

 ●REIT(不動産投資信託)に投資する方法

 ●不動産そのもの(実物)を買う方法  

(1)少額から始めたい人はREITを活用する

不動産投資の1つ目「REITに投資する」とは、アメリカで生まれた不動産投資信託への投資のことです。REIT投資信託の一種で、投資家から集めた資金を使って不動産を購入し、その不動産を賃貸したときの収益や、売却によって得られた収益を投資家に分配します。  

実際に不動産を持ったり、賃貸住宅の経営をしたりすることなく(家賃の集金や入居者のトラブルに対応することなく)、不動産に投資できます。

また、数万円程度の比較的少額から始められることから、投資初心者が不動産投資をしたい場合には、REITは取り組みやすいといえるでしょう。

(2)初心者はとくに気をつけたい不動産そのものを買う方法

不動産投資の2つ目、「不動産そのもの(実物)を買う方法」とは、不動産(区分マンション/マンション内の一戸ずつの物件、戸建て住宅、一棟アパート、一棟マンションなど)を購入し、利益を得ることです。不動産そのものを買って利益を得る方法は、次の2種類です。

キャピタルゲイン(資産の売却で得る利益)  不動産を購入し、値上がりしてから売り、売却益を得る。  

インカムゲイン(保有していることで得る利益)  購入した不動産に人に住んでもらい、家賃収入を得る。

マネー本に書かれていた、実物の不動産への投資のメリットとリスクをまとめると、次のようになります。

(実物の)不動産投資のメリット

●多くの場合、銀行から融資を受けて物件を買う。つまり、他人の資本で投資ができる。

●入居者に住んでもらい、家賃を得るしくみができると、安定した収入が得られる。

●管理会社やリフォーム会社をうまく使えば、自分はあまり動かなくてもいい(会社員でもやりやすい)。

●インフレに強い。不動産は現物資産(=ものと同じ)であるため、物価が上昇すると、価格が上がりやすい。

相続税対策になる。理由は、「土地や建物の価値は時価(実勢価格)よりも7~8割程度に安く評価される」ことと「不動産を人に賃貸すると相続税の評価額が低くなる」ため。 (実物の)不動産投資のリスク

●不動産の保有中は固定資産税や管理費などの経費がかかる。

●不動産が値下がりする可能性がある。

●家賃が下がる可能性がある。

●空室や家賃滞納のおそれがある。

●購入するには多額の資金が必要。

●修繕費や管理費などがかかる。

●現金が必要になったときにすぐに現金化できない(すぐに売れない。手続きも必要)。急いで売ろうとすると買いたたかれる。

●倒壊、火事、自然災害などのリスクがある。

「不動産投資」に否定的なマネー本の著者たちが、「投資初心者は不動産投資に手を出すべきではない」といっているのは、この実物を買うほうの不動産投資です。

「不動産投資」に肯定的なマネー本の著者たちも、「不動産投資をする場合はよく理解してから」と口を揃えます。

実際にどんな物件に投資をしたらいいかは、「戸建て住宅」「アパート一棟」など意見が分かれていました。

気をつけるべき物件として、複数のマネー本で注意喚起されていたのは、「新築ワンルームマンション(区分所有=一部屋単位での購入)投資」です。

理由は「新築マンションは買ったときが一番高く、買ったらすぐに価値が下がる」 「業者の資料に『家賃保証』と書かれていても、高い家賃を保証してくれるのは最初だけ」 などです。

投資を始める前には、リスクについての理解を深めるべきです。ただ、リスクとリターンは比例関係にあるため、基本的に「リスクを取らずにリターンを得る」ことは不可能です。

「うまい儲け話はない」のが投資の世界で、どんな投資であっても、「毎月10%の配当を受け取れます」「上場間近なので必ず儲かります。元本保証します」「A社の株をお持ちでしたら高値で買い取ります」といった「うまい儲け話」を信じてはいけません。  

『元本保証でリターンがこんなに!』みたいな広告を見かけることもあるけれど、そんなことはあり得ない。感覚値だけれど、年に3%以上の利回りを保証するものは、巧妙にリスクが見えにくいスキームになっているか、詐欺かのどちらかだと思ったほうがいいでしょう。

「伝説の億万長者」と呼ばれた本多静六さんも、「助平根性」を出すことを戒めています。「人間はだれしも欲がふかいものであるから、そうそうあるはずのないウマイことずくめに釣られてしまいやすい。これはちょっと冷静に考えればすぐわかることであるが、小金が貯まると、世にいう助平根性が出てくるのでうっかりするとつい乗ぜられてしまう場合がある」(『私の財産告白』/実業之日本社)

投資は、元本が保証されていません。「損する可能性がある」ため「投資は、ギャンブルのようなもの」だと考える人もいます。

しかし、マネー本の著者は例外なく「投資とギャンブルは違う」と指摘します。リスクがあっても、それにふさわしいリターンが期待できるものが投資です。

振り子が右だけに振れることも、左だけに触れることもないように、投資もまた、リスクとリターンは表裏一体です。言い換えれば、投資の世界では、リスクがなく(小さく)、リターンが大きい「ノーリスク(ローリスク)・ハイリターン」の金融商品は存在しません。  

資産を運用する際には、その前提を正しく理解し、自分が取れるリスクの範囲内でリターンを追求することが大切です。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村