氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

不正が横行し、倒産が減りすぎているコロナ対策

政府は10月11日から水際対策を大幅に緩和し、日本に入国する際、ワクチンを3回打っていれば、PCR検査の陰性証明が不要になりました。

また、外国人に対しては、入国者数の上限が撤廃され、個人旅行者の受け入れも再開し、短期滞在者のビザ取得が免除になります。

マスクについても、岸田文雄総理はすでに「屋外では不要」と繰り返していますが、屋内での着用緩和も検討されています。

3年近くにおよんだコロナ禍が、ようやく収束に向かっていることは間違いありません。

 

 

しかし、手放しで喜べる状況では決してなく。規制の数々が緩和されるのは良いのですが、欧米諸国や他のアジア太平洋諸国に比べ、遅すぎたのです。

先進諸国のほとんどが入国制限を撤廃し、屋内外を問わずマスクを外しているなか、日本だけは科学的根拠に欠ける対策を続けてきました。

その結果、海外の投資家は日本をビジネスの対象から外し、日本に関心を抱いていた研究者や留学生の多くが、専門領域を変更しました。

訪日した外国人は一様に、日本の閉鎖性に驚きの声を上げ、受け入れが始まった海外からの団体旅行者も、驚き呆れています。

ようやく鎖国を解こうというとき、日本は海外から強い不信感を抱かれています。

岸田総理が国会でマスクをして演説すること自体、国民への着用推奨のメッセージになっており、いつまでも日本は、コロナ禍の足かせから自由になれません。

過剰なコロナ対策による損失は計り知れないが、最大の問題は、それが莫大な金額を投じた結果であることです。

つまり、将来にわたる大きな損失を抱えるために、血税が湯水のように投じられてきたのです。

むろん、すべて無駄だったとは言いませんが、費用対効果を考えると、これから検証するように疑問ははなはだ大きいです。

この2年半、コロナ関連予算は単年度で30兆~40兆円で、さらに国会の議決が要らない予備費が、今年度だけで5兆円になります。

コロナ対策に投じられたのは、すでに100兆円を超えていると思います。

 

 

しかし、もっと効率的に使えた部分や、感染状況に合わせてコロナ対策をシフトチェンジしたら不要だった部分があると思います。

例えば、今年の年初の第6波以降、まん延防止等重点措置にあまり効果がないとわかってきていたのに、飲食店にお金を出し続けました。

すでにワクチン接種率が高く、感染防止及び重症化予防効果が上がっていた時期で、必ずしも飲食店で感染が拡大しているわけではなかったのです。

それなのに相変わらずまん防を講じて、営業時間短縮への協力金を支出したのは、問題があったと思います。

飲食店への協力金や支援金は、地方公共団体から支払われましたが、その原資は主に、国が交付する地方創生臨時交付金でした。

その額はこの2年半で16兆3760億円に及ぼます。

東京都の場合、2020年度には、時短や休業に応じた事業者への感染拡大防止協力金に2684億円支出しました。

ほかにも中小企業制度融資などに6674億円と、コロナ対策にともなう経済対策に9358億円が投じられ、地方創生臨時交付金をはじめとする交付金では賄えず、都の貯金にあたる財政調整基金を4721億円取り崩しました。

こうして、約1兆円あった都の財政調整基金は、21年度末見込み額が21億円と枯渇寸前になりましたが、21年度は国から地方創生臨時交付金などが2.1兆円支給されたため、年度末の財政調整基金は7272億円まで回復しました。

都はかなり大盤振る舞いをしても、国が補填してくれたので、懐は傷まなかったのです。

しかも、協力金や支援金の支払い方にも問題があります。

各事業者の前年の売り上げを見て、その何割までを補償するとすべきなのに、売り上げの多寡にかかわらず一律の金額を配ったのです。

このため不正も多くなりました。確定申告に基づいて申請書を作成してもらい、それをあとでチェックし、違っていたら返してもらうようにすればよかったのです。

2~3割だけでもチェックすれば、かなりの不正抑止効果があったはずです。

 

 

都内のある飲食店主は、 「うちは2店あって、1店は客が少ないので不定期で営業していた。それでも休業すれば大店と同額がもらえるので、もちろん閉めて、ずいぶん儲かりました。」などと言っており、そんな飲食店を支え続けた東京都を、国はじゃぶじゃぶとお金を注いで助けたのです。

事業者を助けるための予算には、持続化給付金や雇用調整助成金もありました。

前者は20年度に5.6兆円が投じられ、21年度は事業復活支援金と名を変え、2.8兆円が充てられました。

これら助成金のおかげで倒産件数は減少しましたが、減りすぎではないかと言われています。

長年8千件を超えていた日本の年間倒産件数は、20年に7773件。そして21年は6030件と、バブル期と同水準になりましたが、さすがに過剰な減少ではなかったでしょうか。

コロナ禍に見舞われずとも倒産した可能性が高い事業者まで、助ける必要があったのか、ということです。

必要以上に倒産を防ぎ、非効率な企業を延命させると、コロナ後に日本全体の生産性を上げるべきときに、マイナスの影響を与える可能性もあり、大きな問題点です。

20年に2.7兆円の予算が組まれたGoToキャンペーン事業も同様で、 コロナと無関係に業績が悪化していた観光業者まで延命させることになっていたとすれば、過剰だったと言わざるを得ません。

規制が緩和されれば、みなGoToがなくても旅行や外食に行くので、あえてブーストをかける必要はなかったのです。

必要のない予算を使って、そのツケを将来に回しただけでしょう。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村