できるだけ身体にいいものを食べた方がいいとわかっていても、多忙なビジネスパーソンは日々の献立を考えるのも一苦労。手間をかけずに健康的な食事をしたいならば、“最新の研究に基づいた本当に身体いい食事術” を学ぶのが手っ取り早いです。
腸内環境を整える上で特におすすめの神食品を7つ紹介します。
食物繊維、腸内環境を整える作用、何を食べればいいか迷ったら、ぜひこれらの食品をとるようにしてください。
食物繊維については含有量を書いていますが、あくまでも目安です。具体的な数字は、パッケージの栄養成分表示を確認してください。
1.バナナ
バナナはレジスタントスターチ(難消化性でんぷん/腸内環境を整える働きをする成分)が豊富で、食物繊維(水溶性と不溶性の両方にオリゴ糖)も含んでいます。
簡単に買えて、持ち運びもでき、皮をむくだけで食べられる利便性も最強。文字通りのスーパーフードです。100gあたり、約0.1gの水溶性食物繊維、約1gの不溶性食物繊維、約0.3gのオリゴ糖を含んでいます。
なお、バナナは熟すごとにでんぷんが糖に変わっていくので、まだ熟しきっていないバナナは、よりレジスタントスターチが増えます。腸活目的なら、少し青みがかったバナナを食べるのがおすすめです。
完全に未熟な青バナナ(グリーンバナナ)は、熟したバナナの8~9倍ものレジスタントスターチがあると考えられています。 食事の多様性が大事とはいえ、食物繊維不足を自覚しており、しかし色んな食材をとるのがどうしても面倒、という方は、せめて青バナナ入りのサラダを食べてみてはいかがでしょうか。
2.サツマイモ
イモ類の中でも、特に栄養豊富なサツマイモ。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の量・バランスはバナナ以上です。皮には便秘予防などに効果的な「ヤラピン」が含まれています。 レジスタントスターチも豊富で、主食と同じく、加熱後冷ますと増えるので、健康目的なら常温で食べるのがおすすめです。
100gあたり、約0.6gの水溶性食物繊維、約1.6g の不溶性食物繊維を含んでいます。 現在は食生活の西洋化・現代化の影響で突出した存在ではなくなっていますが、一昔前の沖縄県は長寿県として有名でした。サツマイモは、その健康長寿を支えていたと考えられています。
3.ダークチョコレート
食物繊維や「カカオポリフェノール」は腸によく、カカオ70%以上のダークチョコレートは、これらを豊富に含んでいます。
ただし、砂糖は身体に非常に悪いので、砂糖入りのチョコレートはNGです。
また、「ダークチョコレート」と銘打っているのに、カカオ含有量が低い商品もあります。初めて買う商品は本当にハイカカオか確認しましょう。
4.ブドウ(ブルーベリー)
近年、ポリフェノールと腸についての研究が増えています。そんなポリフェノールを豊富に含むブドウも、非常に腸によい食品です。酸っぱさが気にならない方なら、糖分を抑えられるブルーベリーがおすすめです。
ブドウやブルーベリーの皮には、抗酸化作用などを持つ「レスベラトロール」を含んでいるので、できるだけ皮ごと食べましょう。
5.キウイフルーツ
食物繊維豊富で、水溶性と不溶性のバランスも素晴らしいキウイフルーツ。レジスタントスターチはありませんが、100gあたりの水溶性食物繊維が約0.6g、不溶性食物繊維が約2gと、果物では指折りの食物繊維量を誇ります。
抗酸化作用と、腸のぜん動運動をよくする効果があり、便秘がちな中学生にキウイフルーツを14日間毎日1個食べさせたところ、約7割の被験者が1日1回以上の排便をできるようになったという研究もあります。
健康効果がよく知られるオリーブオイルは腸にも効果的です。含まれている「オレイン酸」は小腸で吸収されにくく、排便を促進する効果があります。下剤を常用するほど便秘に悩む被験者に、毎日30mlのオリーブオイルを飲んでもらったところ、ほぼ全員が下剤の量を減らせる改善効果を実感したという研究もあります。
さらに、老化防止などの効果で注目を集めているポリフェノールの「オレオカンタール」は、オリーブオイルでしかとることができません。
要注意なのは、その品質です。オリーブの実を絞ってそのままとれるバージンオイルの中でも、特に良質なものが「エキストラバージン」です。
質の悪い油は酸化して、非常に健康によくないので、「エキストラバージン」を選びましょう。サラダなどにかけて直接とったり、加熱にも比較的強い(油は熱で酸化しやすくなる)ので、加熱調理に用いたりと、日常的に使ってほしい油です。
7.トマトジュース&オリゴ糖
トマトジュースには、水溶性食物繊維の「ペクチン」が豊富に含まれています。ペクチンは腸内環境を整えてくれる上に、食物繊維なので、糖質の吸収を抑えてくれます。食事前の一杯に非常におすすめです。
そして、食前のトマトジュースに、ぜひ加えてほしいのがオリゴ糖です。オリゴ糖自体も糖ではあるものの、小腸でほとんど吸収されないので、血糖値をそれほど上げません。むしろ、その他の糖質の吸収を遅らせる効果のほうが大きいので、トマトジュースに加えると、ペクチンとセットで血糖値の急上昇を防いでくれるのです。
また、正直味わいはよくならないかもしれませんが、エキストラバージンオリーブオイルを加えるのもおすすめです。 基本的には加工によって大切な食物繊維や栄養素が激減するので、私たちはジュースを飲むことはおすすめしません。しかし、そんな私たちもトマトジュースだけはおすすめしています。
なぜかというと、さまざまながん予防効果で知られる「リコピン」が、加熱することで吸収率が上がることがわかっているからです(トマトジュースは、製造過程で加熱されています)。
ジュースの味が苦手な方は、トマトジュースやホールトマト缶などから作るトマトベースのスープもおすすめです。
エキストラバージンオリーブオイルを加えて美味しく食べるなら、スープのほうがいいかもしれません。生トマトからスープを作るときは、大きくカットして加熱してから潰したり、裏ごししたりするようにしてください。