「FIRE」の考え方は仕事をしている現役の間にしっかり貯金をしたり、資産運用続けることで老後資金を準備し、早期退職を目指すことです。
FIREのメリットやデメリットと注意点について説明します。
現在、日本人は学校を卒業する20代頃から働き始め、65歳前後で仕事を引退し、老後生活に入るのが一般的なライフサイクルです。
最近では、平均寿命が伸びていることから、65歳を過ぎてからも元気に働いている人もいます。
逆に、65歳よりも前に仕事を早期退職して、今まで貯めてきた貯蓄や、資産運用で増やしたお金、不動産からの家賃収入などによって、生活していくことを目指す考え方を「FIRE」と言います。
「FIRE」は、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取ったもので、経済的自立をして、早期リタイアをすることを表しています。
FIREのメリットとデメリットを紹介します。
FIREのメリット
・自分の好きなことに、自由に時間を使える
・好きな場所に住める
FIREのデメリット
・予測していない出費に対応できない可能性がある
・適宜節約しなければならない
・景気によっては資産運用がうまくいかず、資産が減り、生活が苦しくなる可能性がある
FIREの一番の魅力は、仕事を早期退職した分、自由に時間を使うことができる点です。
決まった会社等で働いていないため、住む場所も自由です。
一生をかけて取り組みたい趣味や目標がある方にとっては、嬉しいポイントです。
一方、FIREのためにいくら入念に準備していたといっても、人生は何が起きるか分かりません。
途中でお金が足りなくなることも考えられるため、お金の使い方やライフプランについて、臨機応変に対応することが求められます。
FIREを目指すためには、予めしっかりと計画を立てておく必要があります。
例えば、以下のようなポイントについて、事前に検討しておかなければなりません。
・何歳で仕事を引退することを目標とするのか
・仕事引退後、毎月の生活費はいくら以内に収めるのか
・どのくらい貯蓄があればFIREしても大丈夫か
・資産運用は、毎年何%を目標とするのか
・その他、FIRE後に、収入源となる不労所得はあるか
お金や投資に関してあまり知識がない方の場合、毎月のマネープランの立て方や、資産運用の方法、おすすめの金融商品などについて勉強しなけばなりません。
現在の仕事がうまくいかないからと言って、突発的に仕事を辞めてしまったり、遺産相続等でお金が手に入り、今後の計画を立てずに仕事を辞めてしまうのは、FIREとは言えません。
FIREをするために必要となるのは、貯金と不労所得です。
FIREでは、貯金と不労所得を上手に組み合わせて、仕事を引退した後のお金を確保していきます。
仕事をしている人でも、毎月の生活費の3ヶ月分くらいは、すぐに引き出せるように貯金があると安心です。
仕事をしないFIREの場合は、すぐに使えるお金として、毎月の生活費の半年分くらいを見積もっておく必要があるでしょう。
不測の事態でお金が必要になった時に、再就職など仕事をみつけて安定的な収入が得られるようになるまで、半年くらいはかかると考えておくと安心です。
自分で労働することなく、得ることができるお金を不労所得と言われています。不労所得には以下のようなものがありますが、何もしないでお金を得ることはできません。常に考えながら行動しないと資産は目減りします。
・資産運用による配当等利益
・不動産投資(家賃収入)
FIREを計画的に行うためには、いかにこの不労所得を安定的に得られるようにするかがポイントとなります。
たとえば、アパートなどの不動産経営を行って安定的に家賃収入を得ることができると、生活は安定します。
また、まとまった金額をさまざまな金融商品に投資して、安定的に配当所得を得られると良いでしょう。
しかし、不動産経営には金利の上昇や地震災害などのリスクがありますし、金融商品などの資産運用においては、景気によって大きく左右されてしまいます。
金融庁によれば、投資だけでも以下のように
「価格変動リスク」
「信用リスク(デフォルト・リスク)」
「流動性リスク」
「金利変動リスク」
「為替変動リスク」があります。
いくら入念に準備したからと言って、絶対に大丈夫ということはないため、FIREしても万が一の時はまた働ける選択肢を残しておいた方が良いです。
毎日忙しく仕事をしている人は、早く引退し、のんびり暮らしたいと、FIREの生活に憧れている人もいるかもしれません。
しかし実際には入念な準備を行ったり、万が一の時のリスクを考えておく必要があります。計画を怠ると必ず失敗しますので、あらゆる場合のシュミレーションはしておく必要があります。
また、人によっては、仕事は人生の大きなやりがいの1つでもあります。
完全なFIREとはいかなくても、週2~3回だけ働く「セミFIRE、プチFIRE、サイドFIRE」と呼ばれるようなものもあるので、検討してみると良いと思います。