氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

婚姻減が止まらない

日本の2021年の婚姻数は50万1116組で、前年の52万5507組より2万4391組減少し、いよいよ今年は40万組台に突入する見込みが濃厚になってきました。

婚姻数がもっとも多かったのは1970-1974年の第二次ベビーブームと呼ばれた時期で、その5年間は年間100万組以上の婚姻数がありましたが、そこから比べると半減していることになります。

婚姻数の減少傾向は続いており、これだけ減少すれば、少子化が進むのは当然です。

婚姻が減少した要因は多岐に渡り、個人的にはもっとも大きい環境要因だと思いますが、社会的お膳立てシステムの崩壊です。

 

 

その是非は別にして、かつての日本の皆婚を実現してきたのは、伝統的なお見合いや職場縁による「結婚のお膳立てシステム」によるものであることは間違いありません。

それらお膳立ての減少分がそのまま婚姻減と一致しています。

重要な事実なので、繰り返すと、 もっとも婚姻数が多かった1972年と直近の国勢調査2015年とを比較すると、お見合いと職場結婚を合算した婚姻数のマイナス分は約46万組となり、婚姻総数のマイナス分とほぼ一致します。

つまり婚姻数の減少はこれら2つの社会的システム(社会的なお膳立て)によるマッチングが減ったことと言えるわけです。

さて、そんなかつてのお見合いや職場縁など結婚のお膳立て機能に取って代わるサービスとして、婚活アプリなどのマッチングサービスが注目や期待をされているわけですが、結論からいえば、とても代替えになることはないと言えます。

マッチングサービス市場は急成長を遂げていることは間違ありません。

サイバーエージェント子会社のタップルのニュースリリースによれば、日本国内の婚活・恋活マッチングサービス(婚活アプリ)の市場規模推移は、156億円だった2016年から2020年は622億円へと約4倍にまで急成長しました。

 

 

今後の市場予測では、2026年にはさらにその3倍増近い1657億円に達する見込みと発表しています。

しかし、マッチングサービスの売上が、2016年から2020年にかけて4倍になったとしても、肝心の婚姻数は、2016年62万707組から、2020年52万5507組と、増えるどころかむしろ減っています。

果たして、これは婚活に寄与したといえません。

株式会社リクルートリクルートブライダル総研「婚活実態調査2021」によれば、婚活サービスのうちネット婚活サービスなどを通じて結婚した人の割合は2020年に11.1%と過去最高になったと報告しています。

2016年は4.5%だったので、なるほど確かに割合は増えています。

これを年間の婚姻数と掛け合わせると、ネット婚活サービスによる婚姻数は、2016年約2.8万組から、2020年には約5.8万組になったと推計できます。

単純に倍増したのだからそれなりに婚姻に寄与したのではないかといえるかもしれません。

しかし、よくよく考えてほしいのは、ネット婚活サービスで結婚するのは別にそれがなければ結婚できなかった人達だけではないということであす。

そのサービスがなかったとしても恋愛できる人達が、単純に「出会いの機会拡大に便利だから使いました→たまたまいい人がいたので付き合いました→結婚しました」という流れも多いでしょう。

便利で有用なツールがあれば使うのは当然であり、ツールを使って結婚したからといって、彼ら全員がツールがなければ結婚できなかった層ではないということです。

 

 

要するに、ネット婚活サービス利用の結婚数が増えたといっても、本来それを使わなくても出会い、恋愛し、結婚できる恋愛強者たちの交際範囲を拡大しただけになってしないか、という仮説も浮かび上がるのです。

婚姻減は、お膳立てがなければ結婚できない層の婚姻不達成によるものです。

婚姻減とはいえ、そんなお膳立てに頼らなくても恋愛や結婚できる恋愛強者は常に一定数います。

長期推移でみても、お膳立てなどに頼らない恋愛強者たちの自力結婚数は実数として減少していないのです。

もちろん、3割の恋愛強者がネット婚活サービスを使ってはいけないという縛りはなありません。

しかし、皆婚時代に社会的お膳立てシステムによって救われていた7割の恋愛弱者にとって、期待したほどの効果があったのか、かつてのお膳立ての代替えとしての出会いを実現できたのか、というとそれはいまだ結果としては見えていません。

決してネット婚活サービスに否定的なことを書いているつもりはありません。

しかし、ネット婚活サービスの市場拡大や利用者急増、さらには利用主の婚姻数増加という事実と、「あなたが結婚相手と巡り合える」ということはイコールではないということだけは認識した方がよいです。

勿論、相手とマッチングできる人は存在します。しかし、それは「あなたではない」可能性も高いのです。

また、ネット婚活サービスは一時の恋愛には寄与するのかもしれませんが、結婚には寄与しないのではないかといわれています。

最近、マッチングアプリを悪用した詐欺で、多額のお金を盗まれたり、犯罪に巻き込まれたりする事件も頻発していますので、くれぐれも注意してください。

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