日本の社会、企業の中で権力を持つのは多くの場合おじさんであり、ときにはその権力を振りかざし、セクハラやパワハラを行ってしまうおじさんもいます。
普通に生きるおじさんの肩身を狭くさせる存在です。
日本の企業はなんだかんだで年功序列制を根強く残しているところが多いのです。
だからおじさんと呼ばれるくらいの年齢になると、社内でもそれなりの立場に就いている人が多いことになります。
これは本人にとっても下の人間にとっても悲劇だとも思いますすが、人の上に立つような器でない人が役職に就いてしまうことは多いのです。
そうすると、そうしたおじさんたちの小物っぷりがものすごく目につきます。
「小物なおじさん」が上司となったとき、器の小ささが顕著に露呈するそうです。
いわゆる『嫌われる上司』を想像してもらえればわかりやすいと思います。小物なおじさんはまず、人心掌握がものすごく下手です。
説教はネチネチして、責任は何かと部下に押し付けようとします。
そのくせ偉そうで、酒の席では自分の仕事論や武勇伝をぶち上げます。
また、おじさんは聞く耳持たず、プライドに依拠して、「嫌われるおじさん道」をまい進していきます。
しかし、そういうおじさんから見て、やはり下の世代、若手連中というのは少し怖いのです。
立場はもちろん、価値観も違うでしょうし、何を考えているかわからないところがあるからです。
だから接するには一定の覚悟が必要なのですが、若手にあからさまにおもねったおじさんもいただけません。
たとえば『KY』なんて言葉、若い人はいまどき誰も使いません。
若手に擦り寄ろうとして失敗しているおじさんを見ると、痛々しい気分になります。
咳やくしゃみなどの音はやたらでかいのです。
たまに痰を『カーッ』とやって静かになり、『あれ?今の痰はどこにいきましたか?』みたいなものです。
ものを食べるときにいやにくちゃくちゃ大きい音を立てたりというのもおじさんっぽいです。
トイレで小用を足してるときに屁をこくのも、おじさんらしいおじさんの特徴です。
鼻毛や耳毛が未処理のままボーボーに生えているのを見ると『やっぱりおじさんだからなあ』という諦めにも似た気分にさせられます。
職場で一番気合が入っていると思うのは、髪を「EXILE」にいそうな短髪のくすんだ金色にしているおじさんです。
入念にアクセサリーもいくつかつけていますし、『この人やけに色が黒いな』と思っていたら日焼けサロンに通っている人もいます。
加齢臭を誤魔化すためか香水もきついこともあります。年相応の貫禄が出ているというよりかは『若づくり』しているという印象が先立ちます。
紫外線を浴びすぎるとしわが深くなって取り返しがつかなくなります。
日焼けなどや茶髪にするなど、あまりやりすぎると不潔に感じてしまいます。
若づくりがあからさまだと、逆に歳を取っていることが際立ちやすいのです。
最近の流行で裾を短くして足首を見せるパンツスーツがありますが、あれもおじさんがやるのは個人的にはどうかと思います。
若い人の溌剌とした足首とおじさんのしょげた足首では、見せているモノが違います。
若々しくありたいと願うことは男女共通の願いでしょう。
若々しさを保ちつつ老齢に伴った魅力を備えうることは決して不可能ではありません。
しかし老化との向き合い方を誤ってしまうと、痛々しい若づくりおじさんが誕生してしまうようです。
すべてのおじさんが、世間やネット上で揶揄されているようなおじさんであるわけではありません。
一部の「いろいろな意味でいやらしいおじさん」たちが、世のおじさん像に深刻なダメージを与えているのです。
そういうおじさんたちが、会社でいいポジションにいたりするのだから、若い者にとっては大変でしょう。
終身雇用、年功序列があたりまえの日本ではいつの時代にも迷惑なおじさんはいます。
おじさんたちとて、若い頃に「こんなおじさんにはならない」という反面教師を見てきたはずでしょうが。
いったんわが身を振り返り、いつしか自分が誰かの反面教師になっていないかを確認してもらいたいものです。