氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

睡眠時無呼吸症候群

激しいいびきをかくことや昼間の眠気は、決して珍しい症状ではありません。しかし、いびきや眠気が「睡眠時無呼吸症候群」によって引き起こされていることもあり、その場合には命のリスクにつながることもあります。

 睡眠時無呼吸症候群とは、簡単にいえば、大きないびきとともに、睡眠中に繰り返し呼吸が止まってしまう病気のことです。

「ゴゴゴ」と大きないびきをかいたと思ったら突然静かになり、再び「ゴゴゴ」といびきをかきはじめます。

突然静かになったときには呼吸が止まっており、口の前に手を当てても息を感じないのです。このように、激しいいびきと無呼吸の状態を何度も繰り返すことが特徴です。

医学的な定義では、10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が、1時間あたり5回以上繰り返される状態を「睡眠時無呼吸症候群」といいます。

アメリカでの調査結果によると、睡眠時無呼吸症候群の患者が交通事故を起こす確率は、健康な人の約7倍にものぼるそうです。また、重症になるほど、交通事故を起こす危険性も高くなります。

 

 

睡眠時無呼吸症候群にかかりやすい人は、一般的に、次のような特徴があるといわれています。

・太っている人

・首が短い人

扁桃が大きい人

アゴが小さい人

アレルギー性鼻炎の人

・高齢者

国別にみると、東洋人は欧米人と比較して顎の骨格が狭いため睡眠時無呼吸症候群になりやすく、また、女性に比べて男性の方が発症しやすいこともわかっています。

この病気は、当然のことながら睡眠が浅くなるため、日中にひどい眠気に襲われたり、体がだるくなったりします。

そのほか、

・睡眠中、呼吸が止まる

・寝ているあいだ、頻繁に目が覚める

・大きないびきをかく

・睡眠中にあえぐ

・熟睡感がない

・朝起きると頭痛がする

・日中、強い眠気を感じる

・集中力が低下する

 近年の研究により、睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を引き起こしたり、狭心症心筋梗塞などの心臓病や脳卒中を招いたり、不整脈を起こして寿命を縮めたりすることがわかっています。

それぞれ健康な人に比べて発症するリスクは高く、高血圧、脳卒中心筋梗塞などを引き起こす危険性は3~4倍、重症の場合は心血管系疾患発症の危険性が約5倍高まるといわれています

 特に気をつけたいのが「睡眠時無呼吸症候群になると、心房細動を起こしやすくなる」ということです。

心房細動とは不整脈のひとつで、心房がまるで痙攣したように細かく震え、うまく血液を送り出すことができなくなる病気のことです。

慢性化すると動悸や息切れが激しくなったり、疲れやすくなったりして、日常生活に支障をきたしてしまいます。

怖いのは、心房細動と睡眠時無呼吸症候群は、互いに発症のリスク要因となることです。

睡眠時無呼吸症候群の患者はそうでない人に比べ、心房細動の罹患率が数倍高くなるといわれています。

反対に、心房細動の患者のうち、約50%の人が睡眠時無呼吸症候群を合併していることもわかっています。

なぜ睡眠時無呼吸症候群になると心房細動になりやすいかというと、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなったりと、長時間にわたり低酸素状態になることで、心臓に負担がかかりやすくなるからです。

心臓は一生懸命酸素を取り込もうとして、急激に心拍数をあげるため、心臓の負担が増し、心房細動が起こりやすくなるのです。

 

 

また、自律神経の問題もあります。睡眠中に何度も目が覚めたり、息苦しい感覚になったりすると自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位になってしまいます。

すると心拍数は上昇し、心臓内の電気的興奮が起こりやすくなって、心房細動を招いてしまうのです。睡眠時無呼吸症候群は自覚しづらい病気です。

そのため、気づいたときにはかなり症状が進んでいたということも少なくありません。反対に、早いうちに気づけば治療の負担も軽くて済みます。

まずは、自分の睡眠の状態に気付くことが大切です。

独り身の人はわからないので、一度家族や一緒に寝て確認してもらっておくことも必要です。

リスクに気づいたら、早めに専門外来を受診し、家族に「いびきがひどい」「睡眠中、呼吸が止まって苦しそう」などと一度でも指摘されたことがある人は、できるだけ早く呼吸器内科を受診しましょう。

近隣に呼吸器内科がない場合は、一部、耳鼻科や循環器科で扱っているところもありますし、最近では睡眠に特化したクリニックもあります。

睡眠時無呼吸症候群かどうかは、簡易的な検査でスクリーニングすることができますが、より詳細に調べる場合には入院が必要です。

入院による検査では「ポリソムノグラフィー」というテストを実施して、睡眠中の脳波、眼球運動、胸郭運動、酸素飽和度、鼻の気流測定などを調べます。

治療の基本は「減量」と「CPAP」 検査により、睡眠時無呼吸症候群であると診断された場合には、すぐに治療をはじめます。 肥満の場合はまず、減量が必須です。痩せることで横たわったときに気道が広がり、呼吸が楽になるからです。

そのほか、「CPAP治療」といって、睡眠中に特別なマスクを装着する方法もあります。これは、圧力をかけた空気を鼻から送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。

睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことによって、日中の眠気が改善するだけでなく、高血圧や不整脈の治療効果も期待できます。

特に心房細動と睡眠時無呼吸症候群を併発している患者の場合、CPAP治療を行うとほとんどのケースで心房細動の治療成績が上がり、また、再発を防げるということもわかっています。

睡眠時無呼吸症候群は珍しい病気ではなく、加齢とともに発症率が上昇することを考えれば、誰でもリスクを抱えている病気です。

現在日本では、400万~500万人の患者がいると推定されていますが、治療中の人は約40万人程度と少ないため、「検査や治療を行っていない潜在患者は約30~40人に1人の割合で存在する」という報告もあります。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を下げるだけでなく、交通事故のリスクや命の危機など、さまざまな弊害をもたらします。早期発見に努め、適切な治療を始めたほうがよいです。

 

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