将来有望な大きなビジネスがあったとします。
そのビジネスが、社会にとって有益であったり、うまくいく可能性が高かったり、大儲けできたりするならば、何とか資本を集めて起業したいという人もいるでしょう。
しかし、個人がある程度以上の大きな資本を用意することは、そう簡単ではありません。ましてそのビジネスが100％うまくいくわけでもないので、大きなリスクもあります。
そんなときに便利なのが、株式会社という仕組みです。そのビジネスの所有権を株式にして分割し、お金に余裕のある個人や会社などに株を買ってもらいます。
それにより、創業者は資本を調達することができるのです。しかもその資本は借金と違い、基本的に返済義務はありません。
そして儲けが出たら、株主には配当金を支払います。また、ビジネスがどんどん大きくなった場合は、それにともなって株式の価値（株価）も上がりますので、最初に株を買った人は、それ以上の株価で誰かにそれを売ることもできます。
残念ながらそのビジネスが失敗し、会社が倒産した場合は、株価はゼロになってしまいます。
しかし、そのリスクを負ってくれた株主には、それ相応、もしくはそれ以上の莫大な利益がもたらされる場合があります。
会社が大きくなるにはいくつかの段階があり、配当金を得られたり、株を誰かに売却できたりするためには、ある程度ビジネスが大きくなる必要があります。
これが、株式会社の基本的な仕組みだといえます。このように、リスクを負って資金を提供する投資家がいるからこそ、世の中には大きなビジネスが数多く存在しています。
創業間もない株式会社にも、上場して数十年経つ大きな株式会社にも、リスクを負って、身銭を切って株式を買った投資家の存在があります。
株はその会社の所有権そのものですので、株を多く持っていればいるほど、経営に関与する権利が出てきます。
もちろん、大株主でも経営に関与しない株主もいますので、実際にそうするかどうかどうかは別の話です。
しかし、株を持っていればいるほど、株価の上下の影響を大きく受けることもあわせて、その会社との関わりが強くなるのは間違いありません。
株主がその会社の株を買った理由は、将来的に利益が見込めるから、というのが一般的です。
株主がその会社の株を売るときは、株を現金化する必要が生じたということもあるでしょうが、それも含めて、株で持っているより現金化したほうが有益というのが基本です。
そしてそのなかには、もうこの会社の株主でいても利益は見込めない、という判断をした人も多いはずです。
今後も価値があると判断できる株ならば持ち続けるでしょうし、そうでないならば売ってしまうのが、投資家なのではないでしょうか。
そして会社側も、株価が下がることのデメリットは少なくありません。だからいい仕事をして、高い株価を維持しようと努めるのです。
投資家は株の売買を通じて、オーナーとしてその会社を見守る、という役割も果たしているといえます。
「目利き」の投資家の力で、株価は適正に保たれている おそらくですが、株価にも適正な範囲というのが存在します。
しかし、それを超えて安くなったり高くなったりすることも、株式市場にはあります。 そして、それを是正し、株価を適正に保つ役割を果たすのも、同じく投資家です。
そのような投資家ほど「目利き」であり、稼ぐことができます。 安く買って高く売れば儲かるのが投資です。
要するに目利きの投資家は、「市場が誤ってこの会社の株にこんな安値をつけているから買おう」「市場が誤ってこの会社にこんな高値をつけているから売ろう」を繰り返して稼いでいるのです。
彼らは、株価を適正に保ち、市場を安定させています。そして、自分自身もそれによって稼いでいるわけです。
そんな投資家が、やはり市場には必要です。リスクを負って資金を提供する投資家がいるからこそ、世の中には大きなビジネスが数多く存在しています。
また、投資家は株の売買を通じて、オーナーとしてその会社を見守っているともいえます。 「目利き」の投資家が安く買って高く売ることで株価を適正に保ち、市場を安定させています。そして、自分自身もそれによって稼いでいるのです。
日本人のほとんどが汗水たらして働くことを美徳化しており、株式投資はギャンブルという思い込みによって、まともに投資もできない人種になっています。
こういう投機的な先入観しか持たないので、仮に株式投資をしてもほとんどの人がすぐに退場してしまう可能性が高いのです。
