氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

スタグフレーションで景気減速の可能性

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今回のウクライナ問題を発端とした国際商品市況の高騰は、オイルショックと同じ危機に直面しそうです。1970年代に発生したようなスタグフレーションスパイラルの長期化につながる可能性も出てきました。

1973年10月、中東産油国原油価格を70%引き上げたことを受け、のちに「狂乱物価」といわれるインフレを発生させた第1次オイルショックが起きました。

この激しいインフレを抑えようと、日銀は公定歩合を9%まで引き上げ、この金融引き締めによって景気が悪化し不況に陥りました。

その後、1978年にOPECが段階的に原油価格の大幅値上げを実施したことに加え、1979年2月のイラン革命や1980年9月に勃発したイラン・イラク戦争の影響が重なり、国際原油価格は約3年間で約2.7倍にも跳ね上がりました。

これが第2次オイルショックです。この時もインフレが起こり、国内景気が減速することになりました。

オイルショックのときは原油価格が高騰しただけでなく、原油そのものが日本に入ってこなくなりました。

繁華街ではネオンを消したり、百貨店ではエスカレーターを止めたりと、とにかく国を挙げて節約を呼び掛けたものです。

それでも鉱工業生産指数は、高度経済成長期であったにもかかわらず、1974年からの2年間の平均でマイナス7.2%へと落ち込み、国内のモノの製造が大停滞しました。  

 

 

モノが手に入らないので価格は高くなります。しかし給料は好況時のインフレのようには上がっていません。その結果、国民の生活は苦しくなります。これがスタグフレーションです。

スタグフレーションは「スタグネーション(停滞)」と「インフレーション(物価上昇)」を掛け合わせた造語で、景気後退の中で物価が上昇する状態を意味します。

そうなると、日本は最悪の形でデフレを脱却することになるでしょう。給料はそれほど上がらないのに、モノ不足から百均の商品価格が200円、500円と上がり、カップ麺、コンビニのおにぎりなど気軽に手に入ると思っていた商品が、次々と狂乱物価の様相を呈するようになります。

それによって庶民の生活は圧迫され、日常生活はスタグフレーションの悪影響で暗くなり何となく自分たちが貧しくなってしまったような気分になります。

 

 

今年1月の消費者物価指数(CPI)は5ヶ月連続で上昇しました。中でもエネルギー価格は前年比17.9%増と際立っており、第2次オイルショック後の1981年8月(21.3%)以来41年ぶりの大きさでした。灯油が33.4%、ガソリンが22%、都市ガスが17.8%、電力が15.9%値上がりしました。  

不況の時は需要の落ち込みからデフレになることが多いですが、原油価格の高騰の影響で物価全般が上昇してしまっています。庶民の節約志向に拍車がかかり消費は低迷するでしょう。物が売れ無くなれば景気は失速します。

日本のCPIも1973年に前年比11.7%、74年には23.2%と急伸し、「狂乱物価」の時代と呼ばれ、戦後初めて日本はマイナス成長となりました。スタグレーションがいったん発生するとこれから抜け出すことは困難です。

通常の不況であれば、金利を下げることで景気を刺激できますが、スタグフレーション下で金利を引き下げるとインフレをかえって悪化させてしまいます。

世界恐慌の次に悪いレベルとなるオイルショック並みの危機を、覚悟しておく必要があると思います。

 

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