初めて追証をくらった時の状況の話をしてみたいと思います。
株式投資を始めたのは就職してすぐ1998年でした。当時は世界通貨危機とか言われていた時代で景気は良くなかったように覚えています。1989年のバブル崩壊後、株価は右肩下がりが続いていました。
その後ITバブルがあったのですが、その当時はIT関連株や大型株ではなく、素人が好きな小型株しか買っていなかったのであまり恩恵を受けませんでした。
小型株というものは上がった時の上昇率は高いのですが、下がるときのスピードも半端ないです。大型株の後に上がり、下落局面になると大型株の前に下がる飛行機の後輪のようなもので厄介なものだと後でわかりました。
ITバブル崩壊後は地合いも悪くズルズル相場は軟調に推移していました
2001年頃から口座を全てネット証券に移行し、信用取引も開始しました。信用取引を始めたことが地獄への始まりでした。
信用取引は株を担保に株を買えるレバレッジ取引です。少ない資金で一発大勝負して儲けたい欲望や、その当時、勝てない状況が続いて、何とか増やそうと焦ってたのかもしれません。
正常な判断ができない状況だったのでしょう。
2004年に新興市場のIT関連株を信用2階建てで目いっぱい買っていましたが、株価がどんどん下がり、含み損が毎日増えている口座を見るのが精神衛生上よくないため見ないようにしていました。
この状況は昨年からのマザーズ銘柄の下落局面に似ていると思います。
そして数日後、追証が発生しました。これはやってはいけないことですが、追加保証金の警告のお知らせはあったのですが無視していました。
保証金を期日までに入金しなかったため、証券会社が保有株を朝一でたたき売り強制決済され、しばらく口座凍結されました。かなりの損失を出しました。
以下が大きな損失を出した理由です。
・業績も見ないでIT関連というだけで買っていたこと
・上がりもしない株がいつか上がるだろうという思い込みがあったこと
・損切ができなかったこと
・周りの銘柄は上がっているのに自分の買った銘柄だけが上がらない時に精神的に焦っていたこと
・富への欲望と含み損を抱えた時の感情をコントロールできなかったこと
などが原因だったことを学びました。
株式投資は欲望と恐怖の心理戦です。今思えば自分にとっていい勉強代だったと思います。この経験がなければ、セミリタイアできなかったとも思っています。利益を出すことより、退場しないために大きく損しないことの方が長い目で見た時、重要となります。
ただ、当時20代ぐらいでしたのでこの損失は自分には大きく、株式投資より不動産投資に興味を持つようになりました。
それ以降、株式投資も復活してやっていますが、これを教訓として信用取引はほとんどせず、基本現物オンリーの堅実投資を心がけています。