氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「マンション、買っておけばよかった」嘆く声も…「とまらない価格高騰」の実態

平均価格が過去最高を更新し続ける「新築マンション」。驚くほど上昇している実態をみていきましょう。

不動産経済研究所によると、2023年に全国で販売された新築マンションの平均価格は5,911万円。前年比15.4%アップ、7年連続で最高値を更新しています。 首都圏に限ってみれば、平均価格8,101万円です。

前年比28.8%アップ、バブル景気のさなかであった1990年を大幅に超えて過去最高額となっています。 国土交通省が今年3月に公表した、全国の不動産価格指数の推移をみると、現在のマンション(区分所有)価値は2010年と比べて1.9倍超という驚異の結果です。

戸建住宅の1.3倍弱と比較しても、極めて急角度で上昇したことがわかります。 ブロック別に指数をみても、どこか特定の地域だけがずば抜けて伸びたわけでもないとわかります。

マンション購入、「資産として有利」と考える人が増加 マンションに飽きても、売って、別の住まいを購入することが比較的容易になったわけですから、2010年前後にマンションを購入した方にとっては笑みが止まらない状況かもしれません。

資産としてマンションを購入する方は年々増えています。そんな事実を知ると、「今の賃貸に住み始めた時期に、購入していれば今頃…」といった後悔も生じるのではないでしょうか。

しかし、購入するとなれば「資金」もローン審査に通るための「信用」も求められます。実際のところ、賃貸を選んだ当時にそれらを用意できたかといえば、厳しいかもしれません。

さらに、日本の不動産が一番価値のある状態は新築です。年月を経て不動産の価値は保たれず、売却に出して買い手がみつかるとも限りません。 賃貸か購入か――、論争にまだ決着はつかないようです。

不動産経済研究所が調査・発表する「新築分譲マンション市場動向」によれば、2023年上半期(1~6月)、首都圏(1都3県)における新築マンション供給戸数は1万502戸。 平均価格は8873万円と、前年同期比で36.3%もの大幅な値上がりとなりました。

これを東京23区に限定すると、平均価格は何と1億2962万円、同60.2%上昇になります。坪あたりに直すと636万円です。 庶民感覚から言えば、都区内の新築マンションは一般的なファミリー向けである66平方メートル(20坪)はおろか、10坪=6360万円すら手が届かないのが、今のマーケットの現実です。

もちろん、こうしたデータには一定のバイアスがかかることがあります。 たとえば、同時期に供給された新築物件のなかに、都心一等地でまとまった販売があったとの指摘があります。

しかし、たとえば東京都北区のJR埼京線の十条(じゅうじょう)駅前の市街地再開発事業によって誕生するタワーマンション(タワマン)は、間取り2LDK~4LDK・住戸面積58~92平方メートルで、販売価格は8050万~1億5890万円です。

坪単価は約500万円、つまり66平方メートル(20坪)で1億円です。

誤解を恐れずに申し上げるなら、この立地の相場観からはびっくりするような価格です。 この物件の発売前に、事業関係者ですら「驚きの価格」と言っていました。

ところが、売り出してみると反応は上々とのことです。確かに、徒歩1分の十条駅から埼京線直通で池袋(いけぶくろ)まで7分、新宿(しんじゅく)に13分、渋谷(しぶや)には18 分という交通利便性、また充実した商店街など、評価できるポイントはあります。

それにしても、板橋区の下町、十条エリアで坪単価500万円は、驚き以外の何物(なにもの)でもありません。一昔前であれば、販売価格が1億円を超えるマンション、「億ション」は一部のセレブリティ(セレブ)にしか買えない憧れの物件でした。

ところが現在、その立地は東京都心一等地以外に、加速度的に広がっているのです。 大阪市北区中之島(なかのしま)に、関西電力の子会社・関電不動産開発が2023年夏に販売開始した「シエリアタワー中之島」という46階建てタワマンがあります。

これは土地の所有権がない、定期借地マンションであったにもかかわらず、最上階の168平方メートル(約51坪)の住戸が4億3999万円をつけて話題になりました。 坪単価は863万円です。

このマンションは2026年3月に引き渡し予定、定期借地権の期限は2098年ですから、およそ70年間借りたあとは、建物を解体・撤去、更地(さらち)に戻して土地所有者(関西電力)に返さなければなりません。

それでも、大阪都心部の一等地ということで、反応が良いようです。

では、販売数が限られる新築マンションではなく、中古マンションで1億円を超えるような物件はどれくらいあるのでしょうか。

2023年9月の中古マンションサイト・HOMES(ホームズ)から、東京23区内でどのくらいの億ションが売りに出ているのかを調べたのが下図です。

このサイトでは、同じ物件が複数の業者から売りに出されているケースがあるので、数値としては一部重複がありますが、だいたいの傾向を見るうえで参考になるでしょう。

港区は、住民の平均年収が23区のなかでもっとも高いと言われている通り、掲載数は256物件と突出していますが、千代田区中央区を含めた都心3区だけでなく、渋谷区、新宿区、目黒区などで50戸以上の掲載数が確認できます。

また、タワマンが多数供給されている品川区や江東区は一頃(ひところ)、都心部と比較して割安感がありましたが、今や億ションエリアに入っていることが見て取れます。

下町エリアでも台東区の上野(うえの)近辺や墨田区錦糸町(きんしちょう)近辺、どちらかと言えば戸建て住宅街の印象の強い杉並区や練馬区でも億ションが普通に登場するようになっています。

どこもかしこも億ションだらけ。それでも流通し、マーケットが成立しているところからも、もはや、「東京のマンションは億ションが当たり前」になったと言えるのです。 

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