都心に新たにできた“小さな街”、麻布台ヒルズが話題です。
「日本初」や「日本一」の肩書きがつく、高級志向の店舗が多数入り、連日行列ができています。
一見敷居が高いようにも思えますが、実は大人の休日にちょうど良い贅沢な時間が流れていました。
六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズに続き、東京都心に新たな複合施設が2023年11月24日に開業しました。
「ヒルズの未来形」と謳われる麻布台ヒルズは、森ビルが手がけた構想35年の一大プロジェクトです。
麻布台地区はもともと、小規模な木造住宅や老朽化したビルが、高低差のある土地に密集していました。
防災、防犯の観点からも、都市インフラの整備が求められ、「都市の中の都市」の着工へと至りました。
地上64階建て、高さ325メートルで、大阪「あべのハルカス」(300メートル)を抜いて、日本一の高さとなる超高層ビル「森JPタワー」を中核として、海外の高級ブランド店や飲食店が並びます。
大行列もあいまって、訪問に腰が引けそうだが、「緑と健康」をテーマとした本施設は、大人世代にこそ楽しめる店が多いです。
この「大人のテーマパーク」の歩き方を厳選して紹介します。
【1】中央広場
6000平米の広さを誇る中央広場には、四季ごとに表情を変える約320種の植物が広がります。
「The Cloud」と名付けられた特徴的な大屋根の下にはオープンスペースがあり、カフェやイベントスペースが備えられています。
【2】ガーデンプラザB
「世界最優秀味覚賞」、「世界のベストオブベストショコラティエ」などに選出された、パティシエが提供するパティスリー「クリオロ」です。
チョコレートや焼き菓子、和食材を使った世界最高峰スイーツが並びます。
札幌スープカレーを代表する恵比寿の名店、「ザ イエローカンパニー トウキョウ」です。
北海道産を中心に15品目の野菜と30種類以上のスパイスを使用しています。
麻布台ヒルズ限定メニューも要チェックです。
【3】タワープラザ
「風情と落ち着き」を堪能できるのが「居酒屋 うちやま」です。
和酒と店主のこだわりが詰まった逸品で、オトナなひとときを。
ニューヨーク、マイアミでミシュラン一つ星を獲得した、江戸前寿司「鮨 麻布」の本店が凱旋オープンしました。
モダンなカウンター席にこだわりの握りと一品料理を味わえます。
ヨーロッパ発、他ブランドと一線を画す人気デニムブランド「デンハム」です。
このショップではシーズン毎に新たな限定商品をリリースします。
ほかのショップとはひと味違った世界観が広がります。
【4】中央広場 果樹園
中央広場に突如あらわれる果樹園です。
温州ミカンやブルーベリー、リンゴなどを栽培中です。
足下にはハーブなども育てており、収穫イベントなども催される予定です。
【5】ガーデンプラザD
「価格以上の満足感が得られる料理」としてミシュランで8年連続、紹介されたのが「麺尊RAGE」です。
軍鶏と醤油にこだわった一杯は行列必至でしょう。
お子様メニューもあり家族連れで気楽に入ることができます。
【6】森JPタワー
最新の医療機器、業界の中でも高い専門性を備えた「慶應義塾大学予防医療センター」では、「パーソナル医療」を受けることができます。
「ヒルズ」シリーズ随一の延床面積です
麻布台ヒルズにまつわる数字や記録を見ると、森ビルにとって肝いり事業であることが実感できます。
総事業費は6400億円、六本木ヒルズの2倍以上にあたります。
商業施設のほか、都心で最大規模のインターナショナルスクールや高級ホテル、デジタルアートミュージアムなどを有し、東京の国際競争力向上にも寄与するでしょう。
「ヒルズ」シリーズ随一の延床面積に入る約150店舗の中には関東初出店の書店や、海外初出店のレストランなど「初」とつくものが11店舗あるのも注目です。
緑地が多いのも特徴で、約320種もの植物が高低差のある地形に植えられ、緑に包まれるような感覚です。
観光客が気軽に立ち寄れる無料の展望台あります。
「日本一」の雰囲気を上から、下から、味わいに行くのも一興です。
【ワンランク上のアート世界】
麻布台ヒルズは都市作りに「文化」を最重要要素として掲げています。
その一翼を担うのが、今年「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞した、アイスランド系デンマーク人のオラファー・エリアソンです。
彼は自然現象を切り口に、麻布台ヒルズ開業に合わせてパブリックアートを制作しました(2024年3月31日まで開館記念展を開催中)。
また、初の実店舗となった「集英社マンガアートヘリテージ」では、人気コミック『ONE PIECE』や、『ベルサイユのばら』のアートギャラリーが完成しました。
限定版の作品も販売されています。
約150の選び抜かれた商業店舗が集まった麻布台ヒルズです。
その内、約40店舗が初進出、新業態への挑戦となっています。
一例として、フランス料理の巨匠・三國清三氏がプロデュースした「Dining33」では、コースで提供するフランス料理の概念を覆し、同氏が初の試みとなる大皿料理に挑戦するといいます。
日本の食文化を昇華した新たなフランス料理に出合うことができます。
住居棟の中でも最も高額なのが日本一の高層ビルの54階から64階に入る「アマンレジデンス東京」です。
最上階の価格は約200億円、他の物件も平均で20億円はくだらないとのことですが、とても庶民にはてはだせませね。
約20億円までならローンを組めても、ペントハウスは現金一括でないと購入できません。
販売している森ビルは、資産家をまとめた顧客リストから順に声をかけているようです。
超富裕層をターゲットにした住居は全棟で約1400です。
庶民としては空室続きにならないかと余計な心配もしたくなるが、どうでしょうか。
インターナショナルスクールや最先端の医療が受けられる環境が整っています。
上質な商業施設もあるので、レジデンスの売れ行きが鈍ることはないでしょう。
【麻布台ヒルズレジデンスA】
14~53階まで計320戸です。
二層吹き抜けのリビングやプール付きの物件は「ゆとりと開放感」というテーマを体現しています。
1~13階にはラグジュアリーホテル「アマン」の世界初姉妹ホテル「ジャヌ東京」が入居しており、連携した世界トップレベルのサービスを受けることが可能です。
【麻布台ヒルズレジデンスB】
30平米台から400平米まで幅広い間取りの住居が6~64階まで計970戸取り揃えられています。
共用施設として、ラウンジ、ゲストルーム、シアタールーム、ジムなどが併設しています。
その他、共用部には森美術館が監修したアートが装飾を彩っています。
【アマンレジデンス東京】
54~64階までの91戸に専用エレベーターが直結しています。
54、56階にあるラウンジやバー、専属シェフが提供するプライベートダイニングやプールなどの施設を利用できます。
広さは平均的なワンルームマンションの約75戸分あります。
いかがでしたか、格差拡大を象徴させる建物です。
日本人で買える人はそんなにいないでしょう。
世界的に日本が貧乏になってしまったことなのです。