氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

月収15万円、48歳の独身男性、ご馳走はチキンラーメンの絶望

SNSなどで見られる、なんともおしゃれな食事をみて、お店選びや、献立の参考にする人も多いのではないでしょうか。
一方で、思わず寂しい気持ちになってしまう、食事風景の投稿もあります。
50歳手前の独身男性、非正規社員、衝撃の食事事情

――今日のご馳走
そう写真を投稿した、48歳、非正規社員だという独身男性です。
映っていたのは、片手鍋で作られたチキンラーメンです。
「夜、小腹でも減ったのか」と思えば、立派な夕食だといいます。
しかも、その日の食事はこのチキンラーメンと、健康を気にしてか野菜ジュースがプラスされていました。
具なしのインスタントラーメンと、野菜ジュースで200円ほどです。
「いつもは500円ほどは、食事代に使っているけど」と前置きしつつ、給料日前で所持金300円以下だから、今日は特別と寂しい夕食に対して精一杯の言い訳です。
新生銀行、2022年 会社員のお小遣い調査によると、会社員(正社員・契約社員派遣社員)、パート・アルバイトの男性のランチ代は623円、女性は656円です。
決して、多いとはいえる金額ではなく、「給料日前だから」とおにぎりや、菓子パン1個でランチを終わらせる光景は、珍しくありません。

ただ、「一日の食事代500円」というのは、少なすぎる印象でしょうか。
大学卒業時、就職活動に失敗し、以来、職を転々としているという男性は、いまは月収15万円程度で、軽作業の仕事をしているといいます。
発言には悲壮感はないものの、50歳を前に「これは一生、独身は確定だな」と本音をこぼしています。

もし大学卒業時、就職できたなら。
そう後悔する40代後半の人は多いものです。
有効求人倍率は1.0倍を割り込み、非正規社員として社会に出るしかなかった世代です。
その後、規制緩和の影響で“非正規”という働き方が、トレンドのように取り上げられました。
しかし、正社員になれなかった氷河期世代は、なんとか正社員になれた同期とはキャリアで大きな差がつき、リベンジは叶わず現在に至っています。
そのような40代は、世の中に溢れかえっています。
政府は、就職氷河期世代の救済に乗り出し、正社員化を後押しするも民間企業の本音は、キャリア豊かな即戦力がほしいのです。
そこで目を向けられたのが公務員ですが、そこも狭き門です。

たとえば、2021年に実施された国家公務員中途採用者選考試験(就職氷河期世代)の事務の倍率は、約23.9倍です。
区分や地域により倍率は大きく異なるものの、救われぬまま時は過ぎ、そろそろタイムリミット寸前です。
厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、大卒・男性・正社員(雇用期間の定めなし、平均年齢42.1歳)の平均月収は40.1万円です。
賞与も含めた年収は約600万程度です。

それに対して、大卒・男性・非正規社員(雇用期間定めなし、平均年齢51.3歳)の月収は26.3万円です。
年収は平均300万円です。
正社員と非正規社員、年収で2倍の差が生じています。
前出の男性と同様、40代後半で比較してみると、正社員は月収50.7万円かたや非正規社員だと24.3万円です。
ダブルスコア以上の給与格差が生じます。
さらにこの男性は、月収15万円だといいますから、平均値の6割程度という低賃金に甘んじています。
所得税と住民税を除いた手取り額は11~12万円ほどです。
節約生活を一生余儀なくされるでしょう。

大学卒業以来、非正規社員の6割という給与で65歳まで働き続けるとすると、生涯賃金は9,815万円と1億円に届きません。
男性正社員との差は、約8000万円ほどになります。

また、65歳から手にする厚生年金は単純計算、月4万1,000円程度です。
国民年金を満額もらえるとすると、厚生年金と合わせて月10万5,000円です。
現役を引退して年金だけで暮らしていくと宣言するには心許ない金額でしょう。
現在、厚生年金に加入できるのは70歳までです。
そこまで保険料を払い年金を増やそうとしたら、厚生年金は月4万6,000円程度と5,000円ほど増加します。
焼け石に水、といったレベルでしょうか。

ただ、年金支給年齢を繰り下げる、年金のくりさげ受給で、75歳まで年金の受取りを待ったとしたら、年金は65歳での支給額よりも84%アップします。
老齢基礎年金・老齢厚生年金それぞれについて増額され、その増額は生涯続きます。
そうなると、75歳で手にする年金額は月19.3万円です。
48歳時点の月収を大きく超えやりくりの仕方によっては、年金だけでも暮らすことができそうです。
不遇の世代といわれ卒業以来「良いことなんてなかったよ……」が口癖の就職氷河期世代です。

非正規社員としてでも、75歳まで年金を受け取らずに働いた先には、少しは報われる未来が待っている……それが幸せなことだと錯覚してしまうほど、現在の絶望感はかなりのものです。
ただ、繰り下げ受給したとしても、それまで健康で生きているかどうかです。
独身者が、これらの支給開始年齢に達する前に死亡した場合、何も受給できないため、年金保険料は払い損になるという、年金保険料の掛け捨て問題があります。
既婚者も独身者と同様に、本人は何も受給できませんが、その配偶者や子供などに対して、国民年金から「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」が支給される可能性があります。

厚生年金保険から「遺族厚生年金」「中高齢寡婦加算」が支給される可能性があるため、世帯単位でみると掛け捨て問題は、独身者より発生しにくいです。
国は、国民を死ぬまで働かせることで、年金財政枯渇問題を解決させる方向に、かじをきっています。

働くだけ働いて、年金ももらえず、死んでいくことは避けたいものです。
しかし、現役時代から食費を切り詰めて、チキンラーメンなどの添加物まみれの食品を食べていたら、長生きなんかできるわけないでしょう。

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