氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

就職氷河期世代支援、実際は年齢、職歴で落とされる現実

就職氷河期世代への支援はないよりもあったほうがよく、企業側の姿勢も改めて欲しいものです。

年齢、職歴といった当事者が今さら変えることができないものが採用の第一関門になってしまうのです。

自己責任だと言う人もいるかもしれませんが、家庭環境、健康問題などさまざまな事情で思うような進路を進んで来られなかった人は、氷河期世代に限らず大勢いるのではないでしょうか。

とりわけ男性にとって履歴書に空白期間があることは、女性以上につらいはずです。

 

 

女性は家事手伝いをしていたと判断されるケースも多いかもしれませんが、男性に対しての見方はシビアです。

非正規で職を転々としながらその日暮らしをしていると履歴書もどんどんとっ散らかっていきます。

しかし経歴や取得した資格に一貫性はなく、面接官から見れば、何をしたいのか方向性も脈略もない人、となってしまいます。

期間限定で氷河期世代の採用枠を広げるのではなく、企業は年齢や職歴にとらわれない採用を恒久的におこなって欲しいものです。

非正規シングルの女性が直面する厳しい現実 女性が置かれた状況も深刻です。

氷河期世代が10代、20代だった頃の非正規雇用比率は男性に比べてもずっと高く、2人に1人以上が非正規だった時期もあります。

学卒後就職先がない、初職が非正規雇用という若者は男女ともに存在しましたが、数年を経て、正規職に転換している比率は女性に比べ、男性のほうが圧倒的に高いのです。

一方の女性は非正規のまま働き、出産・子育てに際して退職。その後再就職する際も非正規のキャリアしかないため苦労する人も少なくありません。

シングルのまま非正規で働き続けてきた女性の状況はさらに厳しく、40代以上のシングル女性を対象とした調査(2022年12月わくわくシニアシングルズ実施)では、現在40代のシングル女性で働いている人(1271人)のうち、正規雇用で働いている人は51%にとどまり、非正規、フリーランスが48%でした。

3人に1人が年収200万未満、2人に1人が年収300万未満です。

「中高年シングル女性の生活状況実態調査」2022年版結果概要より
「中高年シングル女性の生活状況実態調査」2022年版結果概要より

 

ひとり暮らしをしている人が多く、家賃の支払いに苦労しているケースも多くみられました。

氷河期世代が老後を迎えるころ、未婚または配偶者と離別した女性の約半数(290万人)が生活保護レベル以下の生活を余儀なくされるという試算もありますが、このデータが真実味を帯びるような結果と言えます。

この世代の男女はともに今も厳しい状況に置かれている人が少なくないことがわかります。

就職活動をした時期が悪かったため、大きな不利を背負っていることは事実です。

しかしそれを「たまたま運が悪かった」で終わらせるべきではありません。

背景には新卒一括採用の問題があります。

企業は新卒学生を中心に採用活動を行い、レールに乗った人たちは年功序列のもとキャリアを積み重ねていくのです。

一方、最初からレールに乗れなかった/乗らなかった人や途中で降りた人は再びレールに戻ることはできません。

それでもこの”失われた”と言われる20年の間に良い意味でも悪い意味でも雇用の常識とされて来たものが崩れていきました。

正規雇用比率の増加、正社員の雇用条件の悪化などがあった一方で、女性活躍が進み、出産、育児により退職する女性の数は減少しています。

年功序列は、新卒一括採用とセットで機能してきたが、コロナ禍を経た現在、これを廃止しようとする動きも見られます。

 

 

先ごろ、みずほフィナンシャルグループは年功式の賃金体系を廃止し、個人の能力が反映された人事制度を導入すると発表しました。

他企業でもジョブ型雇用の導入により年齢ではなく職務内容や能力に応じた成果主義賃金体系を取り入れる企業も多く出てきています。

中年層になっている氷河期世代に取っては、ここまで苦労しながら働いてきてようやく年功制の恩恵に預かれると思った矢先、またも泡を食ったと感じる人もいるかもしれません。

氷河期世代はほぼ全員が40代を迎え、50代半ばに差し掛かる人たちもいます。

もはや定年退職を視野に入れる年齢であり、就職に特化した支援だけでは立ち行かないのです。

無業や不安定雇用期間が長かった人は将来受給できる年金額も低いため、貧困対策も必要になってくるでしょう。

自身の老後、親の介護といった現実ものしかかります。

最初は就労のみの問題だったが数十年を経た今、問題は派生していき、生活や貧困、介護、孤立など、複合的な問題を抱える状況になってきています。

ひきこもり状態にある人は働かなければならないというプレッシャーに押しつぶされています。

就職したことがない、非正規でしか働いた経験がないなど後ろめたさや自信のなさも相談窓口を一層遠いものにしてしまうのです。

まずは失った自己肯定感を取り戻し、『生きていこう』と思えるようになるための安心できる居場所を全国につくることが重要です。

正社員化への実績は3万人でしかなく、残り2年となった政府による氷河期支援プログラムです。

あと2年で氷河期対象の公務員試験なども終了され、対象者が定年になる60歳に近づいていることもあり、今後は普通の就職支援となり、困窮者には生活保護受給申請になっていくでしょうか。

正社員30万人増という数値目標も必要ですが、より幅広い観点に立ち、困難を抱える一人ひとりに寄り添った支援もまた重要であるでしょう。

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