氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

東京都区部から漂い始めた新築マンション価格暴落の気配

この数年、上がり続けてきた新築マンション価格に変化の兆しがみられるようになってきました。

不動産経済研究所によると、2022年度上半期の首都圏の新築マンション平均価格は6333万円で、前年同期の6702万円に対して5.5%のダウンしています。

これは新築マンション下落の兆しなのか、それともあくまでも一時的な傾向に過ぎないのかです。

このところ新築マンション価格が上がり続けてきました。首都圏でみると、2012年には平均4540万円だったのが、2021年は6260万円となり、この間に37.9%も上がりました。

近畿圏も同様で、2012年には3438万円だったが、2021年は4562万円と上昇率は32.7%に達しています。首都圏よりは若干低い上昇率とはいえ、特に直近の1、2年の上昇率が高くなっているのが目立ちます。

 

 

この1年ほどは物価の高騰が強まっていますが、それまでは賃金、物価が上がらないなかで、マンションだけが突出した上昇を続けており、マイホームの買いにくさが年々強まっていたのは間違いありません。

しまし、市場経済においては、需給のバランスによって価格が決定されるため、価格高騰によって需要が追いつかなくなってくれば、価格に影響が出てきてもおかしくないです。

むしろ市場メカニズムを考えれば、変化が起きて当然です。

実際、その兆しが見られるようになってきました。

不動産経済研究所が発表した2022年度上半期(2022年4月~9月)の首都圏の新築マンション平均価格は、6333万円で、2021年度上半期平均の6702万円に対して前年同期比5.5%のダウンとなっています。

新規発売戸数も2021年度上半期の1万2809戸から、2022年度上半期は1万2271戸に減少しています。

地価や建築費の高騰などによって適正価格での供給が難しくなっているため、新規発売戸数で先細りの傾向が強まっていることを反映した結果です。

そのなかで、何とか消費者の購入可能な価格帯での物件供給に力を入れようとする分譲会社も増えてきたため、価格の低下が始まったのです。

ただ、その際に注意しておきたいのは、価格を抑えるために専有面積が狭くなっていないか、各種の仕様・設備のグレードがダウンしていないかといった点です。

単に価格にとらわれるだけではなく、物件の内容と合わせて総合的に判断する視点が重要になってくる価格低下の傾向がはっきりしているのが、東京都区部です。

不動産経済研究所の調査によると、2022年度上半期の東京都区部の新規発売戸数は5186戸で、前年同期比比11.8%の減少。平均価格は7768万円で、前年同期比10.6%の低下でした。

東京都区部の平均価格は首都圏のなかでも格別の高価格帯で推移しているものの、2022年度上半期は急速に価格が下落しています。

 

 

一方、価格が上がり続けているエリアの代表格が埼玉県です。2022年度上半期の新規発売戸数は前年同期比で47.5%の増加。平均価格は5640万円で、前年同期比14.6%のアップとなっています。

東京都区部や東京都下が値下がりしているだけに、その上昇ぶりが際立っています。

注目しておきたいのが、首都圏のなかでのエリア別における価格の上下関係に変化が起きつつある点です。

2022年度上半期には、埼玉県が5640万円で、神奈川県の5476万円を上回ったのです。

首都圏では長い間、東京都区部が最も高く、それに東京都下と神奈川県が続き、埼玉県と千葉県は少し低い水準というのが常識だったが、それが変化しつつあります。

神奈川県の新築マンションは、横浜市の人気が高いうえに、川崎市も武蔵小杉が超高層マンションのメッカとなり高い人気を誇ってきました。

そのため、埼玉県や千葉県より高い価格が続いてきました。

そんななか、各種の住みたい街ランキングで、大宮や浦和がベスト10に入るほど人気が高まり、埼玉県ではそれに合わせて高額の物件が供給されるようになってきました。

東京都に隣接する川口市和光市などでも高額物件が販売され、少し離れたエリアでも、高額の超高層マンションが販売されるようになっています。

たとえば、「大宮スカイ&スクエア ザ・タワー」、「シティタワー所沢クラッシィ」のように、上層階のプレミアム住戸では1億円を超える物件が販売され、それが順調に売れています。

埼玉県の住宅地としての人気の高まりと同時に、都心やその周辺に比べれば比較的リーズナブルな価格帯で広めのマンションが手に入るなどのメリットがあるため、価格上昇傾向でも売れています。

つまり、新築マンションの価格下落といっても、全国一律、首都圏一律にその現象が起こっているわけではなく、いまのところ高くなりすぎた首都圏のなかでも、最も価格の高い東京都区部を中心に発生している現象です。

その余波を受けて周辺の東京都下、神奈川県の一部でも価格の低下が起こっているに過ぎないという見方もできます。

それが、さらに埼玉県や千葉県などの周辺にも及び、近畿圏や地方にまで広がっていくまでには、まだ時間がかかりそうです。

事実、首都圏でも中古マンションに目を向ければ依然として上昇基調に変化がありません。

東日本不動産流通機構によると、首都圏中古マンションの成約価格は2022年7月~9月期は4355万円で、2012年10月~12月から10年間連続して上昇が続いています。

しかも2022年7月~9月は前年同期比11.7%と二桁台の高い上昇率となっています。

 

 

エリア別でも、新築マンションでは下落が始まっている東京都区部においても、成約平方メートル単価レベルでは、前年同期比10.3%という高い上昇率が続いています。

首都圏以外に目を向けると、近畿圏の2022年度上半期の新築マンション平均価格は4567万円で、2021年上半期の4538万円を0.6%ながら、わずかに上回っています。

ただ、この程度の上昇率であれば、実質的には横ばいです。

つまり、新築マンションにおいては首都圏平均で下落が始まり、近畿圏では上昇から横ばいに転じ、やがて近畿圏でも下落に転じる可能性が高いという見方ができます。

価格の変化が起こるときには、首都圏の都心部から始まり、それが都心の周辺に広がり、やがて三大都市圏の中心部に拡大し、全国に広がるという定石があります。

今回もそれが当てはまるとすれば、東京都区部の下落が、やがて都心の周辺や近畿圏の中心部に及んでいくという流れが発生するのかもしれません。

マンションの売り買いにおいては価格の動きに敏感になっておく必要があります。

仮に下がり始めると、想像以上のピッチで下落する可能性もあります。このところ年率二桁台前後のペースで上がってきたことを考えると、反動でやはり二桁台の暴落もあり得ない話ではありません。いよいよ見極めが大切になってきそうです。

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