氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

NISA恒久化の代償として金融所得課税強化になるかも

金融庁少額投資非課税制度(NISA)の恒久化と投資枠の上限額の引き上げを提言したようです。投資家にとっては朗報です。

しかし、参議院選挙が与党勝利で終わったため、これから増税の季節に突入するとの見方もあります。

その際に、金融関連で話題を呼びそうなのが、金融所得課税です。  

一般の所得税累進課税なので、所得が高い人は税率が高いのです。

所得税最高税率は45%です。地方税も課されることを考えると、高額所得者は所得の半分を税金として徴収されていることになります。  

しかし、株の配当や譲渡益といった金融所得については、20%の税率です。

そのため、株の配当や譲渡益で何億円も稼いでいる人が、数千万円の給料をもらっている人よりも税率が低い、ということが起こり得ます。  

こうした状況を改善するために、金融所得に対する課税を強化しようといった提言がされてもおかしくありません。

何もしない岸田内閣の化けの皮がはがれて、支持率も統一教会がらみで急落していることから、何か目玉の政策をしないとやばい状況になっています。世論の不満を投資家に向けさせ、格差の是正の方向に持っていくかもしれません。

財源もコロナでバラマキまくってますから、増税したがっている財務省はやる気満々です。

 

 

具体的には、金融所得も給与所得などと合算して同じ税率で課税しよう、といったことになります。  

問題は、それが「貯蓄から投資へ」「貯蓄から資産形成へ」という政府の呼びかけに相反するように聞こえることです。

庶民の投資はNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった投資優遇税制によって守られているため、金融所得課税が強化されたとしても影響がないはずです。  

つみたてNISAだけでも1人800万円、夫婦で1600万円の株式投資が非課税で行えます。

総資産の3割を株で持つとすれば、総資産が5000万円あっても余裕ということになります。

加えて、iDeCoの枠もあるわけで、それでも非課税枠が足りないほどの資産家は、「庶民」とは呼びにくく「上級庶民」ということになるでしょう。  

そうはいっても、もし金融所得課税が強化されれば、世の中には「株式投資の税金が高くなったらしいから、やっぱり投資はやめておこう」と考える人たちが増えてしまう恐れがあります。

NISAの非課税枠を1億円くらいまで拡大すればよいと思います。1億円の株式投資をしても、税金が一切かからない、ということを周知徹底すれば、庶民も「上級庶民」も安心して投資ができるようになるからです。  

 

 

金融資産を数億円も持っている人は投資をためらうようになることも考えられますが、そういう人にはしっかり税金を払ってもらってもよいのではないでしょうか。

富裕層の中には、節税対策として資産管理会社に株を移している人も多いでしょうから、影響は小さいのかもしれません。 

NISAなどは、上場株への投資を念頭においた非課税制度ですので、NISAなどの枠が大胆に拡大されたとしても、起業家が株式を公開する際には非課税制度が適用されないと思われれます。

そうなると、「起業して会社を大きくして上場して大金持ちになる」という夢を見る人に高い税率が課せられることになります。

そのため、起業のインセンティブをそがれることにもなりかねません。  

もっとも、起業によって巨額の利益を得ようと夢見ている人は、もうけの半分が税金だと言われても、ひるまないでしょう。もうけの8割が税金だと言われればひるむかもしれません。  

ちなみに、起業する際に多くの人が夢見るのは、将来的に会社を上場して自分の持っている株を高く売って大もうけする、ということです。

株式を上場せずに毎年の利益を楽しむというのもすてきですが、上場すると毎年の利益の何十倍という金額が一度に得られる可能性も高いからです。

上場して株式を譲渡すると、将来得られるであろう利益の合計額で株式を譲渡できるというのが基本です。

 

 

株を買うという行為は、今後数十年にわたって企業が稼ぐ利益を受け取る権利を取得するということだからです。

しかし、それ以外にも上場のメリットは多数あります。

まず、株式の流動性が高まることです。非上場の株式を購入すると、売りたいときに買い手を探すのが一苦労ですが、上場株であれば買い手を探すのは容易です。

いつでも売れる株を持ちたいと思うのは投資家として当然なので、非上場の株よりも上場株のほうが、値段が高くなります。  

上場すると投資家が注目し、メディアに取り上げられる機会も増えるので、知名度が高まります。

上場しているということは、証券取引所にお墨付きをもらっているということです。

このため信用力も高まり、「就職したい」と考える優秀な学生が増えることが期待できます。  

上場企業は情報公開を求められますし、問題があればすぐに報道されてしまいます。しかし、これは悪いこととは言い切れません。

上場企業に問題があればすぐに報道されるのに、この会社は報道されていません。この会社には問題がないのだろうと思ってもらえるからです。  

このように、上場には多くのメリットがあるので、起業家が上場して得た利益の半分を税金で徴収されるようになったとしても、起業家のインセンティブは大きくはそがれないと期待できます。

 

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