例外的にタダでもらうモノもありますが、ほとんどのモノはお金を出して買ったものです。
家の中にたくさんモノがあるということは、それだけお金と交換し、家からお金が出て行き、貯まることはありません。お金が貯まらないということは、投資に振り向ける原資も無くなるということですから資産を増やすきっかけも潰すことになります。
手持ちのモノが少なければ、自分が何を持っているのか、家に何があるのか把握するのが簡単になります。その結果、ダブリ買いや余計な買い物がなくなります。
例えば、冷蔵庫などに食品がぎっしり詰まっていると、買っていた食品を把握するのが難しくなります。見つかった時には消費期限切れで食べられなくなることもあります。
買った食品が奥に紛れ込んでしまい忘れてしまって、同じような食品をまた買ったりします。
一方、手持ちの食品が全部見渡せるくらいの数しか持たない人は、今日食べるものがすぐに見つかり、調理することができるので、次から次へと新しい食品を買うことがありません。
貯めている人が最初からモノが少なかったというわけではなく、もともとはモノが多かったのが、処分して減らしたという人も少なくありません。
モノを処分する=捨てる作業というのは、時間や労力だけではなく、メンタル的にも疲れる作業です。
特にモノが捨てられない人にとっては、面倒な作業です。モノの手離れがいい人でも、高いお金を出して買っているともったいない気持ちになります。
さらに、捨てるというのは、より価値が高いものを見出すという行為であるともいえます。
それ以外でも、数多くの情報、職業、人脈、時間の使い方の中で、自分にとって何がもっとも価値があるのかどうか見極める必要があります。
自分が大切にしたい価値観、考え方、良識、道徳観は何かを常に考えておく必要があります。
そういった選択が自分の人生を形成しています。今の自分の状況は、これまで何を捨て、何を選んできたかの積み重ねです。
つまり、今後自分が「何を捨てるか」によって、自らの未来が決まっていくといえます。
こうして心の痛みを経験することで、次にモノを買うときには慎重になります。
・本当に欲しいか
・今の自分にとって必要か
・同じようなものをもっていないか
・これを使っているシーンをイメージできるか
・長く使うことができるか
などを自問するように。「欲しい」「安い」という理由でものを選択することが減るので、すぐに飽きたり、使えなくなったりするムダなモノにお金を使うことがなくなります。
衝動買いで買うときは、「モノを買う」ことは簡単なことです。
しかし、1つのモノを買うとき、いろいろ考えるとなると、買い物自体が面倒なことになることもあります。
ストレス発散どころか、思考力を必要とする作業になるということです。 実際、貯めている人はスーパーに行く回数をできるだけ少なくする工夫をしています。
モノが少ないと片づけが簡単になります。多くのモノを片づけるより少ないモノを片づける方が時間も手間もかかりません。
家の中が片づくと、家の居心地がよくなります。家で過ごす時間が快適になれば、用もないのにフラっと外出することがなくなります。
お金を使う機会の大半は外出先にあります。家から一歩出た瞬間から、お金を使う誘惑がいっぱいです。
ムダなお金を使わないようにするには、用もないのに家から出ないことが一番です。実際、貯めている人の大半は、家ごはん、家飲みのインドア派です。
貯蓄を増やすには、とりあえずお金のことは置いておき、片づけから始めたほうがよいと思います。
家の中が片づくとムダな支出が減って、浮いたお金を貯蓄に回すことができます。
その結果、気がついたら家の中がスッキリして、おまけに貯金残高も増えていたということもあるはずです。