氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

保険に入ることを好む日本人

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日本人の家計は預金が多いことは有名です。注目すべきは保険の比率が約30%と、保険にだけは投資していることです。

実際、保険加入率の国際比較のデータでは日本は90%を超え、世界でもトップクラスの保険好きと言えます。

保険が好きな理由は、日本人の「一億総中流階級」という意識があるのは間違いありません。しかし残念ながら日本は一億総貧困社会に突き進んでいます。

そもそも生命保険は、中間所得層向けの金融商品と言えます。富裕層はお金を持っているため保険を必要としません。逆に低所得者層は、保険料を負担する経済的余裕がないので、保険に入れません。

かつて日本に多かった中間所得層が唯一保険の引き受け手になっていたのです。あくまで昭和の右肩上がりの経済だった時代だからこそ保険に入った人も多いと思います。

既に現在において中間層というものは存在せず、上がらない給料の中でで保険金を掛けていることがますます家計を圧迫していることに気づいていないのです。

保険に入った方の中には、周りの人たちが次々と保険に入る様子を見ながら、一人前の大人に見られるために何となく自分も保険に入らなければ、と考えて保険に加入した経験のある方も多いと思います。これも日本人特有の同調圧力に屈したとも言えます。

働いていた時、保険外交員が昼休みになると職場に乗り込んできて、営業している光景は何度も見ました。特に新人が狙われ、話もよく聞かず、周りが入っているからと洗脳され契約している人も多かったと思います。

何も知らず契約している若手を見て、保険に入るくらいなら株式投資でもしたほうがいいよと言いたかったです。

契約したらもう逃げられませんので、上から目線で態度が豹変する保険外交員もいました。その光景は第三者から見ても嫌な気分にさせますね。

 

 

そこには何のために保険に入るのか、保険がそもそも必要なのかという根本的な発想が抜け落ちています。

私は過去に3か月入院した経験もあり、高額医療制度も使える現行の3割負担の健康保険で十分だと思っていますので、なぜそれ以外の保険を払っている人たちには理解できません。

また保険が好きな理由として、自身に金融リテラシーがなく、資産形成に関心がないため、多すぎる保険会社の数とその販売員の数を維持するための顧客無視、自己都合な「保険は入るもの」という販売戦略の餌食になっていることです。

そもそも保険には次の二つの機能があります。

・保障機能…保険本来の機能です。死亡など万が一のことが起きたときに保険金を支払います。

・資産運用機能…保険料をマーケットで運用し、配当金や保険金として支払います。

生命保険会社は機関投資家としての側面をもっています。確かに保険の保障機能は重要です。

問題は、資産運用機能のほうです。

貯蓄性保険という資産運用と保障をあわせもった商品に投資している人も多いのですが、日本で販売されている貯蓄性保険の資産運用面のパフォーマンスは海外の商品と比べても歴然と見劣りします。

 

 

また、貯蓄性保険は資産運用としては原則元本保証の円建て資産なので、貯蓄性保険と預金に投資が集中している場合は為替リスクやインフレリスクが大きいことを理解すべきです。

いずれにしても日本人は必要以上の生命保険に入りすぎています。保険もれっきとした投資の一つです。

よって不要な保険に入るということは、それだけ他の資産形成を圧迫しているのです。 諸外国ではすでに「保険はそもそも必要なのか?」という発想が潮流となっています。

日本には残念ながら必要がなければ保険はできるだけ入らないという当たり前の発想すら出てきていません。

保険に対しては投資しすぎといえるほど投資し、リスクとリターンのバランスを考えるポートフォリオの理解や知識に欠けていました。

その結果、深く考えずに元本保証のある預金と保険にのみ投資するという資産形成をいきなり実践してしまったのです。

 

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