氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

株式投資における心理的リスク分析

投資を行う上でリスクを伴う状況下での判断分析として

プロスペクト理論

正常性バイアス

・アンカリング

というものがあります。

自分が投資で損失を被った時に投資価値評価を客観視する上で非常に重要な心理的リスクです。

プロスペクト理論

 

 

人は「得をするよりも、損をしたくない思いの方が強い」という行動経済学の理論です。不確実性下の意思決定において人間の心理がどのように働くのかについて論じられています。

「損したくない」という気持ちは、「一度所持したものを失いたくない」という感情も生み出します。

この理論を投資に当てはめてみると、儲けたときの満足感と、損をしたときの不快感を比較した場合、同じ金額であっても、儲けたときの喜びよりも損をしたときの不快感のほうが大きく感じられるということになります。

利益を得たい心理が働く一方で、損失を招くリスクを避ける心理が働き、それがかえって大きなリスクを背負うことにつながります。

具体的には、株価が下落したときに、反発する客観的な根拠もないのに、損失が確定してしまうことへの抵抗感からその株を塩漬けにする ほんの少し株価が上がっただけで、下落による利益の目減りを恐れすぐに利食いしてしまう といった場合がこれに該当します。

 

 

正常性バイアス

物事を正しく見ることを邪魔する認知のゆがみ(バイアス)の一種です。 災害心理学などで使用される用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする特性を指します。

災害時にこれが働くと、危険な状況であるにもかかわらず、都合の悪い情報を無視して「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと危険性を正確に認識できず、逃げ遅れてしまうことになります。

これを株式投資に当てはめると、明らかに損切りをする局面で、正常性バイアスが働くと「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」と保有し続け、その結果、損切りのタイミングを失うことになります。

正常性バイアスに似たもので、自信過剰バイアスというものもあり、実際以上に自分が周囲の情報を把握していると考え、また自分の能力に過剰な自信を持つ傾向を指します。

この心理に陥っている投資家は多く、投資で収益を上げたときの成功体験から「他の人に見えない相場の動きが自分には見える」と信じています。

必要以上の自信過剰は命取りになるということです。 成功体験だけに意識を向けるのではなく、長期での自らの投資成果の一つ一つを振り返り自分を冷静に見つめ直すことが大切です。

 

 

アンカリング

判断の際、自分の知っている物事や数字にこだわってしまう傾向のことです。ちなみに「アンカー」とは、船の漂流を防止する「いかり」を意味します。

株式投資においては過去の高値を意識し過ぎることで、さらに値上がりをすると思ってしまう「高値覚え」はアンカリングが作用していると言えます。

投資の際には、最初に経験した売買がハイリスクだった場合、その後の売買のリスクが相対的に低く見えてしまって、リスクを正しく判断できない場合などがその例です。

株式投資においては過去の高値を意識しすぎるあまり、さらに値上がりをすると思ってしまう「高値覚え」や、さらに値下がりをすると思ってしまう「安値覚え」なども、アンカリングが作用した結果だと言えます。

投資はテクニカルやファンダメンタルズを読み解く、個々の技量ももちろん大切ですが、どんな相場でも毅然と立ち向かえるメンタル・思考を持ち続けることも同じくらい大切です。

 

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