氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「いきなりステーキ」の失速

開店10周年を迎えたステーキ店「いきなりステーキ」の失速が止まりません。 ペッパーフードサービスが運営するいきなりステーキは、前菜を挟まずにそのままステーキを提供し立ち食いする、というコンセプトが売りのステーキチェーンです。

食べたい肉の種類やグラム数、焼き加減を選択できる「オーダーカット」も特徴で、目の前でシェフが焼き上げてくれるスタイルです。

グラム数あたりの金額がリーズナブルなことから、コストパフォーマンスに優れたステーキ店として一躍脚光を浴びました。

2013年12月に銀座でオープンした1号店を皮切りに、急速なチェーン展開を進め、2018年11月には47都道府県すべてに出店を果たしました。

最盛期には約500店舗も構えており、栄華を極めたいきなりステーキだったが、次第に増えすぎた店舗が飽和状態へと陥り、業績悪化が目立つようになりました。

2020年12月期のペッパーフードサービスの決算では、売上高が前年比でマイナス53.5%という苦しい結果に終わっており、現在に至るまで減収、減益を重ねています。

不採算店の整理のため閉店が相次ぎ、2023年10月現在では188店舗と大きく数を減らすという憂き目に遭っているのです。

2022年8月には、業績悪化の責任をとって、店舗外観ポスターの顔でもあった一瀬邦夫社長が辞任。後任には息子の一瀬健作氏が就任し、再建に向けて奮闘するものの、2023年12月期も赤字予想で黒字の見通しは立っていません。

一度は世間を席巻したいきなりステーキはどこで道を間違えたのでしょうか。

今のいきなりステーキにはお得感がまったく感じられません。

前提として、今のメニューは“安い”とは言いがたい価格帯となっています。たとえば看板メニュー『ワイルドステーキ』は200gで1590円(税込、以下同)となっており、平日ランチ時にはライス、サラダ、スープ付で1740円と、一般的なステーキ店と比べても遜色ない価格です。

厚切ステーキを食べようとして、1500円を軽く超えてしまう。普通のステーキ店なら以前からあり得る話の金額ですが、いきなりステーキのコンセプトを踏まえると、どうしても割高感が否めません。

いきなりステーキは、昨年より原材料費の高騰に伴って、一部商品の価格改定を行い、ワイルドステーキ200gは1390円から1590円に値上げされています。 また、競合するチェーン店のサーロインステーキ200gの価格と比較してみると、いきなりステーキの2200円に対し、「ステーキガスト」は2419円、「ビッグボーイ」は2090円となっており、いきなりステーキの価格は決して安くないことがわかります。

もちろんほかの部位によって価格は異なるでしょうし、チェーンによって提供する、しない部位は異なってくるので一概には比較できませんが、全体的な価格感としては、重盛氏の言うようにいきなりステーキがお得とは言いがたいのです。

いきなりステーキでは、来店回数ではなく、食べた肉の量でゴールド、プラチナ、ダイヤモンドと会員ランクが上がる「肉マイレージ」というシステムを実施しています。

ゴールド会員以上は誕生日月になるとステーキをプレゼントされたり、プラチナ会員以上は1回の会計でアルコールなどの飲料が1杯無料になったりするなど特典が付いていました。

会員数1500万人を抱える人気サービスでしたが、2021年1月からは来店回数に応じてランクアップするシステムへと変更。そのうえ、来店頻度が少ないとランクダウンする仕組みとなりました。

この変更はかなりのユーザーから不評を買いました。

ランクアップのために何十万円という金額を投資したユーザーもいましたし、常連客離れが懸念されるように。さらにはコロナ禍も拍車をかけ、客数が急減してしまったため、2023年1月からはほぼ初期の肉マイレージのシステムに戻しました。

しかし、一度離れてしまった顧客を再び呼び戻すことは難しく、魅力は下がり続けている一方だと私は考えています」  いきなりステーキの熱烈ファンほど、肉マイレージのシステム変更は“改悪”だったと感じていた可能性は高そうです。

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