人生に差がつくとしたら、それは「不遇な時期をどう過ごすか」だと考えています。
好調なときは謙虚、感謝を忘れず、あとは流れに乗るだけです。
もともと人間は流れに乗るのは得意ですし、流れがいいときは自律神経の状態もいいのでいろいろうまくいくでしょう。
流れが悪く、不遇な時期をどう過ごすか。むしろこちらが重要です。
人生はプラスマイナスゼロなので、いずれいい流れがやってきます。ポイントは、そのときに「流れに乗る準備ができているか」です。
流れが悪いとき、それはネクスト・バッターズ・サークルにいるようなもの。打席が回ってくるそのときに備えて、体調を整え、さまざまな準備をしておく時間です。
具体的には、今のスキルを高めることに注力してもいいでしょうし、新しいテーマや課題を見つけてチャレンジする期間にあててもいいでしょう。
新しいコミュニティに積極的に入り、新たな人間関係を築くこともあるでしょう。 流れが悪いとき、愚痴ばかりいっていたり、腐って何もしていない人は打席が回ってきたときにいいパフォーマンスをすることができません。
「結果は誰も奪うことはできない」 ここでいう結果とは、誰かの評価を受けることではなく、自分で地道に研究した結果であったり、コツコツと積み上げ、身につけた力のことです。
どんなに素晴らしい研究をしても、どんなに実力を身につけても、それを発揮できるタイミングがすぐに訪れるとは限りません。
しかし、結果は誰にも奪われることはありません。自分に流れが向いてきたとき、それがモノをいうわけです。
ネクスト・バッターズ・サークルで準備しているとき、大事なのは「自分は今ネクスト・バッターズ・サークルにいる」と認識することです。
当たり前といえば当たり前ですが、この意識を持っていないと「がんばっているのに報われない」「努力しているのに全然評価されない」との思いに苛まれます。 たしかにあなたはがんばっています。努力もしています。
しかし、今はネクスト・バッターズ・サークルにいるのですから、スポットライトが当たらないのは当然。 誰からも評価されないどころか、気づかれないのも自然なことです。
野球の試合でネクスト・バッターズ・サークルの人が活躍し、評価される場面などまずありません。その状況を正しく理解すること。これは大切です。
そもそも準備の段階は、できるだけ人に気づかれないほうがいいと考えます。
流れが悪いときはややこしい災厄が降りかかってくる危険性に満ちています。個人的にがんばっているのに、誰かがやっかんできたり、足を引っ張ってくることもあるかもしれません。
求めてもいないのにアドバイスをしてくる人もいます。相手は「よかれと思ってアドバイスをしているつもり」なのでさらに対処に困ります。 だからこそ、流れが悪いときほどこっそり、ひっそりと準備する。これに尽きます。
当然、誰も気づいてくれませんし、評価も承認もしてくれません。 でも、それでいいのです。 イメージは赤穂浪士の大石内蔵助。主君の仇をとるため、吉良上野介を討ち取る物語(忠臣蔵)の中心人物です。
綿密かつ入念な準備を進めているのに、あまりに隠れて進めているため、周囲からは「あいつはダメだ」「武士の心を忘れてしまった」と口々に悪口をいわれます。 極論ですが、目指すのはそんな状況です。
あなたが本当に活躍するのは「流れが来たとき」です。今ではありません。