氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「聞く力」から「増税メガネ」に変わってしまった理由

プライマリー・バランスの黒字化、つまり、財務省が念仏のように唱えている「財政健全化」です。

 財務省がそこにこだわり続けてきたことが、日本経済が低迷から抜け出せなかった大きな要因となっています。  

あまり前面に出すのはマズいと、さすがに財務省も気付いたのかもしれません。そこにこだわると、岸田政権は確実に潰れます。すでに「増税メガネ」と言われていますしね。  

そこで直接的な言葉は避けて、せこい書き方で誤魔化すところで財務省も妥協したのだと思います。  

経済を低迷させているプライマリー・バランスの黒字化にこだわっていては、岸田さんは選挙に負けます。財務省としても、岸田さんをバックアップしているつもりかもしれません。

直接的な表現は引っ込めても、明記されている過去の骨太の方針に〈基づき〉なわけですから、依然としてプライマリー・バランスの黒字化が財務省の大方針であることに変わりはありません。  

2024年度の予算編成で主計局が各省庁と折衝するときに、「プライマリー・バランスの黒字化を明記した過去の骨太方針に基づくことになっているので、予算は増やせません」と各省庁に言えるわけです。  

プライマリー・バランスの黒字化を金科玉条にして、これまで通り財務省は予算要求をカットできます。大幅な財政出動とはならないので、経済の低迷も続くことになります。

骨太の方針でせこい書き方をしているのは、岸田さんが早い時期に解散・総選挙に出ると踏んでいるからではないでしょうか。  

プライマリー・バランスの黒字化を引っ込めて政府が財政拡大に踏み切るという期待が出てくれば、選挙で岸田さんは有利になります。  

しかし、ズルズルと選挙を先延ばしにして、予算編成で財務省の姿勢はまったく変わっていないことがわかってしまうと、景気が上向く期待感がしぼみますから、逆に不利になります。

岸田さんとしては、早く解散を決断しないと政権を終わらせることになりかねない。

プライマリー・バランスの黒字化目標を目立たないようにした財務省の小細工も、岸田さんを助けることはできなかったことになってしまうことになります。  

それでも、安倍さんのような強力な積極財政派のリーダーが政権の座に就かない限り、安心ということなのでしょう。

岸田さんは広島G7サミットを成功させたうえで国会会期末に衆議院を解散し、7月に衆院選挙を実施する考えだったようです。  

にもかかわらず、マイナンバーカードのトラブルが相次いだうえ、LGBT理解増進法案を強行に成立させたことにより、支持率が急落し、解散を見送ってしまった。  

首相が自ら解散風を吹かせて、自ら先送りすれば求心力を一気に失います。  

古くは海部俊樹さんがそうでした。麻生太郎さんも就任直後に解散しようとしましたが、リーマンショックにより先送りし、結局、民主党に政権を奪われました。  

岸田さんは2024年秋の自民党総裁選までに衆院選に勝利し、国民の信任を得なければ、総裁再選が危ぶまれます。7月衆院選を見送ったのは大失敗だったと思います。  

岸田さんの首相秘書官を務めていた長男が、2022年末に官邸で悪ふざけをしていたのがバレたり、木原誠二官房副長官(当時)のスキャンダルが騒がれたりで、選挙を戦うには不利だと判断したのかもしれません。  

しかし、株価も3万円を超えているし、景気は追い風です。そうしたなかで国民に信を問うための選挙をやらないのは愚かしいと思いました。  

下がり続ける内閣支持率を気にしていたのかもしれません。  

スキャンダルになった木原誠二さんも、財務省出身ですよね。スキャンダルが出たときに、すぐに切ればよかったはずなのだけれど……。  

週刊文春』が報じた愛人の問題は、その前に『週刊新潮』が報じています。両誌で愛人とされる人物は同じです。スキャンダルが繰り返し表に出ているにもかかわらず、岸田さんは何もできない。  

岸田さんに知恵をつけているのは、木原さんだといわれています。彼が岸田さんに知恵をつけるから、話がややこしくなる。  

彼は自民党内で嫌われていますから、自民党と官邸のパイプ役を果たせていない。だから政府と自民党の動きがチグハグになってしまうのです。

LGBT理解増進法案にしても、最終的に自公案に国民民主党日本維新の会が乗ってくれると岸田さんは思い込んでいました。木原さんがそう伝えていたからです。  

ところが国民民主党日本維新の会が応じるはずはありません。  

最終的に政調会長萩生田光一さんが、日本維新の会代表の馬場伸幸さんに頭を下げ、自公が維新案を丸吞みする形で決着しましたが、これも政府と自民党のパイプ役である木原誠二さんのチョンボだと言っていい。  

2023年の伊勢神宮参拝後に岸田さんが唐突にぶち上げた「異次元の少子化対策」も木原誠二さんの入れ知恵のようですが、これも増税への布石でしょう。  

財務省は常に増税を政権課題にしたいみたいですね。

岸田さんは9月13日の内閣改造で木原さんを官房副長官のポストから外しましたが、自民党は22日の党役員人事で幹事長代理兼政調会長特別補佐としました。

岸田さんはやはり木原さんを頼りにしているのでしょう。木原さんは党長老の実力者、二階俊博さんの受けもよいですから。  

ポスト岸田の候補と目される茂木敏充幹事長や萩生田光一政調会長の監視役もこなせる器用さもありそうです。  

でも、問題は、財務省が気脈を通じている木原さんを介して、岸田内閣と与党を増税に導くことです。  

政府の要職者のスキャンダルはまずい。しかし、党の黒子役なら世論の風当たりは弱くなりますから、財務省としても使い勝手がよくなるのです。

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