氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

親ガチャの真実…身長・体重は9割、知能・学業成績も5、6割は遺伝という衝撃!

日々生きている中で、どこに出かけ、どんな食事をし、誰と会うのかを自分の自由意志によって選択しています。

日常のことだけではなく、どんな学校へ行き、どんな仕事につき、どんな相手と結婚するのか、も自分の選択と意志によって決定したと思っています。

しかし、昨今の科学においては「人間には自由意志などないし、意志によって選択などしていない」という説が有力です。

人の行動のほとんどは無意識化によって制御されていて、意志より先に行動し、 行動した後、その行動を正当化するために「これは、自らの自由な意志によって選択したのだ、なぜならば......」とその行動を弁護する後付けの理屈をつけ足します。

うまく理屈付けできない時は、その行動や環境によって生じた感情を整理することができず、モヤモヤとした気持ちになります。

理屈付けされないと安心できないからです。

そんな時、誰かが「それってこういうことでは?」と理路整然と言語化してくれると、途端に納得して安心するだろう。

 

 

腑に落ちるという感覚で、そういった心の隙間を突いてくるのが詐欺師やカルト宗教の洗脳であったりします。

要は、環境が大事だという話ですが、環境とは自分の外側からだけのものとは限りません。

「親ガチャ」という言葉が話題となりましたが、親の経済環境が、その子の未来を大きく決定付けるのは残念ながら事実です。

親の所得の多寡が子の進学を左右し、進学が子の年収に作用し、年収が結婚に大きな影響を及ぼします。

ある意味、親が貧乏であれば、子の選択肢の幅が狭められるということです。

選択肢がある以上、それは子が自分で選択も決断もしているという反論もあるかもしれませんが、選択肢が1個しかなければ選択も決断もありません。

その子の今を決めたのは、その子の意志でも選択でもなく、親という環境によって導かれただけです。

年収以外に親から提供される「子の環境」というものを考えた時に、家庭内の人間関係の環境です。

親子の人間関係もそうだが、両親の関係性というものもある。つまり両親たる夫婦の仲のよさ加減で、子は親のことをとにかくよく見ています。

たとえば、関係性が険悪になった夫婦が、子どもの前でどんな仮面で取り繕ったとしても、子にはバレています。

両親がしょっちゅう夫婦喧嘩するような環境で育った子どもが、「自分も結婚したい」と思うでしょうか。

実際、両親の仲がよければよいほど、その子の既婚率は高まるという強い正の相関が見られています。

特に、男女とも40-50代の中年層(いわゆる生涯未婚率対象年齢)ほど仲の悪い両親の環境で育った人は有意に未婚のままなのです。

50代未婚女性の場合は、平均より1.7倍も未婚率が高く、親の仲が悪くても、離婚したとしても、自分はそうならないようにしようと結婚してしあわせな人生を送っている人もいるかもしれません。

両親が仲睦まじい場合でも子が生涯未婚になる可能性もありますが、親の影響がまったくない子もまたいません。

親が貧乏だと物理的影響により結婚ができなくなり、親の仲が険悪な環境下で育つとその子は心理的影響により結婚できなくなるということもあり得ます。

 

 

夫婦の中には、やれ収入面や家事育児の分担などで互いの義務不履行を責めいがみあっている夫婦もいるかもしれません。

配偶者を減点方式で評価しがちな人もいるかもしれませんが、減点方式は必ず誰でも最後は0点になるのでバッドエンドにしかなりません。

80歳になった時、家に未婚のままの子がいるような状況を回避したいのなら、夫婦間のいがみあいもほどほどにした方がいいでしょう。

とにかく、子どもは親のことをよく見て、子どもにとって親は環境そのものであり、世界そのものです。

しかし、だからといって、親が与えた環境だけで子の一生がすべて決定づけられるものではありません。

環境とは、ある程度の年齢以降になれば、自分で形成していけるものだからです。

環境でなんとかなるというと、それを完全に否定するのが行動遺伝学です。

具体的には、身長や体重は遺伝が9割、知能も学業成績も5-6割は遺伝によるものです。

外向性や開放性、勤勉性などビッグファイブと呼ばれる性格の5つの因子も概ね5割弱程度です。

体格はともかく、他の部分の遺伝の影響が5-6割なら、環境の影響も半分弱くらいあるのではないかと思う人もいるでしょう。

ならば、教え方や努力である程度変えられるのではないかと考えたくもなるが、安藤氏はそれも否定します。

当然学べば学んだだけ、それなりに成績は上がるが、誰もが東大には入れません。

誰もが努力や訓練によってオリンピック選手になれるわけではありません。

しかし、逆に東大卒の親の子は全員東大に行っているのか?オリンピック選手の子は全員オリンピックに出ているのか?

それは遺伝というより、東大を受験する環境、スポーツ英才指導を受ける環境の問題でしょう。

大体、能力の遺伝というが、親が大企業の社長で下から慶應からあがって卒業したその子が、親のあとを継いで二代目社長になったとてうまく経営ができるかといえば、あまりそんな例は見たことがありません。

息子がいい大学に入り、社長になれたのは、それこそ、遺伝や本人の努力云々以前に親の環境の恩恵の力が大きいのです。

そもそも遺伝ですべてが決まるなら、なぜ長嶋茂雄野村克也の息子は野球において親のレベルに遠く及ばなかったのだろう、といいたくもなります。

逆にいえば、なぜ長嶋茂雄野村克也があそこまでのスター選手になり得たのかという逆の視点から、彼らの親の遺伝子のおかげでしょうか。

彼らの能力が遺伝であったとしても、それを開花させる環境がなければ無意味です。

万が一、遺伝による才能も環境ひとつで潰すことができてしまい、どれだけ遺伝の影響があったとしても、環境という変数ひとつで変わってしまうのです。

勿論、遺伝の力を否定するものではないですが、現実の世界は研究室の中の無菌状態のシャーレではありません。

 

 

親の経済力など環境で子の将来がある程度決定づけられてしまうのもひとつの現実ですが、それだけがすべてではないのです。

遺伝子工学分野で新しい遺伝学として注目されているものに、「エピジェネティクス」研究があり、「DNAの塩基配列そのものは変わらなくても、遺伝子の読み取られ方(オン・オフのスイッチ)が変化することによって、遺伝子の発現が制御されるメカニズム」のことだそうです。

簡単にいえば、遺伝子情報そのものは親から受け継がれ、変わらないが、その情報のすべてがオンになっているわけではなく、オン・オフのスイッチはその後の様々な環境によって変わるというものです。

人間、どこで何かの影響でスイッチが入るかどうかはわからないのです。

環境とは時間と場所と人で、どんな時代に、どんな場所で、誰と何を行動したのかによって劇的に変わります。

確かに、生まれてくる時期や場所、親は選べませんが、いつまでもその場所にいるわけではないし、親といつまでも一緒にいるわけではありません。

普通に考えれば親は先にいなくなり、時代を変えるというタイムスリップはできませんが、タイミングを計ることはできます。

場所などいくらでも移動でき、職場であれば、転職すればいいだけです。

能動的でなくても、勝手にそういう環境になっている場合もあります。

経営者の交代やM&Aや、小さい事でいえば上司が変わっただけでも実は劇的な環境変化になり得ます。

そして、この人間関係の変化こそが重要な環境になるのです。

時間と場所と人をいい換えると、「時間・空間・人間」という言葉です。

この3つの「間」が環境そのものであり、その「間」をいかに感じられるか、スイッチとしてとらえられるかが、重要になるのです。

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