氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「仕事ができない=発達障害」と決めつけられ…日本の会社で理解が進まない現状

発達障害の認知度が年々高まっています。

いつの時代にもこういう人はいましたが、変な奴として本当の素性は隠れていたのでしょう。

従来は子供の問題だと思われてきたが、実は一定数の割合で「大人にも発達障害の人がいる」という事実が知られるようになりました。

それによって「自分もそうかもしれない」と疑う人が増え、職場では混乱も起きているといいます。

あなたの同僚や部下にもいるかもしれない、「大人の発達障害」が意外と周りに多くいるという現実があります。

本人も気づかない程度の障害が職場で露呈し、会社も困惑しています。

管理職を対象としたメンタルヘルス研修をする場合、数年前まではうつ病に関する内容が大半でした。

 

 

しかし、今では9割方が発達障害に関する依頼が多くなっています。

企業が関心を寄せるのは、「どう対応すればいいのかがわからない」という切迫した状況の表れだといいます。

ここ数年で発達障害の認知度が上がり、ネットなどで知識を得る人が増えました。

しかし『発達障害かもしれない』と疑っても具体的な対処法がわかりません。

人事部が悩むのはもとより、人事まで話が上がるということは現場もかなり困っているということです。

発達障害とは脳の発達の凹凸によって、「得意なこと、不得意なこと」の差が大きくなり、社会生活において困難を抱えてしまう障害です。

その種類は大きく次の3つ。

ASD自閉スペクトラム症

ADHD(注意欠如・多動性障害)

③LD(学習障害)があり、それぞれ下記のような特徴がある。

「大人の発達障害」の代表的な症状

ASD自閉スペクトラム症

・場の空気を読むことが苦手

・曖昧な内容から推察することが苦手

・言葉や表情から心情を察するのが苦手

・特定の物事へのこだわりが強い

・状況に応じた臨機応変な対応が苦手

ADHD(注意欠如・多動性障害)

・気が散って集中が続かない

・順序立てた行動や計画が苦手

・なくし物や忘れ物が多い

・同じ場所にじっとしていられない

・つい衝動的な行動をとってしまう

③LD(学習障害

・文字の読み書きが極端に苦手

・数字の計算が極端に苦手

 

 

ただ、障害の程度が軽い場合には3つのどれか一つにハッキリ分類できる人はまれで、グラデーションのようにさまざまな特性を併せ持つ場合が多いと言われています。

大人の発達障害は、本人も周りも気づかなかったほど障害の程度が軽いのが特徴です。

しかし、会社で働くようになるとそれまでは避けてこられたようなことにも取り組まなくてはなりません。

その結果、発達障害の特徴が“困りごと”として表面化してしまうのです。

そして、人によって困りごとは違い、それが理解されにくさに繫がっています。

世間では誤解も生まれているといます。

例えば『発達障害は薬で治る』という誤解です。確かに薬によってADHDの注意力欠如や衝動性を抑える効果が期待できますが、ほかの困りごとには効果がありません。

会社では発達障害を「公表できない」現状があります。

発達障害の認知度が上がっているのは確かだ。しかし、職場での課題はまだまだ多いのです。

発達障害の場合、’16年に定められた『障害者差別解消法』に基づいて、企業には当事者に対して合理的配慮をすることが求められています。

しかし、実際にはハラスメント対策などに比べれば積極的に取り組まれていません。

外資系IT企業などでは『発達障害の特性を生かして活躍してもらう』という試みをしていますが、多くの日本企業は結局のところ“現場任せ”です。

当社の就労支援を受ける人の多くが『会社では発達障害を内緒にしていた』と言うように、公表すらできない状況です。

「仕事ができない人」を発達障害だと決めつけています。

発達障害だと気づくまで、社内では“問題社員扱い”されてきた人もいます。

発達障害の特性ゆえに環境に馴染めず、1年ごとの部署異動を繰り返してきたようです。

そのような無理解から、社内キャリアをきちんと積めなかった人も多いのです。

 

 

また、ある種の“レッテル貼り”をされる危惧も。 「『仕事ができない人=発達障害』という決めつけです。

そんなことはなく、例えば睡眠不足なだけということもあります。

発達障害の症状は大なり小なり誰にでもあると言えますし、検査によっては抑うつ状態と発達障害では似た結果が出たりします。

米疾病対策予防センターによれば、2021年に米国の未成年者44人に1人が自閉症の傾向があると診断され、大学生の12.1%が多動性障害を持っていると報告されました。

発達障害は決して珍しくありません。

しかし、コネティカット大学の研究では、発達障害を持つ成人の失業率は30~40%と非常に高く、解決が模索されています。

一方で米国では、発達障害者が持ち前の集中力や記憶力、創造性を生かし、研究分野や芸術、経営面で才能を発揮することがよく知られてきました。

相対性理論を編み出したアルバート・アインシュタイン博士や著名芸術家のアンディ・ウォーホル、さらにはiPhoneを生み出した米アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)はよく知られた例です。

近年においては、米航空会社ジェットブルーの元CEOとして業界初の電子搭乗券を考案したデイビッド・ニールマン氏や、米電気自動車(EV)大手テスラの破天荒経営者であるイーロン・マスク氏が有名です。

アメリカでは、発達障害者の情熱と創造性は優れた課題解決力を生み出すため、企業はそうした才能を必要としているのです。

日本の職場では、このような隠れた才能を生かそうとはせずに、病人として排除し、障がい者としてレッテルを貼り、同調圧力のもとに差別しているのです。

この情熱と創造性を生かせるチャンスを逃している日本はますます成長しない国になりそうです。

認知度が上がった今こそ、正しい知識が求められるのです。

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