いまや節約や貯蓄は国民の関心事です。
少しでも賢く暮らすべく、お得な情報や投資情報に目を光らせる人も多いでしょう。
しかし、よかれと思った家計改善が、実は逆効果になることもあります。
値上げの冬を乗り越えるために、隠された「家計の真実」をお伝えします。
資産形成ブームを受け、つみたてNISAやインデックス投資を始める人が増加中です。
しかし、「やったほうがいい」と言われている投資法にも、気をつけておきたい落とし穴があります。
長期・分散・積立は投資の王道ですが、3年目ぐらいまではあまり手応えを感じられないことが多いのです。
特に世界的な景気減速が叫ばれている中で、なかなか自身の運用成績が良くならない方も多いと思います。
すると、SNSなどで利益を上げている、ほかの投資家のリターンがうらやましくなり、FXや仮想通貨などハイリスクな商品に手を伸ばしたくなります。
これが投資初心者がやってしまう落とし穴です。
もちろん、リスクを知ったうえでやるのは構いませんが、夫が投資にのめり込んで貯金を取り崩していると相談されることがあるように、夫婦間で理解を得ないと“火種”になります。
また、最近はSNSで見たことを信じて、オススメ金融商品に飛びつく人も多いといいます。
「アメリカ株だけ買えばいいんでしょ」などと言う人もいます。
アメリカ株の良しあしの問題ではなく、投資先をさほど理解していないのに買っているのが問題なのです。
ほかにもFIREを目指そうと、現金はほぼ持たずに投資に全集中する人も見られます。
相場が活況なときはいいものの、市況が悪化した際に入院費用などまとまった現金が必要な事態が起きると、損切りせざるを得ません。
投資軸がぶれてしまうと、大損や退場への道に行くわけです。
円安の流れを受けてか、外貨建て保険を買う人が増えています。1ドル150円の時の飛びついた人は、今は円高方向ですから損が膨らんでいるはずです。
特に世帯年収1000万円を超えるようなパワーカップルに多く、月々の高い保険料が家計の足かせになってしまうケースも見られます。
これらの保険商品は手数料も割高で、途中で保険料が払えなくなって解約したら損をするリスクがあります。
遠い将来を不安視するあまり、妊娠による減収や住宅購入の頭金など中期的なライフイベントを飛び越えてしまうのは危険です。
ビギナーが“買ってはいけない”投資商品も多いです。
投資初心者はなおさら手数料の高い商品や難解な商品は避けるべきです。例えばコストが高いアクティブファンドや、オプションやスワップが組み込まれたデリバティブ(金融派生商品)です。
銀行や証券会社がこぞって売っていましたが、金融庁から問題を指摘され、今では販売停止が相次いでいます。
このように、銀行や証券会社の窓口では『いい商品』ではなく『手数料が高い商品』を勧めてくる可能性があります。
『なぜプロが勧めるのか?』と、疑う視点を持つのも大切です。
プロが勧める言葉にも“嘘”が紛れていることがあるのです。
また、投資は資金を積み立てれば“アガリ”ではない。出口戦略も考えなくてはダメです。
現行のつみたてNISAの非課税期間は最長20年で、その後は通常の課税口座に移すか、現金化するしかありません。
元本割れを起こした状態で資産を課税口座に移した場合、その後の運用で元本まで戻したとしても、その分は利益とみなされ課税されます。
「お得でしかない」と思いがちな投資法でも、バカ正直に信じるだけではダメなのです。投資をする前に、自分で良く調べて投資を行うよう心がけてください。
「やってはいけない」投資術リストを以下に挙げておきます。
・長期投資の利益が物足りなくなる
・他人を羨んでハイリスク投資に走る
・投資信託の日々の値動きに一喜一憂
・SNSのオススメ投資法を猿マネする
・投資ばかりでキャッシュ不足になる
・「円安だから」と外貨建て保険に走る
・コストが高く複雑な金融商品を買う
・金融業者のオススメ商品を正直に買う □買うばかりで利確を考えない
・「つみたてNISAはお得」と盲信する
現行NISA制度では、(ロールオーバーで一部期間を延長することもできますが)一般NISAで5年間、つみたてNISAで20年間と、非課税保有期間が限られていました。
しかし、2024年1月からスタートする新NISA制度では、非課税保有期間が成長投資枠・つみたて投資枠ともに無期限になります。
特に現行制度の一般NISAでは非課税保有期間が短かったため、基本的に保有期間5年以内を前提にした投資戦略になります。
また、この期間が終わるタイミングで新しい枠を使ってロールオーバーするのかどうか検討が必要、といった問題がありました。
新NISA制度ではその必要がなくなり、長期間保有することができます。ただその間に会社が倒産してしまえば終わりです。将来的に損が膨らんで、損切りを余儀なくされる場合もあると思います。
投資戦略の幅が広がるものの、積み立て投資の場合は長期的な視点に立って投資商品を選別していかないといけないでしょう。