氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

アルツハイマー型認知症を疑う症状

認知症の重度化を防ぐには、早期発見が重要です。

アルツハイマー病というと、世間では「家族の顔が分からなくなり、何もできなくなる」という思い込みが根強いようです。

これは裏を返せば、軽微な症状が出ていても「この程度だったら、ただのもの忘れであり、認知症ではないだろう」ととらえられがちだということです。

早期発見・適切なケアを始めるタイミングを見逃してしまわないように、アルツハイマー認知症の病期と経過について紹介します。

認知症の治療は「早期発見」が何よりも重要ですが、アルツハイマー病と聞くと、「家族の顔が分からなくなる」「何もできなくなる」というイメージばかりが先行してしまいがちです。

しかし、アルツハイマー病になったからといって、突然そのような症状が現れるということはありません。

ここが、医療関係者側の認知症と、一般の方の認知症のイメージの違うところです。

世間で広まっている認知症患者のイメージは、症状が相当に重度化したときのものがほとんどで、適切なケアをしていれば、ある程度予防できます。

アルツハイマー認知症は多くの場合、5~10年程度かけてゆっくりと進行します。

医療の発展に伴い、認知症患者の高齢化ならびに罹患後の余命も延伸しており、終末期の期間も以前に比べ長くなっています。

そのぶん、介護者に求められるケアの内容も増えています。

 

 

【初期】

アルツハイマー病の初期は、記憶障害が主な症状ですが、その程度はごく軽く、単なるもの忘れとの区別がなかなかつきません。

そのため、長期間生活をともにしている家族など、ごく身近な人でなければ気づかないことも多々あります。

ただし、数カ月単位で振り返ったときに、記憶障害の頻度が徐々に高くなり、毎日のようにもの忘れによる何かのトラブルが起こるようになると、アルツハイマー病が疑われます。

また、本人には病識がないことが多いとはいえ、自分の認識と現実が噛み合わない状態をうすうす感じとっており、それが積もっていくとストレスとなり、不安やうつ状態を最も引き起こしやすくなります。 初期症状は次のとおりです。

〈記憶障害〉

●数分前に言ったことと同じ内容を何度も尋ねたり、話しかけたりする

●日付や曜日など、年月日が分からなくなる 

●通帳や財布、印鑑など、自分の大切なものが見つからなくなり、周りを疑う(疑いの目は家族など最も身近な介護者に向けられやすい)

うつ状態

●趣味や習い事に興味を示さなくなる

●一日中ぼーっとしている日が多くなる

〈取り繕い〉

●忘れていることを取り繕い、うまくつじつま合わせをしてその場を切り抜ける  例)「今日は何曜日ですか?」という質問に対し「定年退職したら曜日は関係ないから」

〈実行機能障害〉

●朝の身支度や料理の手順にまごつき、以前よりも時間がかかるようになる

●テレビのリモコンなど、頻繁に利用する電化製品の使い方が分からなくなる

 

 

【中期】

この段階では、側頭葉から頭頂葉へと変性が広がり、現在の時間に加え、今いる場所も分からなくなるため、本人の混乱がいっそう大きくなる時期でもあります。

一方、身体は元気なことが多く、それゆえ徘徊と呼ばれる一人歩きをしたり、暴れたりしやすい時期でもあります。

見当識障害(時間・場所)〉

●季節が分からなくなり、真冬に薄着したり、真夏にセーターを着たりする

●家の中と外の区別がつかなくなり、道路を裸足で歩いたりする 〈道具や手足が使えない(失行)〉

●食事が一人で食べられない

●歯みがきや洗顔などの日常動作ができなくなり、着替えにも介助が必要になる 〈言葉がうまく使えない(失語)〉

●意味の通らない言葉を使う

●言葉が出なくなる 〈徘徊〉

●家の外に出て目的もなく歩き回る

●外出先から帰れなくなる

【後期】

後期には、人物の見当識障害が進みます。徐々に、脳内の大脳皮質の機能が広い範囲で失われていきます。運動機能も障害されてパーキンソン様症状や歩行障害も見られます。画像診断では脳の萎縮が高度にみられます。

見当識障害(人物)〉

●長年連れ添った配偶者の顔が分からなくなる

●自分の子どもなど、身近な人が判別できなくなる 〈排尿、排便障害〉

●便や尿をもらしてしまう

●トイレ以外の場所で排泄をする

●排泄物が何か分からなくなり、便をいじってしまう

 

 

【終末期】

認知機能が高度に障害されて、言語によるコミュニケーションがほとんど取れず、寝たきりの状態になります。

なお、後期から終末期にかけては、活動力の低下に伴い運動や嚥下、呼吸機能といった認知機能以外の機能も衰えやすくなり、種々の合併症のリスクが高くなります。

〈表情が非常に乏しくなる〉

●話しかけても反応しなくなる

●表情を動かさなくなる

摂食障害

●嚥下障害等が進み、介助があっても食べ物を受けつけなくなる

●食べ方自体が分からなくなる 〈寝たきりになる〉

●歩行や座位を保つことが困難になり、寝たきりになる

●寝たきりになることにより、症状がさらに進んでしまう

病期が進むにつれ、記憶障害だけでなく認知症の行動・心理症状の出現、運動機能の低下、内科的な病気の合併などが積み上がり、それらに応じたリハビリや治療が必要になってきます。

これらもまた、患者の高齢化や余命の延伸によって、昔よりもその必要性は高まっているといえます。 

 

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