氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

脳のメンテナンス習慣は40代からが理想

筋肉は使わないと確実に衰えていきますが、脳も使わないところから衰えます。そして残念なことに、筋肉の細胞と違って、ほとんどの脳の神経細胞は、一度失われると再生しないのです。

脳の血流をよくして、脳の細胞に糖と酸素をしっかり供給するのと同時に、脳のさまざまな機能を使っていくこと。この2つが両輪になってこそ、脳の老化予防に効果を発揮するといえるでしょう。

脳には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった、いわゆる「五感」を通して、さまざまな情報が入ってきます。それらを統合して、自分の考えをまとめたり、判断したりして、どのように行動するかを決めていく、つまり「思考力」も、人が生きていくうえでとても大切な脳の機能です。

そして、どの機能を、脳のどの部位が担っているかについても、これまでの脳の研究によって、ほぼ明らかになっています。私が日々向き合っている脳卒中や脳腫瘍などの脳の疾患も、脳のどの部位に発症するかによって、現れる症状がまったく違いますが、それほどに脳は各部位ごとに役割が決まっています。

たとえば、言葉を発する機能を司る部位に脳梗塞が起こると、運動性失語症を発症しますし、右手の運動を司る領域にダメージを受けると、右手に運動障害が出現します。 また、五感で得た情報を統合して判断する機能を主に担っているのが前頭前野という部位ですが、それは脳の各部位と複雑に連携しています。

ですから、脳の機能を衰えさせないためには、五感をバランスよく使うこと。そして、その情報を連携させて判断したり、考えをまとめたりすることを習慣にすることが大切なのです。記憶も思考も、五感から得られた情報がもとになっています。

もの忘れや認知症の予防には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚をまんべんなく使って、衰えを防ぐことが基本です。

脳の衰えを防ぐには、五感をまんべんなく使う趣味や習慣を日常のルーティン化することが効率的です。脳の活性化には社会的な関わりも大切なので、人と一緒に行う活動もおすすめ。

そこに運動性が加われば、姿勢をよくしたり、血流をアップしたりする効果も得られます。「五感を使うおすすめの趣味・習慣」をご紹介しますので、参考にしてみてください。

クイズ番組や、出演者がお題に答えるような番組を見るなら、自分も一緒に答えを考えましょう。口に出して答えれば、発話を司る言語野も働くので、より効果的。

同じ脳トレばかりでは、使う能力も偏ってしまいます。間違い探し、パズル、計算、声に出して答えるもの、スピードを競うものなどいろいろなタイプを選ぶのが脳トレを活かすコツです。

季節や情景、人の心などに思いをはせ、それを限られた文字数で表現するということは、感覚を豊かにします。人と歌をリレーしていく連歌なら、人との交流も生まれます。

料理は、加齢で衰えがちな「段取りを考える力」を鍛えられるほか、味覚や嗅覚、視覚も活性化させることができます。出汁のうまみやスパイスを活用して味覚を広げるのもおすすめです。

社交ダンスや日本舞踊は姿勢が大切ですから、骨盤を安定させ、足腰を鍛えることができます。音楽にのせて体を動かすことで、脳の運動野だけでなく聴覚も刺激されます。

仕事を離れ、地域の活動に貢献することは、脳にも新しい刺激になり、達成感も得られます。外出の機会が増えれば、自然に活動量や運動量、人とかかわる機会も増やせるでしょう。インターネットには情報が溢れています。

スマートフォンなどで閲覧することで脳の刺激にはなるかもしれませんが、問題なのは「視覚」しか使っていない場合が多いことです。また、ひたすら情報にさらされるだけで、「受け身」の態勢になっていては、脳は活性化しません。

それは、テレビやネット動画を見る際にもいえることです。そうならないためには、見聞きした情報について、「自分はどう感じたか」「自分ならどうするか」などと考えて、自分なりの意見をアウトプットしてみることが大切です。

それが「思考力」を鍛えることになります。 こうした、さまざまな情報を統合して思考する力は、特に加齢とともに衰えやすくなる能力です。自分自身でも家族でも、仕事をリタイアしたときや、子どもが独立して「空の巣症候群」になってしまったときなど、急にこれまでの役割が失われるような場面は、脳が衰えるきっかけになることが多く、注意しなくてはいけません。

脳トレも、同じ種類のものばかりを続けていては、限られた機能しか使うことができません。

「ばっかり脳トレ」にならないようにするには、視覚を使うもの、聴覚を使うもの、音読のように声に出して行うものなど、あるいは集中力が必要なもの、記憶力が必要なもの、思考力が必要なものなど、バリエーションをもたせるとよいでしょう。

また、脳トレは、簡単すぎると慣れてラクになってしまい、せっかく時間をかけても、脳を鍛えることになりません。反対に難しすぎると、「嫌気がさして続かなかった」という経験がある人も多いのではないでしょうか。

大切なのは「できた!」という達成感・成功体験を得ること。達成感や成功体験は「次もがんばろう」という意欲のもとになりますし、それが継続につながります。脳トレは続けてこそ効果を発揮しますから、自分が楽しいと思えるものであることも大事です。思考力を主に司っているのは、脳の前頭葉にある前頭前野という部位です。

ここには、五感で得た感覚や言語情報、記憶のほかに、感情も集約され、それらをもとに行動や抑制など高度な判断が行われています。

ですから、単に「脳を使って思考力を鍛える」だけではなく、笑ったり、感動したり、といった感情が動くような体験も、脳を刺激して、暮らしを豊かにすることができます。 たとえば、俳句や短歌を詠むのを趣味にするのもおすすめです。

感動した風景や自然、湧き起こった感情などを作品に詠み込むには、五感をとぎすまし、感情を動かして、言葉を選ぶことになりますから、脳のさまざまな働きをする部位を広く活性できるところが、たいへんよいですね。

「俳句なんて自分には難しい」という方は、テレビを見ながらでも、楽しみながら思考力を鍛えることはできます。私がよいと思うのは「笑点」のようなお題が出る番組です。「〇〇とかけて〇〇と解く…」という「なぞかけ」に答えたり、あるキャラクターになりきって、おもしろいせりふを考えたりするのは、言語だけでなく、笑いや想像力に関わる脳の領域も刺激することができます。

じつは笑いと脳の関係はまだ明らかになっていないことも多いのですが、笑いには、脳が「楽しい」という「ごほうび」を感じる大脳辺縁系という部位や、ユーモアを理解する前頭前野などを広く刺激すると考えられています。

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