氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

変化自在なトクリュウの犯罪スタイル

半グレいわく、彼らの犯罪とは「暴力団と半グレのシノギは共有され、違う形態へと移り変わっていきます。『オレオレ』ばっかりをマークしていると、その裏では違うシノギが新たに顔を出すというような塩梅です」ということです。  

トクリュウの犯罪は、コロナ禍前はオレオレ詐欺からアポ電強盗へ。その後のコロナ禍では、持続化給付金詐欺やキャッシュカードすり替え詐欺(詐欺盗)が流行し、コロナ禍の外出自粛が解除されてからは、ルフィ事件に代表される広域強盗事件が頻発しました(小規模な強盗や空き巣は、現在も続いている)。  

時流を読み、変化自在で柔軟な犯罪がトクリュウのスタイルです。

実際、いま起きているトクリュウの犯罪の流れがどこまで続き、どのように変化するのか、予測することは難しいが、ここにきて増えてきたのが特殊詐欺やロマンス詐欺ということである。

トクリュウ型犯罪の変化は、SNS投資詐欺やロマンス詐欺が「ローリスク・ハイリターン」だからです。

オレオレ詐欺のような特殊詐欺、カードすり替え詐欺のような詐欺盗は、かけ子、受け子の募集からトレーニング(おそらくロールプレイングで即席教育)が不可欠でした。

強盗は、欲と度胸があれば、今日実行犯を集めて、明日にでも犯罪を実行できます。ハイリスクだが、情報がしっかりしたものであればハイリターンが可能です。

ただし、報道などで明らかになってきているが、犯人は逮捕される可能性が非常に高いのです。  

そうした点を考慮すると、投資詐欺やロマンス詐欺は“効率がいい”犯罪なのです。

被害者の欲や恋愛感情に付け込み、言葉巧みに騙して金を詐取するから、証拠が残りづらいのです。監視カメラを気にする必要もありません。

ロマンス詐欺については、かつてはナイジェリアなどアフリカ諸国の「ヤフーボーイ」と呼ばれる一群がその実行犯の主流でした。

あるいは日本人を名乗っていても海外在住とする者が多かったのです。

それは「なかなか直接は会えない」という設定に信ぴょう性を持たせる効果を生み、加えて、被害者の恋愛感情を刺激し、騙されやすい心理状況を作りだしていたのです。

ただし実際には日本在住の人間が絡んでいる可能性は否定できません。

一方、昨今のSNS型投資詐欺は「国内の著名人を語る」手口(かつて強盗の予兆電話で使われた手口)、政府の「資産所得倍増元年―貯蓄から投資へ」宣言から急激に増加したことなどからみて、国内のトクリュウが主体的に関与しています。  

トクリュウの主戦場がロマンス詐欺やSNS投資詐欺に移っている可能性が高いのです。

ロマンス詐欺やSNS詐欺の被害に遭った人々が、「被害金を取り戻しましょう」「損を取り返しましょう」などという甘言に騙され、詐欺の二次被害に遭ってしまうような事態です。  

実際、「ロマンス詐欺の被害金を回収する」とネットに広告を出していた弁護士事務所が、実は広告会社に弁護士の名義を貸していただけで、実際には弁護士資格のない広告会社が詐欺の被害者に法的助言をし、着手金を受け取っていたとして、大阪地検特捜部は、大阪の弁護士や広告会社役員らを逮捕しています。

SNS型投資に「被害者予備軍」を誘い込むトクリュウの生息地帯は、フェイスブックやインスタグラム、マッチング・アプリ上である。実際、筆者のフェイスブックやX(旧Twitter)などにも連日のように外国人から「友だち申請」が送られてきます。  

女性はインスタグラム、男性はフェイスブックを通して被害にあっていることが分かります。  

かといって、オレオレなどの特殊詐欺が減った訳でもありません。2023年の特殊詐欺認知件数は19,033件(+1463件、+8.3%)、被害額は441.2億円(+70.4億円、+19.0%)となっており、前年より増加しています。  

この特殊詐欺の認知件数と被害額に、「SNS型投資詐欺」2271件、約277.9億円、「ロマンス詐欺」1,575件、約177.3億円を単純に足すと、2万2879件、896.4億円と、膨大な被害額です。

令和6年4月から警察が各都道府県警に設置した「特殊詐欺連合捜査班」らが、「投資詐欺又やロマンス詐欺については、具体的な捜査方法や抑止対策において特殊詐欺と共通する面があることから、特殊詐欺対策及び匿名・流動型犯罪グループ対策と一体的に対策を推進する」としています。  

さらに、「警察庁においては、本年4月に新設予定の長官官房参事官(特殊詐欺対策及び匿名・流動型犯罪グループ対策担当)及び組織犯罪対策第二課が中心となって、刑事、組織犯罪対策、生活安全、サイバー等の関係部門の部門横断的な対策を推進する」とあり、投資詐欺、ロマンス詐欺に関しても、オール警察で対応を強化するようです(警察庁 捜査第二課、組織犯罪対策第二課「広報資料」)。

京都新聞SNS型投資詐欺被害拡大に警鐘を鳴らし、フェイスブックを運営するMeta社など運営者側が実効的な対策を講じないことに苦言を呈しています。  

「ネット上に偽の投資勧誘などが大量に拡散され、詐欺へ誘い込む温床になっている。巨額被害が相次ぐのに、SNS広告で利益を上げる運営会社側は実効性のある対策を講じていない。メタの日本法人を相手取った訴訟が起こされた。なりすまし広告の調査を怠ったとして神戸市などの被害者4人が計約2300万円の損害賠償を求め、神戸地裁に提訴した。メタの怠慢と責任回避に批判は強く、真摯(しんし)に受け止めるべきだ」(京都新聞「社説」2024年4月28日)  

ロマンス詐欺とSNS型投資詐欺は当面続くと思われます。

SNSの運営者側が実効的な対策を講じないのであれば、自分の身は自分で守るしかないのです。  

平素から、子どもには「知らない人についていってはいけません」と注意していると思います。SNS型投資詐欺やロマンス詐欺も同様です。  

われわれが普段目にしているSNSにも、トクリュウによる書き込みや広告が普通に流れてきます。

SNSは詐欺集団の主戦場だ。詐欺の落とし穴はいたるところに仕掛けられています。

直接の友達申請やDMもきます。そのトラップに引っかからないためには、胡散臭い書き込みや広告をクリックしないようにすること、不自然な友達申請やDMはスルーすることなどでしょう。

SNS型投資詐欺やロマンス詐欺被害に遭わないためには、「リアルな窓口がある証券会社しか信用しない」、「著名投資家がSNSで投資を勧めたりすることはない」、「面識ない他人にお金を預けない」、「面識ない異性の甘言を信じない」、「個人情報を安易に伝えない」こと等を徹底することです。

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