氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「東京下げ」がネットでたまにバズる理由、人の目が死んでる・港区女子ばかり…

ネット上でもリアルでも、時として行われるのが「東京下げ」です。

背景にあるのはおそらく、「首都東京にならばある程度何を言っても構わない」というねじれた感情です。

東京に住み、東京に暮らす人たちは、この唐突な「東京下げ」とどのように付き合えば良いのでしょうか。

東京出身者は、時々地方出身者たちの自嘲まじりの「地方下げ」に戸惑うことがあります。

こちらが「いやいや、〇〇県も自然が多くて良さそう、のんびりしてそう、最近は二拠点生活の人も多いし………」などと取り繕おうとしても、そこには東京人の優越がそこはかとなく滲み出てしまうように感じ、「いやあ、まあ……」とお茶を濁すしかありません。  

一方で同様に戸惑うのが、唐突な「東京下げ」で、「地方下げ」ほど多くはないですが、東京出身者もしくは東京在住の人であれば、一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか。  

10月のはじめ、とあるユーザーのX(旧ツイッター)での投稿が話題となり、togetterにまとめられました。

それがこちら「『東京勤務したいです』という就活生へ。毎日満員電車で通勤し、昼は大して美味しくないランチに1,000円払うかコンビニ飯。休日も年収、パートナーの属性などでマウントを取り合う”都会の”生活が待っている。」です。

まとめから5日ほどで13万近いPVという、なかなかの注目度となりました。  

ユーザーの投稿は、ほぼまとめのタイトル通りであり、東京勤務をしたいのか、「東京勤務である自分」に酔いたいのかよく考えるべき、と続きます。  

これに対して、「今や1000円でランチは食べられない」とか、いやそれでも電車の本数が極端に少ない地方よりはマシだ」といったさまざまな反応が見られます。  

どこに住むのか、それが地方なのか都会なのか、という話とは誰もが無縁ではいられません。

このようなトピックがネット上で話題となるのは、いつものことです。

このtogetterまとめからもわかる通り、東京下げは「東京は憧れの街(と思ってる人がそれなりにいる)」という前提ありきのものです。  

「東京は楽しいとか、東京に来れば自分が変わると思っているかもしれないけど、実際はそれほどいいところではない」という大人からの忠告でもあります。  

そのような前提と意図であることはわかるのですが、東京に暮らす者としては、1000円ランチや満員電車の不都合はまだしも、「休日もマウントの取り合いばかりで……」とまで言われると、「待て待て待て」と言いたくはなります。  

マウント合戦をやりたがる人はなにも東京人に限らないだろうし、東京人の多くがマウントの取り合いに巻き込まれるかと言ったらそれはまったくの間違いです。

言わずもがなではあるが、それは単なる都会の人へのイメージでしかありません。  

しかしこういったイメージが、あたかも真実のように語られることは少なくないのです。  

たとえば東京の人は「冷たい」「近所付き合いをしない」「お高くとまっている」「東京に住んでいることを鼻にかけている」「地方をバカにしている」などです。  

さらに進むと今回の投稿のように「マウント合戦が激しい」となったり、「何かと金がかかるから副業や投資をしている人が多く、金の話ばかり」とか「公園でのママ友同士の派閥争いが恐ろしい」とか「若い女性はみんなホストに騙されパパ活をして、さらに若いとトー横に集まり……」などとなったりしていく。

東京で暮らす人は時として唐突に「東京下げ」に出くわします。

「東京に出てきたばかりの若い新入社員に、東京は街も人もみんな似通っていてつまらないと語られたことがある。最初は若者らしい元気な発言と思って聞いていたが、何度も繰り返されるので次第に腹が立った」(30代・女性)

 「どこ出身かを聞かれたから答えただけなのに『自慢するなよ』とか『あー、すごいね(笑)』といった反応をされると、じゃあ聞くなよと思う」(30代・男性)

「私が東京に住んでいることが気に入らない母が、『東京って観光都市ランキングで7位なんだって』と上海やパリに比べて低いと笑っていた。国内では東京しかランクインしていないのに誰目線なんだと思った」(20代・男性)

 「東京から地方へ移住した上司がSNSでたびたび東京をディスる(否定する)。『東京は猫の額ほどの家でもバカ高い』『生活コストがすごい』『子どもの受験戦争が殺伐』『街が灰色で人の目が死んでいる』など。わかる部分もあるが、東京が地元で他に行くあてがない人間もいるのだから、ほどほどにしてほしい」(40代・男性)  

「上司が東京暮らしの若い女性=港区女子かのような扱いでたびたび港区女子いじりをしてくるが、東京に住む若い女性の99パーセントは港区女子ではないと思う」(20代・女性)

港区女子とは平均世帯収入が東京都内でも高いと言われる港区界隈で遊んだり、港区に住むような高所得層男性を狙ったりする、派手で金遣いのあらい女性といったイメージで語られやすいのです。  

東京は広いので、23区内でも多くは商店街のある庶民的な住宅街だったり、中には畑があったりすることもあります。  

しかしメディアで取り上げられるのが渋谷、新宿や銀座、あるいは六本木や「港区女子」だったりするため、派手なイメージでばかり語られやすいのです。  

大学入学時などは特に、どの地方の出身かということが話題になりやすく、東京出身者はどことなく一目置かれやすい一方で、地味なナリをしているだけで「東京出身なのにお洒落じゃない」「東京っぽくないね(笑)」といった心ない物言いをされてしまうこともあります。

突然の東京下げに腹が立つことはあれど、心ない東京下げは首都であり、国際的な知名度が最も高く、さらに国内で人口が最も多い都市であるからこそです。

それは東京人もわかっていることだから、多少の東京下げに腹を立てることはありません。  

しかし、東京を下げたい人たちが思い描く「東京人のイメージ」があまりにも戯画的であったり、「東京下げ」に乗じて個人のキャラクターまで貶めたり、といったことがある場合は話が別です。  

若者に対して「東京に過剰な期待を抱くとがっかりするかもしれないぞ」と忠告したくなる気持ちはわからなくもありません。

しかし、だからといって、東京を雑に下げ過ぎる必要もないはずです。もちろん地方を下げる必要もありません。それぞれが自分に合った居場所を選べばいい。結局はそれに尽きる話です。

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