氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

自分のなかの「苛立ち」「不調」の価値を見直す法

「怒らなければよかった」……。ちょっとしたことでイライラしてしまい誰かに八つ当たりしたあと、こんなふうに怒った自分を責めてしまう人は、少なくありません。

だからと言って、「もう怒るのはやめよう」と誓ってイライラを抑えようとするのは、自分の中にストレスをため込むだけです。怒りを抑えつけていると、たまりにたまったものがいつか大爆発して、それこそ相手との人間関係が壊れかねなません。

アメリカで社会現象になっている著書『親といるとなぜか苦しい』著者であるリンジー・C・ギブソン氏は、怒りの感情を持つのは悪いことではないと主張しています。

氏が教えてくれたイライラしたときに怒りをうまく吐き出すコツとはなんでしょうか?

Pさんは、なにかにつけいつもイライラしている自分、怒ってばかりいる自分が嫌でした。だから、冷静な自分を装い、怒りを抑えつけるしかないと思っていましたし、「自分は理由もなくイライラしている不満の塊(かたまり)ではないか」と密かに悩んでもいました。

 

 

しかし、あるとき、その怒りは彼女をみくだし、精神的にネグレクトをしてきた両親に根本的な原因があると気づき、新たな視点で自分の怒りについて考えるようになりました。

「怒る理由は山ほどあるし、怒りは、真の自己からわいてきています。真の自己は、『私は怒っていいのだ』と思い切り背中を押してくれます。もう自分を偽って生きていかなくてもいい。親とうまくやっていこうとしてきましたけど、孤独感や失望を味わうだけでした。いっしょにいるとかえって孤独だったんです」

自分のなかにくすぶっていた怒りを受け入れて初めて、Pさんは自分が「自分の意思はさておき、わたしが犠牲になって心を砕けば、いつの日か幸せになれるはずだ」という思い込みを抱えていることがはっきりと認識できました。

「だけど、まずは自分が正しいと思うことをして、自信を持つことが大事なんですよね。もう自分の時間を無駄にしたくありません。相手に尽くしたのに思いどおりにできないからと、怒ったり失望するのはやめたいと思います」

受け入れがたい感情を抱くとき、多くの人は罪悪感や恥ずかしさを覚えがちです。

しかも、いい人でいるには、そうした感情は抑えなければならないと思っています。

しかし、あまりにも長い間本当の気持ちに蓋をしていると、やがてそれは噴き出してきます。そして、「いったい何がいけないのか?」と立ち止まって考えなければならなくなります。

不安になったり落ちこんだりしたときは、自分が何かしらの感情を隠していないか、問いかけてみましょう。

最悪の気分になるのはどんなときかを考え、その気分が特定の人と関係があるかどうかを見極める(わたしの経験では、人がもっとも認めたがらない感情は2つあるようで、それは、だれかのことを怖いと思う感情と、嫌いという感情です。

真の解決には他者との対峙が必要だという人もいますが、それは逆効果で、かえって不安をあおる場合が多いです。

肝心なのは、自分の本当の気持ちを知り、受け入れることです。

 

 

怒りはときに有益な感情です。怒ることで人はものごとを変えるエネルギーを手にし、自分を、守るべき価値のある存在と考えられます。

責任感が強すぎたり、心配ばかりしていたり、やたらと落ちこむ人が怒りの感情を意識できるようになるのは、いい兆候である場合が多いです。

真の自己が前面に出てきて、自分で自分をいたわれるようになってきたことを示しているからです。

Uさんは、精一杯がんばってきたにもかかわらず、プレッシャーだらけの生活を送っていました。

いつも時間に追われているような気がして、頭の中では「もっとがんばれ、努力が足りない」という声が聞こえていた。趣味のピアノでさえ、長時間全力で演奏しなければならない義務と化していた。休めるのは精根尽き果てたときだけです。

Uさんは子どものころから、疲れたと体が合図を送ってきても、そんなものは無視するよう、母親から言われて、全力でがんばらないと母親から体罰を与えられました。

その結果、自分のペースで行動することができず、体の限界にも鈍感になってしまったのです。

母親に「認めてもらい、愛してもらいたい」との願いから、価値のある存在になるには死に物狂いでがんばるしかありません。

がんばりさえすれば、いつも不満そうな顔の厳しい母親もいつか認めてくれます。「努力は美徳」「あきらめるな」「いつでも全力を尽くせ」といった世間の声も拍車をかけた。Uさんのようにがんばりすぎる人にとって、こうした言葉は心をむしばみます。

壊れるまで全力を尽くすことなど、人間にはどだい無理な話なのです。

幸いUさんは、自分の価値観を改め、自身の欲求にきちんと目を向けられるようになりました。

よく知られていることですが、感受性が豊かで内省的なタイプは自分を大切にしないことが多いです。

 

 

状況をよくして、万事順調に運ぶようにするのは自分の責任だと思いこむあまり、自身の健康をかえりみなかったり、必要な休息さえなおざりにしたりします。

行き詰まりの感覚を覚え、うつや不安症、慢性的な緊張、不眠といったつらい症状が現れるのはいずれも、現実を書き換えようとやってきたことがもはや持続できなくなったことを示すものです。

「真の自己」に背くとき現れる心身の症状は、警告システムであり、心身ともに本当の自分に戻らなければならないと告げています。

研究によれば、その人の身に何が起こったかよりも、それをどう処理するかのほうが大事です。

ポーランド精神科医カジミェシュ・ドンブロフスキも、「精神的な苦痛は成長の証であり、必ずしも病気ではない」という理論を立てています。

人間関係がうまくいかないときは、目を覚ますチャンスです。

人は大人になり、大切な人間関係を前にしても、子どものころに経験したつらいパターンをくり返しがちです。

子どものころ心に受けた傷を乗り越えることが、過去のくり返しから覚醒するもっとも効果的な方法です。

ここで言う「乗り越える」とは、つらい現実ときちんと向き合っていく精神的、感情的な過程です。

そのままでは大きすぎて飲みこめない感情を細かく噛み砕いていく過程と思ってもらいたいものです。

しっかりと噛み砕いて、自分の歴史の一部として消化できるようにしましょう。

内省の過程では何が起こるかわからず、不安や罪悪感を覚えたり、落ちこんだりすることもあるかもしれませんが、最終的にはより強く、適応力もある人格を手にすることができるでしょう。

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