一代で富裕層になった方の多くはリスクの許容度がかなり高く、リスクへの耐性がある方が多いと感じます。例えば、融資などは最大限引き出して投資をするなどです。
当然、損をする時は大きくなりますが、儲かる時も大きいのであまり気にしない方もいます楽観的でリスクを取る方が多いのですが、普通の人がいきなり大きなリスクをとると大失敗するので、日常から小さなリスクを取る訓練を重ねることをお勧めします。
例えば、会議の際には必ず挨拶と発言をするなど。先ほどの富裕層の女性は壇上に立ってパフォーマンスをする機会があると、真っ先に手を上げるタイプでした。こうしたことを繰り返すと、試行回数が増えます。
旅行の行き先を選ぶ、外食の時にメニューを選ぶなど生活をする中でもいろいろな選択肢はあります。そうした何気ないことでもいつもと違う選択肢を選ぶことで少しずつ自分の殻を破ることはできます。
富裕層の思考法としては、他人と違うことに着眼する方が多いと感じます。自分の頭で理解できるまで徹底的に調査をするところもあります。
人と異なる考え方をすれば、他の人には見えないものが見えてくる。それが成功への第一歩です。もし、周りから自分の考えを馬鹿にされたり、笑われたりしたら、大チャンスだと考えればいいのです。
人と同じことをして成功した人は、いままでにいないのです。
何かの分野で成功した方は、偏見を持たずに、子供のように曇りのない目で事実を直視する人が多いと感じます。数分後に意見や判断が変わることもありますが、それは数分後に状況が変わったから対応が変わるのだと感じます。
そのため、成功した方のアドバイスを聞いても、数分後には本人も判断を変えるかもしれないので意味がなく、自分で考える必要があると気付かされました。
投資家として成功を収める唯一の方法は、自分自身がよく知っているものに投資をすることです。
株式であれ債券であれ、あなたがどんな知識を持っているかによって投資すべき商品は変わります。
株式が何たるかを知らずに株式を持つべきではないし、債券の仕組みを理解せずに債券に投資をしてはなりません。
もし不動産が大好きで、いつも見て回っているような人であれば、全資産を不動産に投入しましょう。そうした人が『分散投資にするとリスクが低い』という言葉を信じて、詳しくない株式にも投資をするのは間違いです。
富裕層の多くは自分が最も得意な事業で財産を形成した方がほとんどです。
UBS Billionaire Ambitions Report 2023によると、2022年から2023年の間に相続ではなく、起業によって新たにビリオネアとなった人々に目を向けると、大半はIPOのような特定のイベントからの利益ではなく、ビジネスの自律的成長、つまりビジネスからの利益を積み上げて資産を蓄積しています。
富裕層の割合が高いシンガポールでは、不動産の値上がり益も資産増大に貢献しているものの、会社員をしながら100万米ドルを築いた方も多いです。よく分からない投資に手を出すよりもまずは本業で資産を作ることが重要だと気付かされます。
UBS Global Wealth Report 2024によると、富は流動的であり、どのような富の階層でも、富の階段を登る可能性は、そこから下に落ちる可能性よりも一貫して高いです。しかし、最高資産層の約半分がその層から転落するリスクもあるようです。
例えば、香港市場に上場をした中国企業の創業者の中には、市場がよいときに売り抜けて超富裕層になっている方もいれば、株式を保有し続けていて普通の富裕層にとどまっている方もいます。事業で資産が貯まって、初めて投資をしたのが大失敗をして、富裕層から転落する方もいるのです。
特にインフレは毎年、それまでに築いてきた富を食い潰していきます。億り人になって早期退職をしようとしても、退職年齢によっては1億円では心もとないのです。
大金を手にして運用を始める際の注意点、インフレを考慮した後の資産運用とリタイアメントプランニング、長く働く重要性などを強調しています。
UBS Global Wealth Report 2024では2028年までに、56の国と地域の中から52で100万米ドル以上の資産を保有する成人の数が増加すると予測しており、日本と韓国では米ドル建ての億万長者が25%増加し、台湾ではほぼ50%増加すると予測しています。
富の有機的成長がこの大幅な増加の一部を占めると予想していますが、台湾では主にマイクロチップ産業が人工知能ブームの恩恵を受けていることもあるようです。また、外国人富裕層の移民による恩恵も大きいようです。
ジム・ロジャーズ氏もアジアの時代の到来を早くから予測しており、自身も2007年から家族と共にシンガポールに移住しています。この大きなトレンドを頭に入れながら、日々の株式市場の上げ下げに惑わされないようにしっかりと本業と資産運用に力を入れていきたいものです。