氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

「外向的な自信家」は「内向的な繊細さん」に絶対にかなわない…その「致命的な欠点」

心配せずに自信をもって課題に立ち向かう能力が、野心、士気、信用、さらには試験結果や昇進まで、あらゆることに影響します。

自分のことを「自信がある」とか「自信がない」と言ったりするが、これらは生まれつきの変えられない特性ではなく、時間をかけて育んでいけるものです。

自信を見るのにもっとも有効な方法は、心理学的レベルにある。心理学者にとって自信とは、世界について私たちが信じる主観的な感情であり、性格の一部です。

心理学者は性格を「ビッグファイブ」(経験への開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向または情緒安定性)と呼ばれる特性に分ける傾向があります。

ここではとくに外向性と、その対になる性質、内向性が関係します。

自信は外向的性格の主要な要素です。

多くは、自分やわが子の外向性を高めたいと思い、自信がなかったり、内気だったりすると、実際足かせとなってしまうことがあるからです。

ニューオールバニーのインディアナ大学サウスイースト校、シャイネス研究所所長ベルナルド・カルドゥッチによると、内気な人は、初デートや結婚や子どもをもつこと、昇進が遅いといいます。

極端なケースでは、内気な性質は、パニック障害社会不安障害などを発症させ、人と交流するのを避けるようにする場合もあります。

心理学的に重要な洞察は「性格は変えられる」ということです。

性格は私たち自身に不可欠な要素であり、変えられないものだと広く信じられていることを思うと、これは驚くべき洞察です。

この説は、心理学者ウィリアム・ジェームズが 19世紀後半に提唱したもので、ジェームズは人間の性格は30歳までに決まると主張しました。

いまでは、この主張が間違っていることがわかっており、一般的な性格は、私たちが思うより、もっとずっと変わりやすいのです。

人の性格が遺伝子の影響を受けていることは間違いありませんが、胎内にいるときからすでに、環境の影響を受けていることもたしかです。

妊娠中にストレスを感じていた母親は、心配症の子どもを生む確率が高いという証拠があります。

子どものころの経験もまた、人格を形成する。幼い子どもは、外交的な性質をもつほかの子どもと一緒にいると、より外向的で勤勉になります。

両親の行動も影響を与え、反応性の高い乳児に、両親が社交的で大胆な行動を促すと、人見知りをしない怖いもの知らずの子どもに育ちます。

年齢を重ねると、私たちは協調性や誠実性が増し、感情が安定する傾向にあります。

20歳から80歳までの4000人のデータを調査した別の研究では、青年期と60歳以降は性格が安定しないことが判明しました。

環境の変化が正確に影響するなら、青年期と老年期は環境の変化がもっとも激しい時期なので、納得の結果です。

恋愛関係がはじまると神経症傾向が収まる、失業の影響で誠実性や協調性が失われる、仕事にのめりこんでいる人は誠実性が高まりやすいなど、環境が性格に及ぼす事例はまだまだあります。

ニューヨークに住んでいる人は神経質になりやすく、ロンドンに住んでいる人は協調性が低いなど、新たな町や国に引っ越すだけで性格が変わることもあります。

また、私たちの性格は決まっていないだけでなく、もしあなたがそう望むなら、積極的に形成できるといいます。

自分のビッグファイブの評価を見た約90%の人が、何らかの変化を望んでいます。

もっと自信をつけたいという人は、ポジティブ思考の力の使い方を学びながら、何が効果的で、何がそうでないのかを確認する必要があります。

多くで暗黙の了解となっている問題があります。

現実にも想像上にも存在する、男女のあいだにある自信の差異です。

職場での男女における賃金や機会の大きな格差は、根本的な自信の差に起因することが多いのです。

つまり、自分の能力に自信がない女性は脚光を浴びると萎縮し、リーダーシップを発揮したり、昇給や昇進に積極的になったりできないという説です。

これを裏づける証拠について、2003年に行われた画期的な研究で、コーネル大学のデビッド・ダニングと、ワシントン州立大学ジョイス・アーリンガーは、学生たちに科学的推論に関するクイズを出題しました。

問題を配布する前に、学生には自分の科学スキルを評価してもらい、女性は男性に比べ、常に自分を低く評価しました。

女性の場合、単に答えようとしないために点数が下がるなど、そもそも機会を手放している可能性もあります。

答えるように求められれば、その精度は男性と変わりません。

また、答えに自信があるかどうかを考えるよう言われた際も、男女の反応は異なり、この質問のあと、女性は自信をなくしがちだが、男性は自信を深める傾向にあります。

これらのことは、女性は男性より自信がないことを示していますが、これは真実ではありません。

実生活では、女性は男性と同等に自分の能力に自信をもっていることを示す研究もあるのです。

では、職場のような環境ではなぜそれが発揮されないのでしょう?

女性の自信は、共感や利他主義などの社会的特性と組み合わされないと、職場での報酬につながらない、というところに問題の一端がありそうです。

女性としてのこうした余計な特徴づけに理解せずに主張すると、マイナスの印象を与えることになります。

一方男性は、自分の主張をしても叱られません。

この自信の差を縮めるには、女性が自信をもてばいいという以上の課題があり、職場の大きな変革が必要です。

たとえば成功したプロジェクトがあったら、具体的にそのプロジェクトのどの部分が誰の功績なのかを明確にすると同時に、自分の功績を主張する余地を設けると、全員の自信を正常化するのに役に立ちます。

ところで、「自信がありすぎる」ということはあるのでしょうか?

内向性と外向性の傾向があるのは人間だけではなく、同じような現象はクモ、羊、鳥、イソギンチャクにも見られます。

自然界では、幸運が必ずしも大胆な個体に味方をするわけではないことは明らかで、進化の過程で外向性が標準として選択されたわけではありません。

この事実は、内向性に生存価値があるかもしれないことを示しています。

自信がなく、内気で、繊細で、不安を抱えている人(反応が早く、リスク回避型の「慎重派」)のほうが、積極的にリスクを冒してチャンスをつかみに行く人よりも有利であるという証拠が増えつつあることから、こう考える研究者もいます。

意外ではないかもしれませんが、内向的な人は事故や病気で入院することが少ないのです。内向的であることのメリットはまだあり、内向的な人は外向的な人に比べて情報処理に時間がかかることがわかっていますが、これは情報をより深く処理しているからです。

内向的な人は口を挟むことが少なく平均的に優れたリスニング力をもちますが、これは科学者が「感覚処理感受性」と呼ぶ観察能力によって高められています。

約20%の人がこの能力をもっており、内向性と密接に関連したこの性質は、音楽、芸術、新たな状況をはじめ、痛み、薬、コーヒーに至るまで、あらゆることに敏感さを発揮します。

この性質をもつ人は周囲にある小さな機微を、ほかの人より正確に感じ取ることができ、この才能を使った課題では、外交的な人よりはるかにいい成績を収めます。

実際、外交的な性格には明確な欠点があり、私たちの多くは、日常的に自分の能力を過大評価しているのです。

過大評価は、向上心、粘り強さ、決断力を高め、自己成就的予言を生むことから、心理学者はこれを有効な戦略だと示唆しています。

しかし、一方で、非現実的な期待や悪い決断につながる可能性もあり、内向性と外向性はいずれも人間の生存戦略で、相対的な成功は文脈によって決まります。

明日のことは誰にもわからないため、自分に自信をもって大胆に行動することが本質的にいいことだとは言いきれません。

実際、内向的な遺伝子をもつ子どもは、自信満々の子どもより成長段階での順応性が高いと言われており、彼らがどんな性格になるかは、育ちなどの環境要因に影響されやすいのです。

つまり、悪い環境で育てば悪影響を受け、いい環境で育てば成功するということです。

問題は、大胆さや自信が王様のように扱われる社会では、内気な人は苦労するという点です。

もちろん、内向的であることの利点は認識されつつあり、外向的な人を見習って、自信をつけたいと思うこともあるでしょうが、それ自体を確実に成功する戦略だとみなしてはいけません。

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