氷河期セミリタイア日記

就職氷河期世代ですが、資産運用でなんとかセミリタイアできました。残りの人生は、好きなことをしながら自由に生きていきます。

知らないと大損する「住民税」の落とし穴

住民税とは、個人が住んでいる自治体に納める税金のことです。住民税の通知は、本人宛て、あるいは勤務先のどちらかに毎年6月に届きます。

住民税の通知が本人宛て、あるいは勤務先のどちらかに届くかで住民税の納付方法が異なるのですが、住民税の金額の算出方法や税率、納付の方法などについて紹介します。

なお、住民税には個人住民税と法人住民税がありますが、個人住民税について解説しています。

住民税には、都道府県に納付する「道府県民税(都民税)」と、市区町村に納付する「市町村民税(特別区民税)」の2種類がありますが、両者を合わせて住民税と呼びます。

両者は合算されて納税するので、納税者自身はとくに道府県民税と市町村民税を意識する必要はありません。

 

 

住民税に該当する税金は下記のとおりです。

【住民税に該当する税金】

所得割: 前年の所得に応じて課される住民税

均等割: 居住市区町村から均等に課される住民税

利子割: 預金に利息が付されるときに差し引かれる住民税

配当割: 配当金を得たときに差し引かれる住民税

株式等譲渡所得割: 株等の売買をしたときに課される住民税 利子割、配当割、株式譲渡所得割は金融商品にかかる住民税です。

したがって、一般的に住民税といった場合、上記のうち所得割と均等割の合計を指すケースが多いでしょう。

所得割は該当の住所地に住んでいる方の所得に応じてかかる税金、均等割は該当の住所地に住んでいる方に均等に課せられる税金です。

会社員の場合は年末調整をする、個人事業主の場合は、所得税の確定申告をすることで、所得が確定し、その結果が市区町村に送られ、市区町村の課税課といった担当部署がその情報を共有することによって住民税額が確定します。

会社員の給与から天引きされている住民税も、所得割と均等割の合計です。

住民税の税率は、どこの自治体に住んでいても基本的に同一です。

所得割と均等割の税率は、下記のとおりです。

【所得割】

市町村民税(特別区民税):課税所得額の6%(政令指定都市は8%)

道府県民税(都民税):課税所得額の4%(政令指定都市は2%)

【均等割】

市町村民税(特別区民税):3,500円

道府県民税(都民税):1,500円

上記の合計が住民税の金額になります。

ただし、自治体によって所得割の割合や均等割の金額が異なるケースもあります。

例えば、2021年度の神奈川県横浜市の住民税は、下記のようになっています。

【2021年度の横浜市の住民税率】

所得割

市町村民税:課税所得額の8%

道府県民税:課税所得額の2.025%

均等割

市町村民税:4,400円

道府県民税:1,800円

 

 

住民税は、前年の課税所得額をもとに算出します。新社会人は前年が学生であるため基本的に住民税の基礎になる「前年度の収入」がない、もしくは、基準に達していないことが多いので、実際に住民税を支払い始めるのは、社会人2年目になってからになるでしょう。

そのため、住民税の徴収が始まる社会人2年目の6月以降に手取りが減ったと驚いたりするのです。住民税の算出方法について順を追ってご説明します。

1.総所得額を算出 給与所得や雑所得といった所得額を合計し、総所得金額を算出します。

2.所得控除額を算出 扶養控除や基礎控除など、適用される所得控除の合計を算出します。

3.課税所得額を算出 「1」の総所得額から「2」の所得控除額を引き、課税所得額を求めます。

4.所得割額を算出 「3」で算出した課税所得額に所得割の率を掛けて、所得割額を算出します。

5.税額控除を差し引く 「4」で算出した所得割額から税額控除の額を差し引いて、最終的な所得割の金額を求めます。

6.均等割を加算する 「5」で算出した最終的な所得割に均等割を加算することで、納付すべき住民税額が決まります。

なお、これらの計算は、各自治体が確定申告や年末調整の結果にもとづいて行うものです。個人や企業の経理担当者などが計算をする必要はありません。

逆から見ると、「間違った所得税の確定申告書を提出した」「年末調整で勤務先に提出し忘れた生命保険料控除がある」といった場合ですと、誤った住民税が課されてしまいます。

個人からみると確定申告や年末調整といった手続きは所得税のみならず、住民税にも影響を与えますので注意しましょう。

住民税の納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。

基本的に会社員は特別徴収で、それ以外の方は普通徴収です。

普通徴収の場合、住民税の通知が本人に届き、本人が納付するのに対し、特別徴収の場合、住民税の通知が勤務先に届き、給与から天引きされて納付します。

住民税が非課税になる条件 住民税は、自分が暮らしている自治体に納める税金ですが、条件によっては非課税となる場合もあります。

ここでは、住民税が非課税になる条件について、生活保護受給者は、住民税が非課税になります。また、所得税も非課税です。

前年の合計所得の金額が一定の基準以下の場合、住民税が非課税になります。

非課税になる基準は各自治体によって定められているため、お住まいの自治体のWebサイトなどで確認しましょう。

【東京23区内在住で住民税が非課税になる例】

配偶者や扶養親族がいない方:前年の所得が45万円以下

配偶者や扶養親族がいる方:前年の所得が、35万円×自分を含めた家族の人数+31万円以下

障害者・未成年者・寡婦またはひとり親の方:前年の所得が135万円以下

企業を退職した場合は、最後の給料日以降、住民税の特別徴収をしてもらうことができなくなります。

 

 

その場合は、下記のいずれかの方法で残りの住民税を納付しましょう。

●一括徴収

残りの住民税を、最後の給与や退職金から一括で差し引きます。1~5月までの退職の場合は、原則としてこの方法がとられます。

●普通徴収

6~12月までに退職した場合は、残りの住民税が普通徴収に切り替わります。自宅に納付書が届くので、自分で納付しなければなりません。

●特別徴収の継続

転職先が決まった状態で退職した場合は、転職先の企業の給与から天引きしてもらえる場合もあります。

ただし、退職後にフリーランスになるなど、雇用されない働き方をする場合、普通徴収になります。

普通徴収の住民税の納付を忘れてしまったり、金銭的な事情で納付しなかったりすると、督促状が届きます。督促状が届いても納付しないと預貯金はもちろん給与なども差押えをされる可能性があるため、必ず納付しましょう。

なお、納期限までに住民税を納付しなかった場合、延滞金が加算されます。

どうしても住民税を納付できないときは、市区町村役場の市民税課で相談することをおすすめします。

状況に応じて、分割納付や納付期限の延長といった制度を利用できる場合があるからです。 無断で延滞するのではなく、きちんと相談をして納付する意思とその根拠を伝えることで、いきなり財産が差し押さえられるリスクを軽減できます。

住民税は、前年の所得にかかる税金を納付する仕組みとなっています。

これを理解していないと、いつ、どこに、いくら納める必要があるのかがわからず、混乱してしまいますし、家計の計画も立てることができなくなります。

住民税の仕組みを理解して、必要なときに必要なお金を用意できるようにしておくことが大切です。

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